【仕事が続かない・・】発達障害を持つ方が、長く仕事を続けるヒント

発達障害を持つ方は、仕事が続かないために苦しんでいる

発達障害を持つ方が就職しても、すぐに離職してしまう。

発達障害を持つ方の就職件数が増えています。

しかしおよそ3割の方が就職後1年で離職しています。離職理由に多いのが、「体調面の問題」「業務遂行上の問題がある」「対人関係」です。発達障害を持つ方にとって、自分の特性に合う職場環境に出会うことが難しいのではないでしょうか。

参考:障害者職業総合センター研究部門 障害者の就業状況等に関する調査研究(平成29年)

発達障害を持つ方の、職場への要望事項

また、発達障害を持つ方の「職場への要望」で多く挙がっているのが、
〇調子の悪い時に休みを取りやすくしてほしい
〇業務遂行の援助や本人、周囲に助言する者を配置してほしい
〇配置転換や人事面についての配慮がほしい
になります。

このように、職場の求めている環境への適応に苦しんでいる方が多いです。

参照:障害者職業総合センター研究部門 発達障害者の職業生活への満足度と職場の実態に関する調査研究(平成27年)

それでは、上記の統計をもとに、発達障害を持つ方の仕事が続かない理由として、
〇職場でどのような「苦しみ」を持っているのか。
〇発達障害を持つ方が、職場で感じる「苦しみ」に対してどんな対策があるのか。
をご紹介します。

まず、職場で苦しいと感じる「仕事が続かない理由」を、同じく発達障害を持つ筆者の経験を交えてご紹介します。

【筆者体験】発達障害を持つ方の、仕事が続かない理由

調子の悪い時、休みが取りにくい

【周囲の方との休むべき「不調」の価値観が違う。】
〇障害を持たない、多くの方が考える「休むべき不調」
「風邪で熱を出したとき」「骨を折ってけがをした」など
〇筆者が抱える不調の原因
気圧の変動によって、貧血のような症状になる。など

上記の理由から、「具合が悪くなるので休みます」と伝えづらかったです。翌日に出勤した時、職場の方から「そんなことで休んでいると信頼を失うぞ」と言われました。また「気圧なんて気のせいだ」と言われました。

そのため、辛くても無理して通勤することもありました。このような「周囲に自分の不調を理解してもらえない」という方は多いのではないでしょうか。

業務遂行の援助や本人、周囲に助言する者の配置がない。

【職場で中立的な立場でいる、ジョブコーチなどの存在がいない。】
〇仕事で聞きたいことがあるときに、該当者が分からず困った。
バトンリレーのような、該当者探しで聞いて回ることが苦しかった。質問する相手を限定するか、該当者は事前に確認しておきたかった。
〇職場の方からひどい言葉を言われた。でも嫌がらせなのか、自分に原因があるのかを確かめる手段がなかった。
※中立的な立場の方がいないため、的確な答えが聞けない。

仕事をしていると、苦手でも臨機応変な対応を求められることがあります。筆者の体験した職場ではジョブコーチのような存在がいませんでした。「分からないことはこの人に聞けばいい」という存在がいないのは苦しかったです。

配置転換や人事面についての配慮がほしい

【急な環境変化に適応できない。】
〇合わない上司や同僚がいても、部署異動ができない。
〇部署異動ができても、仕事が変わるのは辛い。
〇部屋や環境を変えるようお願いすると「わがまま」だと言われるから、言えない。
〇そもそも、「変化」そのものでも疲労を感じてしまう。

上記が筆者の感じた「仕事環境の変化について」です。少しの変化で不調になるリスクがあることを理解してもらえないことが辛かったです。

あなたもこのような苦しみを抱えていませんか?周囲の方に理解されにくい苦しみを持つことだけでも、辛いことです。以降、あなたの苦しみを解消して、長く仕事を続けるためのヒントをご紹介します。

【仕事が続かないあなたに】発達障害を持つ方が、長く仕事を続けるコツ

事前に職場に不調のパターンを伝えておく。

いきなり「気圧が下がって気持ち悪いので帰ります・・」と伝えた場合、当事者でないと職場の方は驚いてしまいます。

事前に必ず、職場にあなたの不調のパターンを伝えましょう。相手に伝えることで「あなたにとって辛いこと」だと認識されやすいです。

伝え方に不安を感じる場合は、就労移行支援事業所や就労支援センターなどの支援機関に相談してみましょう。相談先に迷う場合はいちどSalad編集部までお声かけください。

定期的に上司と「ナビゲーションブック」を確認する機会をお願いする。

自分の障害を職場に分かりやすく説明するために「ナビゲーションブック」というものがあります。

定期的に再確認する機会を設けてもらうようお願いしましょう。人事異動などで上司が変わった場合に備えて、常に用意しておくことをおすすめします。

関連記事:自己理解を深める!発達障害特性に役立つナビゲーションブックとは?

上司に報連相の方法を決めるようお願いする。

仕事中分からないことがあった時、そのたび分かる人を探して聞くというのは辛いことです。

上司に相談して、報連相のパターンを決めてもらうようお願いしましょう。もし決められない場合は、「この業務はAさんに聞く、あの業務はBさんに聞く」などの担当業務一覧表をもらうようにしましょう。

それでも仕事が続かない・・と悩んだら、あなたが活きる職場環境を見直そう

カスタマイズ就業という働き方をご存知ですか?あなたの強みや得意なことを企業側も求めるスタイルです。

「上の3つの対策はすでにやってみたけれど、それでも状況が変わらない・・」と感じた方はいませんか?そのような方は、あなたの職場環境を見つめ直す機会かも知れません。興味のある方はぜひSalad編集部までお声かけください。

関連記事:ADHDの適職は?カスタマイズ就業で、向いてる仕事を見つけよう
関連記事:【発達障害を持つ方の就職】あなたもできる「カスタマイズ就業」とは

まとめ

いかがでしたでしょうか。

今でも「ほとんどの業務をそつなくこなす」ことを、良いことと考えている方は多いです。そのような中で発達障害の個性を生かせず、苦しんでいる方が多いのではないのでしょうか。これからは個性を生かせる「環境の選び方」も大切なスキルです。これをきっかけに、今の環境を見つめ直してみませんか?

【筆者紹介】
30代男性。大人になってから発達障害、ASD(自閉症スペクトラム)と診断されている。公務員として10年間勤務、うつ病を経験し民間企業の障害者枠の事務職として4年間勤務。