ギフテッドと発達障害には、共通している特徴が多い
ギフテッドとは
「ギフテッド」とは、 他者と比べて「先天的に特に優れた才能を持った人」を指します。ギフト=贈り物を語源とし、「神様から才能を与えられた」人として、ギフテッドと名付けています。
発達障害と共通・類似している特徴が多い
この「ギフテッド」ですが、発達障害と共通しているのではないかという話題がよく取り上げられます。「この人はギフテッド、あの人は発達障害」とはっきりと区分できるケースは少なく、また発達障害だからギフテッドだとは言い切れません。
しかし「神様から与えられた才能」と言われるギフテッドと、独特の感覚を持つ発達障害。いったいどのような共通点があり、どんな違いがあるのでしょうか。
今回は、
○ギフテッドの特徴から見た、発達障害との共通点
○ギフテッドと発達障害の違い
をご紹介します。
参考:発達障害|病名から知る|こころの病気を知る|メンタルヘルス|厚生労働省
参考:知られざる天才 “ギフテッド”の素顔 – NHK クローズアップ現代+
ギフテッドの特徴から見る、発達障害との共通点
まず、ギフテッドの方に見られる特徴をご紹介します。発達障害の特性ごとに、共通しているポイントを整理しました。
ASD(自閉症スペクトラム)と共通した特徴
◎記憶力が高い
興味のある物事に関して、高い記憶力を発揮する点が共通しています。
関連記事:【大人の発達障害】「アスペルガーの人は記憶力がいい」って本当?
◎語彙が多く、学習能力が高い
ASDを持つ方全員が必ずしも高いとは言い切れません。しかし、他の方があまり使わない難しい言葉などを使うケースが多いです。さらにコミュニケーション自体は苦手でも、言葉の引き出しは多く持っているケースもあります。そのため、ギフテッドの特徴と共通していることが多いです。
また、興味のあることに関しての学習能力も高めです。
◎探求心がある
興味のあることに対してのこだわりの強さが、探求心につながりやすいです。
◎集中力が高い
過集中になるリスクはありますが、持ち前のこだわりの強さで、高い集中力を発揮します。
関連記事:【大人の発達障害】ASD(自閉症スペクトラム)の特徴と問題解決法
ADHD(注意欠如・多動性障害)と共通した特徴
◎感情の起伏が激しく、エネルギッシュである
ADHDが持つ衝動性・多動性が関係します。衝動性ゆえ感情の起伏が激しいことがありますが、その分高い行動力を発揮します。
◎好奇心が旺盛
多動性が強い影響で、あらゆる物事への好奇心が強い点はギフテッドの特徴と共通しています。
◎新しい物事を学ぶことが得意
衝動性により、他の方がトライしにくい新しいことや刺激的なことにも飛び込んでいけます。よって、「新しいことを学び、吸収することが得意」という点は、ギフテッドの特徴と共通しています。
関連記事:【大人の発達障害】ADHD・ADDを持つ方の特徴は?自分の興味を活かそう!
関連記事:ADHDの適職は?カスタマイズ就業で、向いてる仕事を見つけよう
その他、発達障害にもみられるギフテッドの特徴
○責任感が強く、完璧主義なケースが多い
発達障害を持つ方にも多く見られる特徴です。発達障害を持つ方の場合、特定の物事への執着が強いケースが多いです。これにより責任感が強く、完璧主義などの極端な思考になりやすいです。よってうつ病やパニック障害などの二次障害を招きやすいです。
○独創的
発達障害を持つ方は、他の方にはない感覚を持っていることが多いです。
○繊細であり、過敏な感覚を持つことがある
感覚過敏なことや、傷つきやすい点などは発達障害を持つ方にも共通しているケースがあります。
このほかにも、LD(学習障害)を持つ方に見られやすい「論理的思考力」でもって、ギフテッドと同様才能を開花させるケースもあります。
関連記事:【大人の発達障害】仕事で疲れやすいのは、『過剰適応』かも?
関連記事:大人のLD(学習障害)は論理的思考が得意?理由と注意点、活用法
このように、ギフテッドと発達障害はそれぞれ共通した特徴を持っています。それぞれの関連記事と読み合わせながら、特徴を比較してみてください。
ギフテッドと発達障害の違い
ギフテッドは、障害名や診断名ではない
「ギフテッド」という診断名はありません。もちろん、障害でもありません。そのため、どんなに共通している点が多くても、「私の障害は『ギフテッド』です」と言うケースはありません。
ギフテッドは、人の特性や特徴を指した言葉です。したがって、ギフテッドを診断名として障害者手帳を申請することや、福祉サービスを受けることはできません。
ギフテッドは、日常生活や仕事への困難とは無関係である
発達障害は、日常生活や仕事に何らかの困難を感じていることが多いです。しかしながらギフテッドは、全体的に能力が高く生活に全く困難を感じていないケースもあります。
ギフテッドである条件には、生きる困難さは関係ありません。しかし、周囲との感覚の違いから生きづらさを感じているギフテッドは、少なくありません。
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今回のギフテッドのように、既に才能や能力が認められているモデルケースと発達障害の特性が類似していることもあるのです。しかし発達障害の特性は個別性が強くそれぞれに異なった特徴やその現れ方をしているケースが多くあります。しかし、自分の強みや得意な部分(=ストロングポイント)を知り、それを仕事に活かす術を知ることによって、どんな方でも活躍できるチャンスがあるのではないでしょうか。
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まとめ
【他者との違いから、障害と見られているギフテッドもいる】
いかがでしたでしょうか。
我が国では、とかく人と違うことを好まない傾向にあります。本当は素晴らしい才能を持っているのに、周囲と価値観が合わないだけで「障害」と見られてしまう方もいます。
発達障害を持つ方全員がギフテッドとは言い切れません。いま、生活に困難を感じている方は「発達障害が才能!?そんなわけない!」と反論したくなるでしょう。しかし、飛び抜けた個性・特性を持つという意味で、発達障害はギフテッドに最も近い個性のひとつなのです。
活かし方を身につければ、発達障害も「ギフト」として社会に貢献する力があります。そのような観点からも、「あなたの悩みが本当は貴重な個性である」可能性があるのではないでしょうか。