就職手段に就労移行支援を選ぶまで【発達障害を持つ筆者の体験談】

(筆者紹介)
30代男性。大人になってから発達障害、ASD(自閉症スペクトラム)と診断されている。公務員として10年間勤務、うつ病を経験し民間企業の障害者枠の事務職として4年間勤務。

特徴として、「聴覚が過敏」「周囲からの感情の影響を受けやすい」「細かい作業が得意」などがある。就労移行支援に週5日、一年間通所してトレーニングを続けた。就活の結果、職種を変え、強みを生かせる就職が実現した。現在は障害を持たない妻と二人暮らし。

就職活動に就労移行支援を選んだ理由は、「自分の持つ発達障害を活かす仕事を探せる」から

1)「就労移行支援事業所」とは

「就労移行支援」とは、障害者総合支援法に基づいて運営されている福祉サービスです。就労したい障害を持つ方のニーズに合わせて、スキルアップと就職のサポートをします。

年々、事業所数は増えています。そのためサービスの内容や、事業所が得意としている職種なども様々です。

→参考:厚生労働省 平成29年 社会福祉施設等調査の概況

発達障害で生きづらくても、「会社を辞めて就職活動」は、はじめは考えていなかった。

1)【過去の職場では】業務は問題なし。でも、周囲との関わりが苦手だった。

前の職場では、内部書類のチェックなどの業務を担当していました。事務経験が長く、パソコン操作などが得意なため、業務は問題なく行っていました。また、体調を崩すことなく安定して勤務していたので、上司からも信頼されていました。

しかしながら、「あの人は何でイライラしているんだろう・・?」といった、周囲の方の負の感情を受け取ることで具合が悪くなることがありました。また、雑談などの結論が見えないコミュニケーションが苦痛でした。

しかしずっとこのまま、この職場を我慢して続けていくものだと考えていました。というより、「これぐらいみんなも我慢してるだろうから」と、我慢することこそ仕事だと誤解していました。

さて、ここからは筆者が
〇なぜ、会社を辞めて自分を生かす働き方を考え始めたのか。
〇どのように、「就労移行支援事業所」を知ったのか。
〇どのように、自分に合う「就労移行支援事業所」を探したのか。
〇どうやって、多くの中から通う事業所を決めたのか。
をご紹介します。

就職手段に就労移行支援を選ぶまで【発達障害を持つ筆者の体験談】

1)なぜ、会社を辞めて自分を生かす働き方を考え始めたのか。

→「やりがいは、我慢して働くことからでなく、自分を生かして働くことで得るもの」ということに気付いたから。

前の会社で苦しんでいる筆者を見て、不安に感じた妻からは何度も転職を勧められました。筆者は前の会社の仕事にもやりがいを感じていました。そのため、転職を勧められてもずっと反対していました。しかし妻の「やりがいは、我慢して働くことで得るものではない、今のあなたを生かせる仕事は必ずある」という言葉を受け、「自分を生かせる仕事を探そう」と決意しました。

2)どのように、「就労移行支援事業所」を知ったのか。

→精神科のカウンセラーから伺って、歩き回って複数の事業所を見学した。

前の会社を辞めてから、いくつかの求人サイトに登録して仕事を探しました。しかし、紹介されたのは筆者の苦手な、周囲の方との関わりが必要な事務職のみでした。その企業に就職できても、「周囲の影響を受けてストレスになり体調を崩した。」それでは会社を辞めた意味がありません。

そんなとき、かかりつけの精神科でお世話になっているカウンセラー(臨床心理士)に相談した時、何か所か就労移行支援事業所のチラシをいただきました。その後、チラシやホームページを見て調査し、興味のある事業所を絞っていきました。

3)どのように、自分に合う「就労移行支援事業所」を探したのか。

→自分の足で歩いて一軒ずつ、自分に合う事業所を見学して見て回った。

筆者が見学した事業所で特徴的だったのは以下の2つの事業所です。

事業所A:入口を入ってすぐに大きな部屋とテーブルがあり、たくさんの方が会話している。
事業所B:入り口を入ると各ブースがあり、利用者がブースに配置されたパソコンに向かって作業している。がありました。

同じ名前の「就労移行支援事業所」でも、事業所によって雰囲気やスタイルが違い過ぎたことに驚きました。これは筆者の感覚ですが、利用されている障害を持つ方の雰囲気も、各事業所によって違っていました。

中には予約なしでお伺いした事業所もあり、見学できずに後日改めて伺うなどもあり、大変でした。当時は効率よく調べられる手段を知らなかったため、事業所選びにとても時間と労力がかかりました。

4)どうやって、多くの中から通う事業所を決めたのか。

→在宅勤務の求人に強く、強みを生かせるスキルを学べることから

どの就労移行支援事業所を利用するかについて、妻ともよく相談しました。のち、妻の「Web関係のスキルを学んでほしい」という希望と、筆者が過去と同じ「周囲の影響を受けやすい」ストレスに悩むリスクを避けることを考えました。

見学した「事業所A」は、グループワークなど、コミュニケーションを重きとした支援内容のように感じました。

もう一か所の「事業所B」は、スタッフの方と相談し、体験もさせていただきました。自分のペースでWeb関連のスキルや在宅勤務の情報を得ることができるように感じました。その他の事業所とも比較して検討した結果、「心身の負担がなく、自分の発達障害を生かして続けられる在宅勤務」のスキルを学べる「事業所B」を利用することに決めました。

就労移行支援利用の間は収入がなくなることを覚悟のうえで、筆者の成長のために転職と就労移行支援の利用を受け入れてくれた家族には本当に感謝しています。

関連記事:就労移行支援事業所 利用のメリット 〜こんなお悩みの方に知って欲しい〜

おわりに

~追われる仕事ではなく、追いかけたい仕事を探すために就職活動をしよう~

就労移行支援を利用したことで、自分と向き合うことが増えました。今では就職のために努力し、成長することに喜びを感じています。

障害を持つ方が働くために就労移行支援事業所を選ぶことは、自分のビジョンを選ぶことです。どんな働き方をしたくて、何を学びたいか。「追われる仕事」ではなく、あなたが好きな「追いかけたい仕事」をイメージして学ぶと、通所やトレーニングも「楽しい成長」として続けられます。

あなたをよく知る家族や医師と相談して、あなたに合った事業所を探すことをおすすめします。

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Saladではより身近に、より手軽にたくさんの就労移行支援の情報を得ることができます。もし筆者がSaladの存在に早く気付いていたら、もっと早く今の事業所に辿り着けたかも知れません。

就労移行支援の目的は、筆者のような職種変更だけではありません。体調を崩して、不安を感じながらもリスタートしたいという方に合うプログラムもあります。

興味がありましたらsalad編集部まで相談してみてくださいね。