発達障害を持つ方は、切り換えが苦手でミスを重ねてしまう
発達障害を持つ方は、職場に適応できず苦しんでいる
発達障害を持つ方は、就職後、苦しんでしまうケースがあります。およそ3割の方が就職後1年で離職しているなか、離職の理由に多いのが、「業務遂行上の課題がある」ことです。
※『業務遂行上の課題がある』とは・・
作業環境(音やにおい)が合わない、緊張感が強い、仕事が覚えられない、業務上の意思疎通が難しい・・など
参考:障害者職業総合センター研究部門 障害者の就業状況等に関する調査研究(平成29年)
参考:こだわり、不安がつよい:困りごとのトリセツ(取扱説明書)|発達障害プロジェクト
不安がミスを呼び、ミスが原因で不安になる悪循環を招く
このように発達障害を持つ方は、職場環境で何らかの適応に苦しんでいるのではないでしょうか。
不安の中で仕事をしていれば、仕事を覚えるのが遅くなります。それによりミスを招き、また不安になる・・このような悪循環では、心身に負担がかかってしまいます。
今回は、そのようなミスによる不安から気持ちを切り替え、心身を保つ方法をご紹介します。
まず、発達障害を持つ方が特に落ち込みやすいミスには、どんなものがあるでしょうか。
発達障害を持つ方が落ち込みやすい、仕事のミス
1)何度も同じミスを繰り返してしまった
発達障害を持つ方は、以下の要素から同じミスを繰り返しやすいです。
○コミュニケーションが苦手で、相手の意図と違う解釈をしやすい。
○集中を続けることや短期記憶が苦手で、仕事を覚えるのに時間がかかる。
○自力で不安を解消することができず、苦手なことに直面すると動揺する。
このような特徴があるとミスをして学んだとしても、ミスを繰り返しやすいです。
「また同じミスをしてしまった・・」と落ち込むことはありませんか?ほとんどは、ミスをした本人もと自覚しているケースが多いです。
そのためミスをすると自分をひどく責めることも加わって、落ち込みやすくなります。
2)ミスをして、上司などにひどく怒られてしまった
上司や先輩社員など、ひどく怒られたミスは、とても引きずりやすいです。
怒りの感情を受け取りすぎてしまい、怒られた相手や関連の業務に関しての不安や恐怖感が残ります。その相手の感情だけが残ってしまい、落ち込んでしまいます。
また、怒られた相手に委縮することや、苦手意識を持ってしまうことでさらにミスを生むことが多いです。
3)周囲が問題なくできることで、ミスをしてしまった
周囲は問題なくできることが、自分にはできないと感じてしまうと、ミスをしたときに落ち込みやすいです。
「他人が簡単にできることができない自分は、ダメな人間なんだ・・」など、自分を責めてしまうことが多くなります。
4)不安が高まっている時にミスをしてしまった
不安や動揺が高まっているときにミスをしたときは、落ち込みやすいです。心情を自覚していて、「本来の自分ならミスをしなかった」と後悔しやすいからです。
ミスをしたときに反省をして改善する、といった建設的な流れに持っていくことができれば理想的です。しかし、落ち込んでしまうだけですとミスを繰り返すことはもちろん、あなたの体調にも支障をきたします。
安心して仕事を続けていけるよう、あなたがミスをして落ち込んだときに、心がけてほしいことをご紹介します。
【発達障害】仕事で心がける3つの『切り替え』ステップ
ステップ1:ミスをしたときの思考・行動のパターンをチェックする
まずはミスをしたとき、
〇あなたがどんな心情でいることが多いのか
〇どんな行動をしたときか
を思い出してみましょう。
「朝早く起きられなくて、焦って出勤すると一日中動揺してしまう」
「2つのことを同時に行おうとしたことでミスをすることが多い」
など、あなたがミスをする「パターン」をつかむことが大切です。
もし、ひとりで思い出すと辛くなる・・という方は就労移行支援事業など、支援機関のスタッフの方などに相談してみましょう。もし相談先に迷うのであれば、記事終盤の「発達障害を持つ方へ。『Salad』が強みを活かす就職のサポートをします」の案内をご覧ください。
関連記事:「イライラ」に効く!大人の発達障害を持つ方のための認知行動療法
ステップ2:ミスの原因となる思考・行動パターンを工夫する。
次に、ミスをしやすい思考・行動パターンを変えるなど、工夫をしてみましょう。
上の例ですと、
「朝早く起きられなくて、焦って出勤すると一日中動揺してしまう」
→早く起きて落ち着いて出勤するために、夜は早めに寝よう。
「2つのことを同時に行おうとしたことでミスをすることが多い」
→焦らないように、順番を決めて1つずつやってみよう。
という要領で、「これでミスをするのかな」という原因をなくしていきましょう。この作業を行うだけでも、落ち込みにくくなるケースもあります。
関連記事:【体験談】ミスを減らす工夫~発達障害を持つ方が仕事を続けるヒント
ステップ3:同じ場面に直面した時、ミスがなくなったことを確認する
ミスをしなくなると、あまり意識をしなくなりがちです。
ミスに悩んでいたことを忘れてしまい、新しいミスが見つかった時にまた落ち込む・・というケースがあります。これを防止するために、ミスをした業務などを再度行ったときに改善できていたら、しっかりと「ミスがなくなった」と確認していきましょう。
ミスを数えることよりも、改善できたことに注目し「ミスを克服した」と前向きに思考を切り替えることで自信につながり、落ち込みにくくなります。
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まとめ
いかがでしたでしょうか。
「ミスが怖くて不安・・」という意識が強すぎると、ミスにつながってしまいます。何よりあなたが安心して仕事に取り組めない状態では、あなたの個性は発揮できません。
ミスが多い方もいれば、少ない方もいます。人によって差がありますが、いかに平常心を保てるかも、仕事のスキルの一つです。
ミスをして辛い思いをしているかもしれません。しかしそのような時にこの方法で「落ち込み」から脱出するだけでも、あなたの自信になります。
この記事をきっかけに、あなたの自信や成長につながることができたら幸いです。