双極性障害の影響で、イライラしてしまう
双極性障害とは
双極性障害は、意欲や気分が低下している「うつ状態」と、反対に意欲や気分が高揚する「躁(そう)状態」を行き来する精神疾患です。
気分が高揚している「躁状態」を「調子が良い」と誤解しやすく、うつ病として判断し治療が遅れやすい問題があります。
関連記事:双極性障害の診断基準~うつ病との違いを見分けるポイントは?
症状から「イライラ」につながるときがある
双極性障害は、症状から「イライラ」や「キレる=怒り」につながるときがあるようです。自分でもコントロールができず、苦しんでいることもあるのではないでしょうか。
今回は、
○双極性障害の症状が「キレる」「イライラする」につながりやすい原因
○イライラを防ぐ対処法
について紹介します。
キレる・イライラにつながる原因
躁状態で、気分が高揚している
躁(そう)状態で気分が高揚しているため、疲れを感じにくくなります。そのため、普段は怒らないようなことに関しても、怒る「エネルギー」が出せてしまいます。
さらには些細なことに敏感になり、イライラしやすくなる「易怒性・易刺激性」が発現しやすくなってしまいます。
これにより、職場の上司に言い寄ったり、怒鳴り散らしたりするおそれがあります。
うつ状態で、うまくいかない不安に襲われる
うつ状態になると、気分が低下します。そのため、「どうせ自分なんて…」と自分を責めたり、他の人と比較して落ち込んだりします。
そうして自分を悲観する気持ちがイライラにつながるときがあります。
躁状態のときに起こした行為を、うつ状態の時に激しく後悔する
躁状態の勢いでキレることや、それに伴う問題を起こしたあと、うつ状態になった時に激しく後悔します。
その後悔の気持ちが、自分へのイライラにつながってしまいます。
このようなイライラを防ぐためには、どのような対処をすればよいのでしょうか。
イライラを防ぐ対処法
病気と「闘う」より、「付き合う」気持ちを大切にする
病気と闘う気持ちを持つと、自分の思い通りの状態になっていないときにイライラしやすいです。「病気を敵と見る」ことで、うまくいかない時に怒りやすいのです。
ですから病気と「一緒に付き合っていく」という気持ちで向き合っていくことが大切です。
医師の指示通り服薬を続ける
双極性障害は、服薬により治療を行っていきます。症状の変化を感じながら医師と相談して治療を進めていきましょう。
様々な副作用が辛い・治療の終わりが見えない辛さがありますが、根気よく続けていくことがカギです。
症状が変化するタイミングや傾向をつかむ
うつ状態から躁状態に変わる(その反対も含む)タイミングは、どんな時に起きやすいか。症状が変化するタイミングや傾向をつかみ、先回りして対処する工夫が必要です。
もし自分で把握することが難しければ、その都度医師に状態を伝えることで確認していきましょう。
規則正しい生活を心がける
できる限りストレスをためないよう、規則正しい生活を心がけることが必要です。症状により眠れない、疲れを感じないなどの問題がある場合は、都度医師に相談しましょう。
症状や就職に悩んでいたら、就労移行支援に相談してみよう
双極性障害を改善する方法の一つに「社会生活を広げていく」方法があります。その方法の一つとして、「就労移行支援事業所」があります。
障害や疾患と向き合っている方一人一人の個性や課題と向き合いながら、働くための情報やスキルを得ることができる施設です。また、就職や社会生活に関わる相談をすることもできます。
現在、全国各地にさまざまなスタイルの事業所が存在します。こちらも参考にしながら、相談先に迷った時にはSalad編集部までご相談ください。事業所探しのお手伝いをさせていただきます。
関連記事:うつ病や双極性障害を持つ方の就職には「就労移行支援」がおすすめ!
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まとめ
いかがでしたでしょうか。
双極性障害は特に躁状態の時に病気を自覚しにくい、付き合い方が難しい疾患の一つです。周囲を疲れさせてしまう・困らせてしまうことがわかっているのに、躁状態になると気分が高揚して迷惑をかけてしまう…ということで苦しんでいませんか?
双極性障害は、長期間にわたる治療が大切になります。いつまで続くのかと不安になるかもしれませんが、治療を続けていれば症状を抑えることができます。
諦めず、病気と向き合っていきましょう。