アスペルガーは口が軽い?「言ってはいけない」善悪の判断を行うコツ

口が軽いことで信頼を損ねることがある

口が軽いことで信頼を損ねることがある

何気なく発した言葉が、相手を傷付けることがある

ASD(自閉症スペクトラム)は、かつて「アスペルガー」や「自閉症」など呼ばれていた障害が統合された名称で、現在はこの「ASD」で診断されています。

特性として困難を感じやすいのが、「一点ばかりに集中しすぎてしまい、全体像をつかむのが苦手」なことで、周囲の『暗黙のルール』に気づかないことです。

これによって、暗黙のルール内の「善悪の判断」をすることができず、周囲を不快にさせてしまうことがあります。

『口が軽い人』と思われてしまう

暗黙のルールに気づかないことで、その時に言ってはいけないことを思わず口にしていませんか?

悪気なく話したことで、相手から「言っていいことと悪いことも分からないのか」「TPO(時間・場所・状況)を考えて言いなさい」など言われたこともあるのではないでしょうか。

こうして「口が軽い人」というイメージがついてしまうと、周囲の信頼を損ねてしまうことも考えられます。

今回は、
○どうして口が軽いと思われているのか
○「言っていいことかどうか」善悪の判断をしていくコツ

について紹介します。

参考:ASD(自閉スペクトラム症、アスペルガー症候群)について| e-ヘルスネット(厚生労働省)

【アスペルガー】口が軽いと言われる原因は?

【アスペルガー】口が軽いと言われる原因は?

嘘をつくことが苦手

アスペルガー(ASD)を持つ方は、もともと嘘をつくこと自体が苦手なことがあります。その場に応じた話し方ができない、など原因は人によって様々です。

もちろん、「嘘をつくことが良い」というわけではありません。しかし、嘘をつけないことの難点として、「言うべきことを選ぶことが苦手」なことがあります。したがって「言ってはいけないことまで言ってしまう」リスクが高まってしまうことを覚えておきましょう。

はっきりとした話し方が、暴露につながってしまう

悪気なく話してしまったことで相手を驚かせてしまったり、不快にさせたりする理由に「はっきりとした物の言い方になりやすい」ことがあります。

もともと状況に応じて語気を調整したり、言い方を柔らかくしたりすることが苦手です。さらには自分自身でソフトな表現を理解することが苦手なため、つい「直接的な表現」になってしまいます。

遠慮や調整がされていないことで、言ってはいけないことがあっても気づけないリスクが高まります。

関連記事:【ASD、アスペルガー】話し方がきついと言われる方の会話のコツ3つ

相手の話の意図を把握できないまま返してしまう

俗言う「話を半分聞いている」状態で、相手の話を聞き流していませんか?相手の話を正確に聞かないことで、相手の意図を把握することもしにくくなります。

そうして相手の話を正確に理解しないまま、返答してしまうことは危険です。的外れな回答になりやすいことはもちろん、「言ってはいけないこと」を言われているのにもかかわらず、口にしてしまうリスクが高くなってしまうのです。

このような要因から、言ってはいけないことを言ってしまう「口が軽い人」と思われてしまいます。それでは、「今言うべきことなのかどうか」善悪の判断をするためには、どのような工夫が必要なのでしょうか。

参考:「嘘がつけない人」が世渡り上手になる方法|「マイナビウーマン」

話すことの「善悪の判断」を行うコツ

話すことの「善悪の判断」を行うコツ

あらかじめ言ってはいけないことを確認する

何を言ってよいのか、何を言ってはいけないのか、そのたび状況を判断することは難しいです。

ですから善悪の判断基準となるものを、事前に確認しておくことで防いでいかなければなりません。

確認する方法は2つあります。

①上司に「職場で言ってはいけないこと」を確認する
企業や職場特有の「ルール」があります。これをしっかり把握しておかないと、意図せず企業内の機密情報を外部に話してしまう可能性もあるのです。

ですから、こちらをチェックして、上司と定期的に相談するきっかけを作っていきましょう。

②対話のマナーについては、就労移行支援などの専門機関に相談する
職場の専門的な対話以外に、「人として言ってはいけないこと」なども存在します。「絶対に言ってはいけないこと」や「人によって言ってはいけないことになり得ること」など、対話上のマナーを求められることもあるでしょう。

そのような場合は就労移行支援事業所や地域の就労支援センターなどの専門機関に相談しましょう。

就労移行支援事業所について詳しく知りたい方は、こちらを参考にしてみてください。

感情に任せた発言を控える

感情表現が苦手なため、普段は感情を外に出すことが少ないのではないでしょうか。そのためいざ感情を外に出すことになった時、加減ができない可能性があります。

感情を出し過ぎてしまうことで、言ってはいけないことまで話す勢いがつきやすくなります。

ですから対処として、感情に任せた発言を控えましょう。特に「喜」「楽」などのポジティブな感情は周囲の反感を買いやすく、「怒」の感情は相手を傷つけやすいので注意しましょう。

ひとつひとつの言葉のやり取りに集中する

失言を避け、正確に話していくためには、正確に相手の話を聞き取ることが必要です。

よく会話は「キャッチボール」に例えて言われます。正しくボールを取っていない(話を聞いていない)状態ですと、投げるための体勢をうまく作ることができません。充分に投げる体制を作らないことで相手が取れないボール、すなわちその場では言ってはいけないことを言う可能性が高くなります。

ですから相手の話をよく聞き、意図を確認しなくてはなりません。こちらを参考にして、正確な対話をしていく工夫をしていきましょう。

関連記事:【アスペルガー】「人の話を聞かない」と言われる原因、改善法は?

参考:コミュニケーションの困りごと全般:困りごとのトリセツ(取扱説明書)|発達障害プロジェクト

言ってはいけないことばかりで辛いときは、環境を見直してみよう

言ってはいけないことばかりで辛いときは、環境を見直してみよう

ここまで「言ってはいけないことを、しっかりと『言わない判断』をする方法」についてお伝えしてきました。しかしながら、このような「言ってはいけないこと」ばかりにがんじがらめになってしまっては、精神的な負担は大きいです。

場合によっては、嘘をつくことばかり求められ、辛い思いをされていることがあるかもしれません。

このように自分らしさを失いそうで辛い時は、職場環境を見直してみることが必要です。

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詳しくは、Salad編集部までお問合せください。

参考:障害者の能力や強みを生かす「カスタマイズ就業」って? – 毎日新聞

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まとめ

いかがでしたでしょうか。

「ここでは言ってはいけない」、「ここでは言わなきゃダメ」などその場で良し悪しを考えることは、アスペルガー(ASD)を持つ方にとって辛いことかもしれません。

筆者もASDの診断を受けていますが、時に「統一したルールはないのか!」とストレスをためていました。ですから自分なりにシンプルに考える工夫をしました。

それは、「目の前の相手を傷つけたくない」という思いです。常に発言でもって相手が傷つくかどうかで言葉を選ぶようにしました。それからは、失言をすることはなくなりました。

必ずしもこの考えが正しいとは言えません。しかしもし判断要素が多すぎて辛い時は、このように判断基準をシンプルにしていく工夫も方法の一つとして、参考にしてみてください。

【筆者紹介】
Salad編集部員。30代男性。広汎性発達障害、ASD(自閉症スペクトラム)の診断を受けている。HSPの特徴にも多く当てはまり、様々なものが見えすぎるために「言ってはいけないこと」にも気づきやすいことに苦しんだ。現在はテレワークに転職。対話の負担をなくし、自分の個性や経験を活かす働き方を実現している。

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