大人のアスペルガーを持つ人は短気なことがある?理由と改善法を紹介

アスペルガーと呼ばれるひとは、短気な場合がある

アスペルガーと呼ばれるひとは、短気な場合がある

特性が関わり、短気になる場合がある

ASD(自閉症スペクトラム)」とは、先天的な脳機能の障害であり、発達障害の一つです。「アスペルガー」と呼ばれる方は、現在ではこのASDに該当します。

このASDを持つ方の中に、様々な特性がかかわりすぐに怒ってしまう「短気」な方がいます。短気な状態ですと、他者との関わりはもちろん、あなた自身も疲れやすくなります。

今回は「アスペルガー」と呼ばれる、ASDを持つ方の

〇短気になってしまう理由
〇短気な状態を改善する方法(改善するものなので、この記事では「性格」ではなく「状態」として表記します。)

をご紹介します。

参考:ASD(自閉スペクトラム症、アスペルガー症候群)について| e-ヘルスネット(厚生労働省)

【大人の発達障害・ASD】短気になっている理由

【大人の発達障害・ASD】短気になっている理由

起きた物事が想定やパターンと違う

ASDを持つ方は変化や違い、想定外の物事が苦手です。そのため自分なりの「ルール」や「パターン」を定めて生活していることが多いのではないでしょうか。これを自分の中のみに適応させるだけであれば、問題はありません。しかしこのルールやパターンと違うのごとを直面したときに、驚きから「怒り」として表現してしまうケースがあります。

【このようなことで怒っていませんか】

〇相手との会話で「こう言われるだろうな」という想定と違うことを言われたとき。
〇自分の中でのルールと違う物事を目にしたとき。

このようなことで怒りを感じていませんか?相手からすれば、「身勝手」と見えてしまいます。

見えない、知らないことが多い

ASDを持っていると、曖昧な状態に苦痛を感じやすいです。自分の身の回りで起きている物事や周囲の方の心情など、見えないことや知らないことが多いことでイライラしていませんか?苦痛が怒りとして現れるので、周囲があなたを助けたくても対応に困ってしまいます。

感情を表現しきれず、不完全燃焼の状態

ASDを持つ方は、自分の感情を表現するのが苦手です。「自分では伝えきったはずなのに相手にうまく伝わっていない」、「もっと伝えたい感情があるのにうまく言い表せない」という不完全燃焼が続くと短気な状態になります。

他者と噛み合わない

独特な言語表現、相手の意図を汲み取るのが苦手であることから、他者と噛み合わないケースが多い方もいるのではないでしょうか。このようなコミュニケーションにすれ違いが多い状態ですと、自分や他者を責める気持ちが「短気」へとつながってしまいます。

疲労や緊張感が強く、過敏になっている

感覚過敏を持っている場合、疲れているときは過敏さが増します。不快な音が、さらに不快に感じるなどのストレスが増すことで短気な状態につながります。

このような短気な状態を改善し、健康的に生活するためにはどのような工夫が必要なのでしょうか。

参考:ASD(自閉症スペクトラム、アスペルガー症候群) | NCNP病院 国立精神・神経医療研究センター

【大人のASD】短気にならないための改善法

【大人のASD】短気にならないための改善法

想定以外は「悪」ではない

想定外の物事に動揺しないために、あなたの考えと違うだけで「そんなことはあり得ない!」と否定していませんか?どんなにあなたの「ルール」にないことでも、相手の意思や周囲の状況を無視してはいけません。「違う」だけでは「悪」ではありません。

しっかりと相手の話や状況を聞いて、内容を理解したうえで判断するようにしましょう。

関連記事:発達障害を持つ方が「白黒思考」に苦しむのはなぜ?職場での予防法
関連記事:「イライラ」に効く!大人の発達障害を持つ方のための認知行動療法

中期・長期の予定を確認する

見えないことにストレスを感じる場合は、見えるものを増やすことが最善の方法です。中・長期の予定や行うべきことなどを明確にして、生活の不安要素を減らしましょう。

紙に書き出すなどして、感情を放出する

感情が体に溜まると、心身に悪影響を及ぼします。しかし感情を他人にぶつけてしまっては迷惑が掛かってしまいます。ですから裏紙やどんなものでも構いません。自分の感情を思い切り書き出してみてください。すべて書き出したころには、気持ちが楽になっているはずです。

感情が放出できず我慢してしまうと、うつ病になるおそれがあります。定期的に自分の感情の状態をチェックしてみましょう。

会話の中で、主旨を確認してみる

ASDを持つ方の会話が噛み合わない原因は、話し方そのものではないことが多いです。会話の基本となる、根本的な解釈の違いが関わっていることが多いです。双方で違う対象について話していても気付かないまま、あとでズレに気づいたということはありませんか?

会話が噛み合わないときに、言葉そのものや話し方に気を付けようとする方がいます。しかし、ずれを修正する方法は、もっとシンプルなものです。「何について」「誰について」話しているのか主旨を確認することでズレが減り、ストレスも軽減できます。

コミュニケーションで悩んでいる場合は、下記の関連記事も併せてチェックしてみてください。

関連記事:発達障害を持つ方の会話のコツ4つ~話が通じないときは要確認!
関連記事:ASDを持つ方が「空気読めない」と言われるのはなぜ?改善法は?

充分な休養をとる

すぐに怒りやすい状態を防ぐため、充分な休養を取りましょう。理由もなくストレスが溜まっているときは、「休養のサイン」です。心身を休めて、リフレッシュしましょう。

参考:発達障害の特性(代表例)|厚生労働省

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まとめ

いかがでしたでしょうか。

周囲との感覚のずれを多く経験していると、「どうせ皆は自分を理解しようとしていないだろう!」という目で他者を見てしまいます。こうなると、いつでも怒れる、短気な状態になってしまいます。

怒りの感情をためることは、あなたの心に最も負担をかけます。あなたなりの工夫をして、セルフケアを心がけましょう。

【筆者紹介】
Salad編集部員。30代男性。広汎性発達障害、ASD(自閉症スペクトラム)の診断を受けている。2つの職場をおよそ15年勤務したのち、就労移行支援の訓練を経て強みを活かす就職を実現している。

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