【発達障害】仕事が遅いのは、処理速度が原因かも?打開策はあるか

頑張っているのに、いつまでも仕事が遅い…

発達障害を持たない方の場合、得手・不得手のムラが少ない

人間誰もが、「できること」と「できないこと」の両方を持っています。ひとつの特性で、出来・不出来が正反対になることもあります。

障害を持たない方の多くは、このムラが少ないのです。飛びぬけて苦手な項目はなく、仮にそのような業務があったとしても努力でカバーしやすいかもしれません。

発達障害は得手・不得手のムラが激しく、つまずきやすい

しかし、発達障害を持つ方の場合得手・不得手のムラが激しいことが多いです。よって苦手なことに直面した場合、大きくつまずいてしまうリスクが高くなります。そのため、周囲から見れば「当たり前」「簡単」な業務でも遅くなってしまったり、できなかったりしてしまうのです。

この感覚を周囲に理解してもらえず、苦しい思いをされている方もいるのではないでしょうか。

仕事が遅いのは、『処理速度』が原因かも

どうしても仕事が遅くなってしまう場合、それは努力不足ではなく『処理速度の低さ』が原因かもしれません。以降処理速度についてご説明します。

『処理速度(PS)』とは

処理速度とは、目で見たもの(視覚的な刺激)をより多く、正確にこなす能力をいいます。処理速度は短期記憶(ワーキングメモリ)にも関わりがあり、仕事において多く使われるものです。

処理速度は、医療機関などで行われる『知能検査』によって確認することができます。(同時に言語理解(VC)知覚統合(PO)なども判明します)

特徴の違いであり、能力が低いこととは異なる

この処理速度をはじめ、知能検査から分かる能力は「特徴の違い」を知るためのものです。したがって処理速度が低いからといって「人としての能力が劣っている」と言うわけではありません。

検査によって分かるのは、その後の自分の活かし方なのです。

今回は「処理速度」について、
○処理速度が低い場合の特徴
○処理速度が低いと、職場でどのような苦労をしやすいか
○処理速度が低く、仕事が遅い状況を打開する方法はあるか

の3点についてご紹介します。

『処理速度』が低い時の特徴

目で見たものをすぐ覚えることができない

処理速度の数値が低い場合、目で見たものをすぐに覚えることが苦手です。メモなどを書くことが苦手なケースも多いでしょう。

関連記事:【発達障害・体験談】仕事を覚えられない時のメモ、覚え方の改善法

ものの『形』を正確に捉えることが苦手

ものの『形』を正確に捉えることが苦手です。これは物事の「全体像」や、フロアの「空間」であるケースが多くあります。この影響で、段取りや整理が苦手なことが目立ちます。

物事を素早く処理をすることが苦手

仕事の全体像や状況整理が苦手なため、どうしても素早い処理ができなくなります。周囲から見ると「遠回りしている」ように効率悪く思われるかもしれません。自分でも何とか効率よくしようとしているのにできないことで、ストレスをためてしまう方もいるのではないでしょうか。

次にこのような特徴が職場にどう反映されるのか。詳細をご説明します。

『処理速度』が低い場合、職場で起きること

文字を見て書き写すことが苦手

部署内で回ってきた回覧の指示をメモする、打ち合わせなどでホワイトボードに書かれた文字を書き写すなど、オフィスワークの場合様々な場面で「書き写す」ことを求められるでしょう。

この場合「書き移す」だけでなく、見たものをスマートフォンやパソコンなどで「見て入力する」ことも含みます。

書き写すことが遅いことで周囲を待たせてしまうことや、焦って書き写したことで漏れなどが生じやすいのです。

書くときの姿勢や動かし方が不自然と言われる

処理速度の数値が低い場合、「見る」目と「動かす」手や足の連動が苦手なこともあります。そのため、慣れない手つきで作業していることで「不自然」と見られてしまうことがあるでしょう。

音読が遅くなってしまう

また、見たものを「読む」ことも難しくなります。この場合は「目」と「口」の連動です。見た文字を処理し、読む言葉として変える…という作業に苦しんでしまうのです。

文字の読み間違えが多くなる

処理速度が遅いと、スピードだけでなく正確さにも支障が出るケースがあります。似たような文字を読み間違えてしまうことや、パスワードなどの不規則な文字の羅列を覚えにくいことが多いのではないでしょうか。

特徴を知り、つまずきやすいポイントを見つけよう

これらの問題があるなら、もう仕事はずっとできないままなのかな…そう考えた方もいるかもしれません。

しかし自分の特徴や傾向を知り、「どこでつまずきやすいか」を知ることで打開することもできます。では、その方法にはどのようなものがあるのでしょうか。

処理速度が低く、仕事が遅い時の打開策

スマートフォンやパソコンを活用し「予測変換」「辞書登録」を活用する

文字を見て毎回同じ文字を書いていれば、ミスをする機会が多くなるでしょう。そのため、できる限りメモはパソコンやスマートフォンなどの端末を活用できるとよいでしょう。

パソコンやスマートフォンには、「予測変換」や「辞書登録」機能があります。この2つを活用することで「書き写す」「見て入力」することでのミスの回数を減らすことができるのです。

「予測変換」はよく入力されるワードを記憶し、関連していそうな文字を入力した時に候補として表示される機能です。

「辞書登録」はあらかじめ「こう打ったらこう変換できる」ように設定できることです。何度も入力する住所地や電話番号などを入力する際に登録しておくと便利になります。極端に言えば、「あ」と打つだけで住所を表示させることも可能です。

そのため難しい漢字や覚えにくい長い文字を写すときなどに活用すると効果的です。

上司と相談して、処理しやすい方法を確認してみる

上司があなたの特徴を知らない場合、気づかずにあなたの苦手な手順や方法で指示をしているかもしれません。

これらを解消するために、上司と相談してどのような動きが苦手なのかを伝えてみましょう。

「このモーションは動かしづらい」「この流れだと動きがぎこちなくなってしまう」など、できる限り具体的に伝えることで対処しやすくなります。

得意だと思える環境を選ぶ手段もある

さて、今回は「仕事が遅いと感じている環境の中でいかに改善していくか」についてご紹介してきました。

しかしこれを打開する方法が、実はもう一つあります。それが「得意なことを活かせる環境で働く」ことです。

カスタマイズ就業」という働き方を聞いたことがありますか?従来の「障害をどうカバーしていくか」というスタイルではなく、得意分野を活かして企業とともに成長し合っていくスタイルなのです。

苦手を避けることを「逃げ」と感じている方もいるかもしれません。しかし、自分を活かす環境を選ぶということは逃げとは違う「立派な選択」です。

今の環境でどうやっても改善できない、充分なサポートを得られないと感じたときは環境を見直してみるのもよいチャンスかもしれません。

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まとめ

いかがでしたでしょうか。

現状を打開するためにまずすることは「自分を知ること」です。これがなければ、苦手なことを訴えることも自分に合う環境を探すこともできません。

もう一度自分の特徴を見直して、環境にフィットできるよう取り組んでいきましょう。

【筆者紹介】
Salad編集部員。30代男性。広汎性発達障害、ASD(自閉症スペクトラム)の診断を受けている。見たものを処理するのは早いが、聞いたことを処理するのが遅い。HSPの特徴もあり周囲の雑音を受け止めすぎてしまうため、テレワークに転向した。

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