【大人の発達障害】ADDとADHDの違いは?現在どう診断される?

ADHDとADDには特徴に違いがある

ADHDとは

ADHD(注意欠如・多動性障害)とは発達障害の一種です。主に「注意力の欠如」「多動性」「衝動性」の3つの特性を持っています。

これにより「落ち着きがない」「ケアレスミスが多い」など、「適度な集中ができないこと」での困難を抱えていることが多いです。

ADDとは

ADHDとは別に「ADD」という名称も聞いたことがある方もいるかもしれません。「ADD」とは、正式には「注意欠如障害」と呼ばれ、ADHDの「多動性」「衝動性」がないタイプの障害を表していました。見た目では「ぼうっとしている」「いつも眠そう」などと見られることがあります。

ADHDと同様、ちょっとしたミスを繰り返してしまうなどの「注意力のコントロール」に課題があります。

さて、今回は類似しているADHDとADDについて、
○2つはどのように生まれたのか。
○違いはどんなところにあるのか。

について紹介します。

ADDの名称はADHDより先に生まれている

ADDが先に生まれている

「ADD」という名称が生まれたのは、1980年です。それまでは「多動性=じっとせずうろうろしてしまう」点に重きを置いて研究されていました。しかし、この年にアメリカ精神医学会から診断基準となる「DSM-Ⅲ」が出版されます。ここで「注意力の持続、衝動を抑えられない」問題に焦点が当てられるようになったのです。

これにより、まずADD(注意欠如障害)という概念が先に誕生しました。

ADDが先に生まれた7年後、ADHDが誕生した

ADD誕生から7年たった1987年に、『DSM-Ⅲ』が改訂され、『DSM-Ⅲ-R』になりました。(その後1994年に『DSM-Ⅳ』、2013年には『DSM-Ⅴ』が発表されており、今でも研究が進んでいます。)

ここで再度「多動性」について見直され、ADHD(注意欠如・多動性障害)という分類名ができました。

現在、ADDの診断をされることは少なくなっている

ADHD誕生後、ADDもしばらく使用されていた

ADHDが生まれた後も、しばらくの間ADDの名称で診断されているケースがありました。それはDSM-Ⅲ以外の他の研究からなる診断基準では、ADDを使用していることがあったからです。

1990年に、ADDからADHDへ移行した

最終的に、1990年にADDはADHDに移行することとなりました。これは診断のみで「多動性を見極めること」が困難と考えられたためです。

そのため、それまでADDと診断されていた方にも多動性が隠れているケースも考えるようになりました。よってより確実な診断をするために、ADDと同様の特性が目立つ場合は「不注意優勢型ADHD」と診断されるようになったのです。

参考:DSM-IVによる人格障害の理解 – 熊野宏昭

ADD・ADHDがどのように生まれ、呼ばれてきたのかについてはこのようになります。では、かつてADDと呼ばれていた「不注意優勢型ADHD」とADHDでは、特徴にどのような違いがあるのでしょうか。

ADD(不注意優勢型ADHD)とADHDの特徴の違い

ADDは、衝動性が目立たない

ADHDには、場合によって衝動を抑えられずイライラすることや、我慢が苦手な一面があります。

しかしながら、ADDと呼ばれていた特性を持つ方の場合、このような症状は目立ちません。よって見た目では「おっとりしている」ケースや、中には「天然」と呼ばれるケースも考えられます。

ADDは、見た目は大人しく見えることもある

ADD(と呼ばれていた特性)には、多動性も目立ちません。そのため「バタバタしている」、「いつも慌てている」という雰囲気ではないことが多いです。

比較的「いつも眠そうにしている」「本当は余裕がないはずなのに、のんびりしている」というイメージが目立つ傾向にあります。

関連記事:【ADHD】仕事中いつも眠い…今から自分でできる『眠気対策』4つ

2つの特性に共通した特徴は?

注意力のコントロールが苦手で、ケアレスミスなどが多い

忘れ物、約束を忘れてしまうなど、物忘れに悩みやすい点が共通しています。また、同じくケアレスミスを繰り返してしまうことで苦しむケースも多いのではないでしょうか。

仕事のミスが減らないことで悩んでいたら、こちらの記事「ADHDは詰めが甘い!?『あともう少し』のミスを減らす対策3つ」を参考にしてみてください。

服薬により困難が緩和されやすい

どちらも脳内の神経伝達物質の働きのずれによって、発生する障害です。

このような特性での困難を軽減してくれるのが、医師から処方される「服薬」です。ですから都度薬の効果について定期的に医師と相談して、常に注意力をコントロールできるコンディション作りが大切な点は共通しています。

困難に対し無理を重ねることで、適応障害になってしまう

どちらも特性により困難を感じやすいです。職場や私生活において苦しさを感じることもあるのではないでしょうか。

そのような困難に対して無理をして適応しようとしてしまうと、適応障害になってしまうこともあります。

このように自分の生活が崩れてしまっては、さらに苦しくなってしまいます。

では、職場での困難への対処しようがなく悩んでいた時、どのような対処法があるのでしょうか。

仕事で困難を感じることが多い時は、職場環境を見直すチャンス

努力で問題が解決されないことも考えられる

仕事での困難を感じ、困っていることはありませんか?「どうして自分ばかり指摘されるのだろう…」と悩んでいませんか?問題の程度によっては、解決のために努力することも対処の一つですし、大切なことです。

しかし、体調を崩してしまっては元も子もありません。

健康的に長く社会で活躍し続けるために、今一度自分の特性と職場環境を比較してみましょう。今の働き方に窮屈さを感じていたら、新しい働き方や職場環境を検討してみるチャンスかも知れません。

どんな対処をしても解決されない時は、環境とマッチしていない可能性がある

何も取り組まないうちからできないのは「能力不足」です。しかし、どんなに努力していてもできないのは「能力不足」ではなく、環境にマッチしていないことの方が多いのです。

カスタマイズ就業」と言う言葉を聞いたことがありますか?言葉自体は難しいかもしれません。しかし自分らしさを活かして働く、身近な働き方なのです。

「『カスタマイズ就業』についてもっと知りたい!」というときは、こちらの記事「ADHDの適職は?カスタマイズ就業で、向いてる仕事を見つけよう」 も参考にしつつ、Salad編集部までご相談ください。

まとめ

いかがでしたでしょうか。

ADDとADHDの違い、お分かりいただけましたでしょうか。診断するような緊張状態ので「うろうろする、多動性」が目立つことはないことから、現在ではほとんどが「ADHD」と診断されています。

「過去に『ADD』と診断されていたものの、じっとしていられないことにも困っている…」などということはありませんか?そんな時は医師に再度相談してみることも、問題解決・不安解消のヒントになるかもしれません。

また、「自分の特性」を知るためには、他の障害の特性も関係している可能性があります。

こちらも参考にしながら、少しずつ様々な特性を知り自分自身を説明できるよう、心掛けていきましょう。

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