ワーケーションとはなに?
ワーケーションとは
「ワーケーション」とは、「ワーク(Work)」と「バケーション(Vacation)」を組み合わせた造語です。その名の通り、『旅をしながら仕事をする』ということになります。
2000年代にアメリカで生まれ、リゾートなどの環境の良い場所に旅をしながら、情報通信技術を用いて仕事をする『テレワーク』にて業務を進めていきます。そのため、旅行しつつも業務を進めることになるのです。
有給休暇消化取得率の低さから誕生した
この制度が生まれたアメリカでは当初日本と同様、有給休暇を取得する確率が低い問題がありました。さらに有給休暇を取ったとしても、職場に連絡をするなど「完全に休まる」ということがありませんでした。
このような問題からワーケーションという新しい働くスタイルが生まれたのです。日本でも航空会社であるJALがワーケーションを導入すると発表し、注目されています。さらにワーケーションの本場であるアメリカではすでにICT関連業界で浸透しているのです。
さて、今回はワーケーションのポイントについて説明したのち、同じくオフィスから離れて行うテレワークとはどう違うのかを解説していきます。
ワーケーションのポイント
ワーケーションの制度は休暇の取得についてなど、企業によって様々なスタイルが存在します。ここでは、日本で発表したJALのケースをもとに紹介致します。
テレワークを浸透させるため、ノウハウを習得することが目的
JALは、『障がい者テレワーク導入のための総合支援事業(障がい者在宅勤務ノウハウ蓄積モデル事業)』という事業に参加しています。
これは障害を持つ方が、在宅勤務(テレワーク)などの多様な働き方や生産性の高い働き方を企業に導入できるよう、ノウハウを蓄積することが目的です。
現在テレワークの導入は、緩やかな増加傾向にあります。しかし、導入後のあらゆる不安や不具合を危惧し導入しない・導入を中止するケースがあるのです。
このような不安を解消し万全の態勢でテレワークを導入できるよう、企業体勢で準備するための方法の一つにワーケーションがあります。
有給休暇でもって、ワーケーション日程を設ける
JALで実施しているワーケーションは、最大5日間の有給休暇を設け『ワーケーション日程』として行われています。
位置付けとすれば、『旅行をしながら働く』ことになるのです。
これには下記の目的があります。
・有給休暇を取得できない問題を改善しつつ、業務も行う
・休暇を取り旅行をすることで家族サービスを行える。かつ、業務を進められる。
・「オン」は仕事(ワーク)、「オフ」は旅行(バケーション)の位置づけで仕事をする。
このように、有給休暇を取得できない問題を解消しながら「休み中の仕事が気になる」従業員の不安にも対応させることが目的の一つです。
ICT(情報通信技術)を活用する
ワーケーション中は、離れた場所でインターネットを活用して仕事を行います。普段のオフィスとのやり取りや会議などもICTを活用するのです。
ICTを活用しやすい環境に身を置くことで、テレワーク導入のノウハウを得ることも目的としています。
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ワーケーションに期待される効果は?
解放感のある環境に身を置くことで、生産性の向上につながる
同じオフィスでずっと仕事をしていると、騒がしい雰囲気などに無意識のうちにストレスをためているケースがあります。このような「常に疲れている」状態で仕事をしていることで、『プレゼンティーズム』に挙げられるような体調不良での生産性低下になってしまうおそれがあります。
ワーケーションでもって、このようなオフィス内の喧騒から離れて仕事をすることができます。解放された空間でストレスを解消しつつ、自分の仕事に集中できることで生産性が向上する可能性があります。
この集中できる環境でもって、クリエイティブな業務に活かそうという動きも出ています。
体調管理に関わる対応の選択肢が増える
仕事をしていると、対人関係などから心身の体調を崩してしまうケースもあるでしょう。中でも幹部や上層部の方などは、具合が悪くなっても簡単に休むということが難しいかもしれません。
このようなときの対処として、ワーケーションが活きてくるのです。体調悪化につながるストレスから離れた環境で仕事をすることで、心身の回復を図りながら業務の流れを止めるケースも少なくなるという効果が期待されます。
現在は体調を崩してしまったら『休む』か『辞める』という手段しかありません。休む場合は『アブセンティーズム』として、生産性が低下してしまいます。
ワーケーションでもって『働く』と『休む』の中間を設けることで、体調管理に関わる選択肢が増えてくるのです。
ワーケーションとテレワークの違い
ワーケーションは、『有給休暇』を取得したうえで仕事をする
ワーケーションとテレワークは、共通して離れたところからICT(情報通信技術)を用いて仕事を進めていきます。ともにメールやチャットを使用するため同じようにも考えられるかもしれません。
しかし、現時点ではワーケーションは『休暇を取ったうえで仕事をする』というスタンスが多いです。テレワークは勤務先がオフィスでないというのみで、勤務時間など扱いは通勤して働くことと同様、『休暇ではなく、出勤扱い』です。
勤務場所の指定が異なる
ワーケーションは『旅先』で行うことが条件です。テレワークも離れたところで行うために同じと誤解されるかもしれませんが、雇用契約などに基づいて事前に指定した勤務場所で行うこととされています。
ワーケーションの問題や課題はあるの?
オン・オフの境目が分かりにくい
旅行でオフィスからは離れますが、通信機器でもって職場とつながっているために『完全にリフレッシュできないのでは?』という問題があります。
テレワークにおいてもオンとオフの境目を自分で決めていくため、分けることが難しいです。そのためワーケーションを行う際は、業務時間や内容を限定しプライベートの時間を確保できる仕組みが必要になるのではないでしょうか。
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まとめ
いかがでしたでしょうか。
ワーケーションは旅行をしながら仕事をするという、少し前では考えられなかった働き方です。ワーケーションが浸透すれば朝の通勤ラッシュがなくなることや、各地に旅行がてら現地の刺激を受けてさらに成長できるなど、あらゆる可能性が生まれるかもしれません。
まだ問題や課題はありますが、より自分の特性に合った働き方が来るチャンスかもしれないのです。今後のワーケーションの動きに注目していきましょう。