うつになってから、体の震えが止まらない…
うつを発症し、服薬による体の変化に苦しんだ
筆者は30歳の時に、初めてうつ病を発症しました。病院の探し方もわからず、インターネットで様々な病院に電話して診察を依頼した記憶があります。
診察後、治療のために服薬がスタートしました。その際に副作用で、さまざまな体の変化がありました。自分で自覚しているもの、他の方に言われて気づいたものなど多くの変化があります。
はじめはその原因が分からなかったため、「自分はどうなるのだろう」と不安に感じていました。
中でも、体の震えは生活に支障をきたした
人から言われて症状としては「何かもやもやした雰囲気を感じる」とのことでした。休養中、復帰のために何度か職場トレーニングを行いました。その際に「怠けている」ように見られて、上司から嫌味を言われました。(うつの原因は、この上司です)
もっとも苦労したのは、「体の震え」でした。今まで当たり前のようにできていたことができません。中でも「手と口」の震えは激しく感じていました。さらに具体的な症状として、いくつかご紹介します。
【手の震え】
○飲み物を持つときにコップやカップの取っ手をうまく持てない。そのため、よく倒してはこぼしてしまう。
○字が書けない。もともと字は丁寧に書く方だったが、手が震えて読みづらい字になっていた。
○定規などでまっすぐな線が引けない。これにより、職場トレーニング時に「そんなこともできないの!?」と怒られたことを覚えている。
【口の震え】
○うまく話すことができず、もどかしい気持ちになる。
このような症状に苦しみました。何より上司の要望で服薬の状況を伝えているのに、全くもって理解してもらえなかったことを残念に感じています。
この症状を対処するべく、筆者が行った対処は以下の通りです。
体の震えに関して対処したこと
職場と相談し、一時的にでもストレスの原因から離れた
うちの発端である上司といると、症状が強くなっていました。そのため職場や職場内の産業医と相談して、休養を取りストレスの原因から離れるようにしました。
復帰から遠ざかることもあり不安になりましたが、「命を削ることはない」と考えて、休む決断をしたのです。
関連記事:仕事を上手に休む方法【精神障害を持つ方が仕事を長く続けるヒント】
症状や服薬について、医師に相談した
発症当初はまだ「症状の申告の仕方」が分かりませんでした。何をどういえばよいか分からないのはもちろん、そもそも医師に申告することが「刃向かうこと」のように感じていたのです。
ですから、こちらから主張することを「悪」だと感じていたためはじめはうまく申告できませんでした。
最終的には、あまりにも薬に副作用が強いのを親が見かねて、両親が新しい病院を探してきてくれました。前の病院では医師ひとりでしたが、ここでは臨床心理士であるカウンセラーも専属でついています。
症状や生活面で辛いことなどを伝えると、相談内容を医師と共有してもらえるのです。これによって、症状や悩みを医師に伝えることもしやすくなりました。
支援機関に相談した
住んでいた地域の就労支援センターに行き、症状や今後のことについて相談するようにしました。ここでも病院の臨床心理士と連携しているので、相談内容は共有してもらえます。
参考:抗うつ薬と副作用については正しく知ることが大切です | 心療内科・メンタルクリニック・精神科|神楽坂こころのクリニック
病院を変えたことで、副作用による症状が軽減された
抗うつ薬に含まれる「セロトニン」が多すぎると、このような体の震えや強い不安を伴うケースがあります。
最終的には病院を変えたことで、服薬の内容もガラリと変わりました。これにより、目立った副作用が徐々になくなっていった感覚を覚えています。
ですからもし抗うつ薬の副作用に困っていたら、必ず医師に相談しましょう。問題となる薬を変更するか、容量を調整するなどで対処してもらえる可能性もあります。
筆者がよく相談したのは手の震え、口の渇き、眠気の強弱について多く相談しました。処方内容を変更してくれるときがあれば、全体的な治療バランスを考慮して変更しない方がよいと判断されたこともあります。
薬の変更ができなかったときには、生活の中でどう工夫したら良いかを確認することも必要です。
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おわりに
いかがでしたでしょうか。
特に初めてうつ病にかかる場合、今自分に起きているものが何を原因として起きているのか、分からないのではないでしょうか。
筆者も発症後たくさんの関連書籍を読みましたが、頭に入ってこない状態も重なってうまく対処ができませんでした。
症状を申告することで、副作用への早期対処につながります。なぜならより正確に自分の症状を伝えることで、どの薬の影響かが分かりやすくなるからです。ですから症状で困ったときは、まずは医師に相談しましょう。
【筆者紹介】
Salad編集部員。30代男性。広汎性発達障害、ASD(自閉症スペクトラム)の診断を受ける。うつ発症から社会復帰までに4年かかっている。最初の診察から1年で、現在も通う病院に転院したことで生活が大きく好転した。ちなみに社会復帰後半年で、文字書きやコップを持つときの震えもなくなっている。