勉強ができるのに仕事ができないのはどうして?
学生時代から勉強には困らないのに、仕事ができない
学生時代、勉強が得意だったということがあるかもしれません。特に暗記系の学科が得意で、仕事についてからも業務の知識を覚えることが得意である方もいるのではないでしょうか。
それなのに、その知識があっても仕事がうまくいかない…そんな問題を抱えて悩んでいませんか?
参考:成績優秀なのに仕事ができない“大人の発達障害”に向く仕事、向かない仕事 | うつ、ストレス、不眠 | 健康 | ダイヤモンド・オンライン
仕事には、知識だけではクリアできないことがある
学校の勉強は、与えられたものをいかに覚えるか「インプット」の力が大きく影響します。しかし仕事の場合、これだけではクリアできないことが多くあるのです。
今回は、
○勉強ができること(知識があること)で得られるもの
○反対に、知識では得られないもの
○知識をどう仕事に活かせばよいか
についてご紹介します。
参考:成績優秀なのに仕事ができない“大人の発達障害”急増の真実 | うつ、ストレス、不眠 | 健康 | ダイヤモンド・オンライン
勉強ができることで得られるもの
業務の知識や情報
業務マニュアルなど業務に関する知識を覚えることは、勉強ができることでのメリットです。必要事項を覚えるスピードが早かったり、または自分で業務マニュアルを作ったりすることも得意なのではないでしょうか。
作業の形式的なフロー
担当業務の「一般的な流れ」を覚えることが得意かも知れません。そのため、「マニュアルに書かれている通り」「基本通り」に動くことを好む傾向があるのではないでしょうか。
では、こうした勉強だけでは身につかない・得られないものにはどのようなものがあるのでしょうか。
【仕事ができない理由】勉強だけでは得られないもの
知識を実務に活かすノウハウ
業務を覚えてもまだ「仕事ができる」に至れないのは、インプット(知識を覚える)で終わってしまっているケースが多いからです。
冒頭で増えたようにインプットだけでは、仕事の実力がつくことは少ないでしょう。得た知識をどう活かしていけばよいか「アウトプット(表現や行動)」も大切な要素です。
これは、マニュアルを覚えるだけでは身につきません。実際に仕事をしながら主体的に「どうすればもっとよくできるか」常に改善策を意識する必要があるのです。
周囲との関わりやつながり
発達障害を持っていると、コミュニケーションなどに苦労するケースが多いのではないでしょうか。そのために、つい周囲との関わりを避けてはいませんか?自分一人で完結させたいために、知識を完璧に覚えようとする方もいるかもしれません。
しかし、仕事はチームプレイであることがほとんどです。ですから周囲との関わりやつながり抜きでは仕事が成立しないことが多くあります。勉強ができてかつ仕事につまずいている人は、「他人に聞かないといけない場面」でつまずいてしまうケースが多いのです。
「自分のパートは完璧にやっているのに、他の人の作業が遅いせいでうまくできない」のような不満を持ったことはありませんか?この「他の人の作業」を考慮するところも、仕事において必要なことなのです。
想定外の物事への対応方法
発達障害の特性で「想定外の物事に弱い」場合もあるかもしれません。そのためあらかじめ準備してあることやマニュアルに固執するケースもあるでしょう。
しかし、仕事は「ミス」がつきものです。これは自分自身のミスだけでなく、業務のつながりの中で他者のミスも関係してきます。それ以外にも知識やマニュアル通りにいかないケースが多くあるでしょう。そのようなときでもマニュアル通りに行ってしまうと、周囲とのすれ違いや優先事項が異なるケースが出てきてしまうのです。
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勉強ができる力を、仕事に活かすコツが必要
このように、覚えるだけ・頭の中にとどめておくだけではうまく仕事ができません。かといって、「勉強ができる」力の必要がないかといえば、そうでもありません。
大切なのは自分のスキル「勉強ができること」を活かす術を見つけることです。では、そのためには何を心がければよいのか。対処法をご紹介しましょう。
勉強ができる力を仕事に活かす、改善ステップ
①自己理解を深め、業務経験からも流れを確認していく
仕事に必要なのは、業務の知識だけではありません。それにかかわる自分自身についても知る必要があるのです。
担当を持つということは、「仕事と自分との関係」ができます。ですから仕事を覚えるだけではまだ「半分」の情報しか持っていないことになるのです。
ですから実際に仕事してみて、
・業務フローの中で、どういうところにつまずきやすいか。時間がかかるか。
などを覚えておく必要があります。
行った業務を記録し、同じ作業をしたら過去と比較してみるなど、客観的に見る工夫をするのがよいでしょう。
②周囲のために知識を活かせるか考えてみる
他者とのつながりを持つ方法のきっかけのひとつに、「周囲のために知識を活かすことを考える」ことがあります。
自分のためでなく、「周囲の困りごとを解消するために、自分の知識で活かせることはないか」と考えるということです。もちろん、実際に周囲に聞いてみる方法も良いでしょう。
まずは上司や自分の業務フローに関わってくる人に確認するところから始めてみましょう。
③覚えた知識について「疑問」を持ってみる
マニュアルに反する…ということではありません。業務の知識やマニュアルを鵜呑みにせず、「自分でも考えてみる(=アウトプット)」ことが大切になります。
マニュアルや知識は過去の先輩たちの経験に基づいて作られているケースが多いでしょう。
ですから受けた知識やマニュアルに「疑問」を持ち、
・①で、「こういうやり方のほうが良いかも」と気づいたこと
・②で、業務に関わる人の意見から「こう変えたほうが良いかも」と感じたこと
を組み合わせて考えていくのは、今の担当者の仕事でもあるのです。
④上司との相談で、知識と現在の必要事項をすり合わせる
③まで進められれば、「改善案」としてできてくるケースもあります。そうした案を上司と相談しながら確認していきましょう。業務の中で疑問に思ったことや必要事項などついて確認していくことで、業務の流れがスムーズになるかもしれません。
「コミュニケーションが苦手で、どう声をかけたらよいか分からない…」など、相談の仕方で困っている場合は下記の関連記事を参考にしてください。
関連記事:【大人のADHD】仕事で辛い悩みを相談できない…原因と打開策4つ
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参考:【急増する「大人の発達障害」】電話番ができなかった会社員が“世界一のデータアナリスト”になれた理由 | リクナビNEXTジャーナル
どんなに学んでもうまくいかないときは、職場環境を見直してみよう
さて、今回は「勉強や知識を覚えることは得意なのに、どうしてか仕事ができない」ケースについてお伝えしてきました。
しかしどんなに勉強して、どんなに周囲と関わろうとしてもうまくいかないケースがあるかもしれません。そのようなときは、今の職場環境とマッチしていない可能性もあるのです。
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まとめ
いかがでしたでしょうか。
仕事を覚えることが早いだけに、どうしても自己完結させたくなることもあるかもしれません。自分ひとりでできないことがあっても恥じる必要はありません。手伝ってもらうときなどに他者に知識を伝えることで身につくこともあります。
せっかく必死に勉強して覚えてきた「知識」です。今度はそれをどう活かすか、「使い方」を考えてみましょう。