【アスペルガー】そもそも『共感』とは?共感力が身につくヒント4つ

アスペルガーは「共感性が低い」と言われるけれど…

共感せず自信満々で相手を見下す女性

アスペルガーの特性で、「共感性の低さ」が挙げられる

アスペルガーは、現在の診断名はASD(自閉症スペクトラム)という名称です。しかしながら用語の便宜性などの理由から、今でも「アスペルガー」という言葉を使用するケースがあります。

アスペルガーの特徴に「空気が読めない」「頑固になりやすい」というものがあります。この様な特性の影響からも、「アスペルガーは、人の気持ちが分からない」「共感性が低い」と言われるケースがあるのです。

参照:発達障害と共感性_自閉症スペクトラム症を中心とした研究動向(東京大学)

『共感性が低い』とは言われるけれど…

アスペルガー(ASD)と診断されたとき、特徴の説明を受けたことがあるかもしれません。もしくは、書籍やインターネットなどで調べた方もいるかもしれません。その中で「共感性が低い」「人の気持ちが分からない」というワードが目についた方も多いのではないでしょうか。

ただ、そのような特徴を知っても、
・そもそも、何が「共感」なのか
・人の気持ちが分からないのは、みんな同じではないのか
という疑問や不満を持ったことはありませんか?

周りから「ダメだ、ダメだ」と言われているだけで、何がダメかを教えてもらえないととても悔しいですよね。

そこで今回は、
○そもそも、「共感」とはどんなことなのか
○「共感」するにはどうしていけばよいのか

をご紹介していきます。

そもそも、『共感』とは?

女性同士で共感を持って楽しく談笑

では、そもそも「低い」と言われがちな「共感」は、どのようなことなのでしょうか。

相手の心情を、当事者として考える

学校や職場でよく「人の気持ちを考えなさい」と言われたことはありませんか?でも、その意味を教えてもらえず困ることもあったかもしれません。

この「人の気持ちを考える」とは、「人の考えていることを読み当てる」ことではありません。むしろ当ててしまった時の方が、ダイレクトに伝わり過ぎて傷つけてしまうケースもあります。

「人の気持ちを考える」とは、「相手が『こう感じているだろう』という感情を当事者のように考える」ことなのです。「自分だったらこうだろうな」と思いながら相手と接することも『共感』の一つです。

相手の役職やポジションに置き換えて考える

「立場を考えて話しなさい」「TPOをわきまえて話しなさい」こう言われたことはありませんか?アスペルガーを持つ方に多いのは、「相手の立場や役職、ポジションに関係なく自分の感覚で話してしまう」ケースです。

職場のケースを例に挙げてみましょう。部下には部下なりの事情、上司には上司なりの事情があります。これを無視して部下が「もっと会社は改善されるべきだ!」など言ってしまうとします。上司は「そんなに言うほど簡単ではないよ…」と嘆いてしまうでしょう。

この「相手のポジションや役職であればこう判断する」ことを想定して話すのも、『共感』の一つです。

相手の話を受け取り、それに基づいた返答をする

アスペルガーを持つ方は、会話のキャッチボールが苦手なことがあります。相手に応じた回答ではなく、自分の思いを話してしまうことがあるのです。これでは、キャッチボールではなく「2人で壁当てをしている」にすぎません。

共感するには、相手の話を受け止めたうえでの返答をすることです。そうすることで「共感してくれている」と感じてもらいやすくなります。

この「相手の話に応じた回答を考える」ということも、共感の一つです。

解決へ向かうのではなく、共に寄り添うこと

アスペルガーを持つ方は、曖昧な物事への判断が苦手なため、事前に道筋を立てて考えるケースが多いでしょう。その影響で、物事の本質や「ゴール」に固執しやすいことがあります。

辛い思いをしている人から話を聞いたとき、『辛い状況から抜け出すゴール』を話していませんか?厳密にいうと、『解決策を考える』ことが『共感』にならないケースもあるのです。

このようなとき、「一緒に辛い思いになってあげる」ことこそ、共感になります。

では実際にこのような共感をするためには、どのような工夫が必要なのでしょうか。もしくは共感できない分をどのようにしてカバーしていけばよいのでしょうか?

