ADHDの特性で、依存症に悩みやすい
ひとつの注意・関心などを継続できない
ADHD(注意欠如・多動性障害)は発達障害の一つです。特徴の一つに注意や関心、集中を継続させることを苦手としています。
特性上、依存から抜け出せないケースがある
ADHDを持つ方は、特性上常に新しい刺激を求めやすい傾向があります。そのため、度が過ぎると禁断症状や浪費癖など、危険を伴う物事に依存してしまうケースがあります。
さて、ADHDを持つ方が依存しやすい物事には、どのような物事があるのでしょうか。
依存しやすいものの種類
飲酒、喫煙
依存が進むと、「お酒を飲んだ時の酔った感覚」「タバコを吸ったときの落ち着いた感覚」に浸りたいためだけに定量を超えてしまうケースがあります。
これにより、健康状態を大きく損ねることになります。
交遊関係
ADHDを持つ方は、社交的で明るい人が多いと言われています。しかし、「出会う刺激」だけ欲しい場合は危険です。常に新しい交友関係を求めて、交友の場に依存してしまうことがあります。
これにより、ストレスや金銭面に支障をきたす可能性があります。
ギャンブル、ゲーム
ギャンブルやゲームに依存してしまうケースもあります。すぐに成果や結果が見えるため、依存しやすいのです。ギャンブルにあっては特に、「今度こそは勝つ!」という衝動でのめり込んでしまう危険性があります。
ADHDを持つ方は、興味のあることに関して集中しすぎてしまう「過集中」があります。
これにより、健康面を損なってしまいます。場合によってはゲームを1日以上同じ姿勢で行っていたことで、命の危険にかかわるケースもあります。
関連記事:【発達障害】過集中には要注意!なりやすいケース、仕事中の対策は?
買い物や課金制度
買い物に関しても容易に商品をえることができるため、依存しやすいです。今ではネットショッピングなどで欲しい時にすぐに購入することができるため、さらに依存しやすくなっています。
また、ゲームアプリなどの課金に関しても現状を忘れてどんどんのめり込んでしまう危険性があります。
参考:依存症対策|厚生労働省
継続を要しないものに依存しやすい
ADHDを持つ方は、特性上興味や関心が移りやすいことがあります。これは脳内の神経伝達物質の働き方が影響しています。試験や資格の場合ですと、達成感を得るのがかなり後になってしまいます。
ADHDを持つ方は、この長期的な楽しみを得ることが苦手なことがあります。そのため、継続する必要のない上記のものに依存してしまう傾向があります。
そのような依存しやすい性質を克服する方法にはどのようなものがあるのでしょうか。
依存症を防ぎ、楽しく生きるための克服法
1)医師とよく相談し、服薬を継続する
【ADHDの特性(依存しやすい性質)への対策】
そもそも簡単に刺激を求めようとするのは、脳内のドパミン(ドーパミン)の働きに関係している可能性があります。ADHDの特性は、服薬と密接な関係があります。
そのため、まずはかかりつけの医師に相談しましょう。処方されている薬の調整などの相談を定期的に行うことが大切です。
また、インターネットや喫煙など、依存症専門の病院もあります。必要であれば、依存症の専門外来についても相談してみましょう。
関連記事:【医師に要相談】発達障害を持つ方にかかわる、服薬の効果と注意点
2)定量を決めて、場合によっては家族などに管理してもらう
【嗜好品への依存克服法】
お酒、タバコに依存してしまっている場合は、一日の定量を決めましょう。自分で抑えられないときは家族などに管理をお願いしましょう。
3)持ち歩く現金、電子マネー等の限度額を決める
【金銭面の克服法:1】
手元にお金があれば、買いたいときにすぐに買ってしまう可能性が高くなります。ですから常に持ち歩く現金や電子マネーの限度額を決め、必要以上に遣い過ぎない管理が必要です。
4)定期預金(貯金)などで、自由に下ろせない蓄えをする
【金銭面の克服法:2】
手元にお金が無くなると、買いたいものがあるときに衝動でお金をおろしてしまいます。これでは、どんなに手元にお金を持ち過ぎないようにしていても、意味がありません。
対策として、毎月定期預金などで「自由に使えない」貯蓄を行うことで、浪費を抑える方法があります。
5)課金の限度額設定をするなど、自分なりのルールを決めて楽しむ
【ギャンブルやゲーム依存の克服法】
買い物と同様、ゲームなどの課金制度は消費が激しくなりがちです。お金のやり取りが目には見えないため、自分の意思でコントロールすることは難しいかもしれません。ですから、課金の限度額設定などを行うなど「強制的に使用分をきめる」工夫が必要です。
ギャンブルに関しては、「当たる」「勝つ」幸せを感じなくなり、「どうして勝てないのか」「どうして外れるのか」というネガティブな発想だと依存しやすいです。
どちらも「ここまでしやらない」というルールを決めて、のめり込まない工夫が必要です。
依存の対象を変えると、克服できる可能性がある
ここまででご紹介したことへの依存症は、あなたや周囲の生活に支障をきたす可能性のあるものです。
しかし特性に対して充分に対処し、興味や関心の向け方を工夫すれば、豊かな暮らしをすることはできます。運動や絵画、音楽でも構いません。浪費や過度の依存に頼らなくても、日々の刺激を求められるものは、沢山あります。
お金を使わなくても、そこから生まれる出会いもあります。
自分がどんなことをしたいのか、何を続けていれば楽しむことができるのか。一度見直してみましょう。
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まとめ
いかがでしたでしょうか。
依存症はあなたの健康を損ねやすいことはもちろん、犯罪の加害者・被害者として巻き込まれてしまう可能性も潜んでいます。
もし上記の依存が気になる場合は、必ず医療機関に相談してみましょう。