【発達障害】見て覚えるのが得意な特性!知覚統合とは?

見て覚えるのが得意と感じる

聞くよりも、見て覚えるのが得意

仕事や日常生活において、「聞いた話から理解するのは辛いのに、一覧表やマニュアルを理解するのが得意」ということはありませんか?

発達障害を持つ方に多く見られるのは、「見て理解する」「聞いて理解する」ことの凹凸が激しい点があります。耳からの処理、目からの処理のどちらかに偏る傾向があるのです。

この、「見て理解する」ことに関しては、「知覚統合」が関係しています。

見て覚える力は、知覚統合が深く関わる

知覚統合とは

「知覚統合(PO:Perceptual Organization)」とは、言葉によらない視覚情報を処理する力です。図やイメージを見て考えることや、空間認知などが関わります。

知覚統合が高い場合、これらの動作が得意になります。多くの場合、見て覚えることが得意な場合、聞いて覚えること(言語理解)が苦手であることが多いです。

知能検査で判明できる

知覚統合や言語理解などの処理能力については、主に臨床心理士が行う知能検査で分かります。これは発達障害の診断を行う際、補助的に行うこともある検査です。大人の発達障害の場合「WAIS(ウェイズ)」を使用することが多いです。

これは、「頭の良さ」を測るものではなく、処理する力の偏り具合を知るものですから、結果から落ち込むことはありません。むしろ自己理解に効果的な方法の一つです。職場に苦手なことや得意なことを伝えるのに必要な情報になります。

もし興味がありましたら、かかりつけの医療機関に相談してみましょう。

それでは、知覚統合が得意だとどのような行動に現れるのでしょうか。

知覚統合が得意なときに現れる行動

人の顔や特徴を覚えやすい

知覚統合が高い場合、人の顔や特徴を覚えやすいことが見られます。一回会っただけで顔と名前を覚えられることはありませんか?

出来事を映像として記憶している

出来事を言葉ではなく、イメージとして覚えていることが多いです。そのため似顔絵や見取り図などを書くことが得意なことがあります。

では、さらに「仕事面」でどう活かせるか掘り下げていきましょう。

【知覚統合】仕事上で活かせること

身ぶり手振りで表現することが得意

人に説明するとき、言葉だけではなく身振り手振りを付け加えて話すことがあります。このような目に見える「アクション」として表現することが得意です(言葉だけで説明することが苦手、ということもあります)。

そのため、言葉だけで伝えるよりも感情や熱意などが伝わりやすいでしょう。

グラフや表の意味を読み取るのが早い

グラフや表などの数字や意味を読み取るのが早い特徴があります。知覚統合が高めではない方と比較すると、「パッ」と見ただけで全体像が分かるのが強みです。

地図や見取り図など、図面を理解、表すのが得意

また、反対に目で見たものを地図や図面などに表すことも得意です。分かりやすい表現で言えば、「目にカメラがついている」ような感覚に近いかもしれません。ですから似顔絵や部屋のイメージ図などを書くことが得意な場合も考えられます。

このように目で見たものを瞬間的に把握し、正確に表現することができることが強みです。

それでは、知覚統合が高い方が仕事上で注意することはどのようなものなのでしょうか。

知覚統合が高い方の、仕事上の注意点

とっさのやり取りなど、視覚情報が使えないときの対処法を用意しておく

視覚情報でのやり取りは、伝えるまでに時間がかかります。図や表を作る必要がありますし、確認ののち相手に見てもらうことで伝達が完了します。

しかし、普段の仕事のやり取りの中でとっさのやり取りを要することがあります。その場合は視覚情報ではなく言葉のやり取りになることが多いのではないでしょうか。

冒頭で触れたように、知覚統合が高いと言語理解が低いことが多いのです。そのため、突然耳で聞いたことを理解することに戸惑ってしまうかもしれません。上司と相談して、普段のコミュニケーションの方法を考えるなど、対処が必要です。

下記の関連記事を参考にして、必要最低限の言葉のやり取りも覚えておきましょう。

関連記事:【発達障害】説明が下手で伝わらないときの、説明力改善のヒント4つ
関連記事:【発達障害・体験談】会話が聞き取れない・苦手な時に訓練したこと

知覚統合が高い人の適職は?

製図やイラストレーターなど、イメージを活用する仕事

顧客や企業から依頼を受けたものに対して、正確に表現することができます。そのため建築デザインの製図、イラストレーターなどのイメージを活用する仕事に適している可能性があります。

データ集計やマーケティング業務

データ集計やマーケティング業務などでも力を発揮できるかもしれません。様々なグラフや表から答えを導き出して、次への業務改善に活かすことが得意なケースがあるでしょう。また、上司へ伝える企画書や資料も精度がよいものを作りやすいです。

広報誌やポスター作成など

また、広報誌やポスター作成などの業務でも活かせる可能性があります。広報誌では紙面のデザインや配置・構成などが得意でしょう。ポスター作成では、見た感覚の「インパクト」を理解しているため、より人の目につくものを作ることができるかもしれません。

テレワーク(在宅ワーク)

テレワークや在宅ワークもまた、スムーズに仕事を進める可能性があります。

テレワークのコミュニケーションは、ほとんどが視覚情報です。離れたところで通信技術を使用したやり取りがメインになりますから、目から受け取る情報が圧倒的に多いです。

ですから、より正確なコミュニケーションを進められる可能性があります。

カスタマイズ就業で、自分の強みを活かそう!

従来の障害者雇用の働き方は、障害特性の弱みをどうカバーしていくかに終始しやすいです。これでは、障害を持つ方の本来の力を発揮することが難しいのではないでしょうか。

そこで新たに生まれたのが「カスタマイズ就業」です。

障害を持つ方が本来持っている特性を強みとして伸ばしていくことで、社会貢献していく考え方です。

「自分の良さを活かしたい!」「自分を活かすために、もっと自分の良さを知りたい」など興味がありましたらSalad編集部までご相談ください。

まとめ

いかがでしたでしょうか。

障害を持つ方が社会で活躍していくためには「自己理解」が不可欠です。自己理解…というと何か壮大な、難しいものに感じるかもしれません。しかし、実は身の回りに「理解」のヒントがたくさんあるのです。

今回そのヒントの一つとして、「目で覚える個性」についてお伝えしました。「耳で聞くことが苦手…」という考えから「目で覚える方のが得意」に意識を変えられたら、強みを活かせるチャンスは、すぐそこまで来ています。

【筆者紹介】
Salad編集部員。30代男性。広汎性発達障害、ASD(自閉症スペクトラム)の診断を受けている。知覚統合が高く、言語理解が低いと考えられる。見てすぐに住所や人の顔を覚えるため、妻から「目にカメラがついている」と言われている。反面、耳から聞いたことを理解することが苦手なため、電話対応で混乱しやすい。