いつの間にか、歩くのが早い…
せっかちな気持ちが行動に出やすい
ADHD(注意欠如・多動性障害)は、発達障害の一つです。
特性から落ち着きがなく、せっかちなことが目立つ傾向があります。
常に忙しく、バタバタしていることはありませんか?バタバタと行動することで、さらに自分の心のゆとりをなくしてしまう、悪循環に陥りやすいです。
気が付くと仕事が終わっておらず、先延ばしにしてしまうことなどもあるのではないでしょうか。
特性から、歩くスピードが早いケースもある
このような「バタバタ」な心理から、気持ちが移動にも現れるケースがあります。そのため、「歩くのが早い」と言われることもあるのではないでしょうか。
または気が付いたら、同行した方がかなり後ろを歩いていたという事態も考えられます。
それでは、なぜ、ADHDを持つ方は歩くのが早くなるのでしょうか。
歩くのが早い理由
いつも急いでいて、ゆとりがない
朝が弱く、さらに時間管理が苦手で、気が付くといつも急いでいる状況になっていませんか?
早め早めに行動すれば防げたものも、ギリギリまで行わないなどから自分でバタバタする要因を作っていませんか?
このような場合、「早く行いたい」と言う気持ちから歩くのが早くなることがあります。
じっとすることに耐えられない
じっとしていることに耐えられず、常に動いていたい衝動に駆られていませんか?
ADHDを持つ方は特性に「衝動性」「多動性」を持つことが多いです。よって動き方、歩き方が早くなるケースがあります。
先のイメージがどんどん浮かび、体がついていってしまう
ADHDを持つ方は、落ち着きがないことが弱みとして現れることがあります。さらに同時にクリエイティブであるため、新しい予定や行いたいことがどんどん浮かんできます。
早く次のステージに進みたいため、焦る気持ちが「歩く早さ」に反映されてしまうのです。
早く歩くことで周囲に迷惑をかけてしまうことがある
早く歩けば、早くたどり着きます。ですからそれだけ多くの物事をこなせるかといえば、答えは「NO」です。
早く動くことで、
・一つ一つの作業の精度が落ちる
・周囲にも慌ただしさが伝わってしまう
・同行するときに相手を置いて行ってしまう
・自分自身を焦らせてしまう
などのリスクがあります。
このような事態を防ぐために必要な改善法には、どのようなものがあるのでしょうか。
歩き方で迷惑をかけないための改善法
1)時間管理を心掛け、ゆとりを持つ
「バタバタしなくてもよい」ように、時間管理を心掛けましょう。時間や予定の決め方に不安な場合は、こちらを参考にしてください。
時間に追われる状態は、心身への負担が非常に大きいです。業務に関わる方も巻き込んでしまうケースにもなりかねません。
さらにはゆとりがないことで、物忘れや漏れが多くなります。
このような事態を防ぐためにも、時間管理は必須です。「ゆとりは作るもの」です。早く歩く必要を減らしていきましょう。
2)集中・注意を向けるコンディションを保つ
集中して行えないことで、作業の効率が下がります。よって焦りにつながり、早歩きにつながりやすいです。
ADHDの困難を緩和し、集中や注意を調節してくれるのが、服薬です。さらには自分自身でも集中力をコントロールし、コンディションを保つよう心掛けましょう。
また、自身でも集中力を保つ工夫を行わないといけません。こちらを参考にして、自分なりの集中力キープ法を作っていきましょう。
3)決めた予定に沿って動くなど、落ち着く工夫をする
行う予定や道筋が決まっておらず、「ぶっつけ本番」の考えで取り組むと、ゆとりをもって業務を行うことが難しくなります。
職場の上司とよく相談して、業務の手順や流れを再確認しましょう。定期的に相談することで、心を落ち着ける工夫をしましょう。
相談や報告の際にはこちらを参考にしてみてください。
相談方法に迷ったら…
その他仕事でゆとりがない、うまく進められないなどの悩みを持っていたら、上司に相談するようにしましょう。我慢してずっとバタバタしていると、追い詰められて適応障害になってしまうおそれがあります。
相談の仕方に悩んでいたら、こちらの記事「【大人のADHD】仕事で辛い悩みを相談できない…原因と打開策4つ」をチェックしてみましょう。
その他職場での相談方法に悩んでいたら、Salad編集部までご相談ください。
職場で悩みが解消されない場合は、環境を見直してみよう
どう業務効率化に取り組んで工夫をしても、一向に改善されない…いつまでもバタバタしてしまう…このようなことはありませんか?
その場合、あなたが原因なのではなく、環境が合わないだけなのかもしれません。もしかしたら、それは環境を変えることで改善される可能性もあります。
「カスタマイズ就業」と言う言葉を聞いたことがありますか?
障害や個性を活かして、強みとして社会貢献する働き方です。「もっと落ち着いて働きたい」「もっとアクティブに働きたい!」と感じた方はSalad編集部までご相談ください。
関連記事:ADHDの適職は?カスタマイズ就業で、向いてる仕事を見つけよう
仕事・働き方に悩んでいたら。『Salad』が強みを活かす就職のサポートをします
まとめ
いかがでしたでしょうか。
自分では意識していないことで、周囲は不快に感じていたり、苦しんでいたりする場合があります。特にバタバタしているような「余裕がない状態」ですと、周囲の事情や心情を見逃しやすいです。よって周囲の不満や忠告があっても流してしまう可能性があります。
こうなれば、トラブルにもなりかねません。
長く働くためには、マラソンのように、ゆとりを持ってペースを保っていくことが重要になります。
大変な作業になりますが、改善されれば気持ちの負担が少なくなります。少しずつ、取り組んでいきましょう。
【筆者紹介】
30代男性。広汎性発達障害、ASD(自閉症スペクトラム)の診断を受けている。HSPの特徴も多く当てはまっている。ADHDの診断は受けていないが、先へ先へと焦る傾向がある。特に幼少時代にその傾向が強く、一つ一つの作業が雑で、結果的に何もできていない状態になることが多かった。現在はあらゆる改善法を試し、コントロールできるようになっている。就労移行支援に一年間通所したのち、現在はテレワークでもって、強みを活かす就職を実現している。