参考:発達障害24歳男性と「会話」が成立しないワケ | ボクらは「貧困強制社会」を生きている | 東洋経済オンライン | 経済ニュースの新基準

共感力を身につけるコツ

障害を持ち働くことについて議論している男性二人

それぞれ共感するコツと「できないかも…」と感じたときのカバーの方法をお伝えします。

相手と同じ状況になったときの心情を想像してみる

先ほど触れたように、共感は「人の心情を読み当てる」こととは異なります。大切なのは「いかに相手の心情を正確に知るか」ではないのです。

本当に大切なのは「相手が『自分のことを考えてくれているな』と感じること」なのです。ですから相手と同じ状況になったとき、どうなるかを想像してみましょう。

例えば、苦手な業務に苦しんで悩んでいる人がいるとしましょう。ポイントは、『完全に相手になり切って考える』ことです。「自分は苦手ではないから、そこまで辛くはならないな」では、共感には至りません。苦手なことまでも想像して考えることが共感です。

【できないかな…と感じたら】
どういう事情で辛いと感じているか、どんなことで苦しんでいるかを少しずつ聞いていきましょう。すぐに解決に至ることなく、ゆっくりと少しずつ聞いてあげることが大切です。

相手のポジションや役職になり切って考える

相手のポジションや役職になり切って考えてみましょう。例えば男性が女性のことを考えるときは「『女性』になり切って」、部下が上司のことを考えるときは「『上司』になり切って」考えることです。

このためには、『相手がどういう状況にあるのか』を知る必要があります。これをいかに正確に把握したうえで対話できるかで、共感性に違いが出てきます。

【できないかな…と感じたら】
知らないこと、自分が経験していない立場やポジションに関わることは口にしないように注意しましょう。それだけでも相手に不満を持たれるケースが減少します。

相手の話を聞き、どう答えれば安心するかを考えてみる

相手から話を聞いたとき、「どう答えれば相手が喜ぶか」「どう答えれば相手が安心するか」にこだわって考えてみましょう。無理に言葉の種類や話し方の体裁を意識する必要はありません。

ポイントは「自分ならどう言われたいか」を考えてみることです。

【できないかな…と感じたら】
まずは『聞き手』に回ってみましょう。聞いたうえで分からないことがあったら「どういうことなのか」を確認をするようにしましょう。

自分の力で立ち直らせようと考えず、受け止める

ほとんどのケースで、共感を求めているときは相手に『解決』を求めていません。話を聞いてほしいだけなのに、解決や結論を言ってしまうことで噛み合わなくなることもあります。

もし相手から相談を受けた時、辛い思いを聞いた時は自分の力で何とか解決させようと思わないようにしましょう。「話を聞きながら、同じ時間を共有する」感覚でいることが大切です。

【できないかな…と感じたら】
急がず、ゆっくりと話を聞いていきましょう。相手がなかなか自分の心情を話せなくても、聞きながらじっくりと待ちましょう。

参考:コミュニケーションの困りごと全般:困りごとのトリセツ(取扱説明書)|発達障害プロジェクト|NHK

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まとめ

共感性についてアドバイスする女性

いかがでしたでしょうか。

今回は「共感」についてお伝えしました。しかしこれはアスペルガーを持つ方だけでなく、実はどんな方でも難しいことです。人の気持ちが読めないのは、どのような方でも同じことです。多少のずれもあることでしょう。

アスペルガーを持つ方は、この共感の「ずれ」が目立ちやすいというだけです。他の方が完璧に共感しているかといえば、そうではありません。

ですからもし共感力を身につけることができたら、それも大切な「スキル」になるのです。

【筆者紹介】
Salad編集部員。30代男性。広汎性発達障害、ASD(自閉症スペクトラム)の診断を受けている。同時にHSPの性質も強く持つ。子供の時に「薄情」「悪人」と呼ばれ続け、共感できないことで悩んでいた。

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