就労移行支援に通所中、何を学べばよいか分からないときがあった
一年間、就労移行支援事業所に通所した
筆者はちょうど一年間、就労移行支援事業所に通い続けました。スタッフの方や様々な方の協力もあり、目標としていた在宅勤務に就くことができています。
関連記事:【体験談】就労移行支援での一年間~利用開始から、就職までの流れ
通所中、何を学べばよいか分からない時期があった
通所中、何を学べばよいか分からない時期がありました。特にやる気がないわけでもなく、体調が悪かったわけでもありません。しかし、どことなく先の将来が見えにくくなった時に「今行うこと」も見えなくなった感覚があります。
今就労移行支援事業所に通っていて、「何を学べばよいのかな…?」「何から手を付けたらいいの?」と迷っていることもあるかもしれません。今回は、そのような『通所中に何を学ぶか迷ったとき、訓練内容を決めるヒント』を、筆者の経験に基づいて紹介します。
まず、筆者が通った一年間の中で、どのような時期に訓練内容に迷ったかについてお伝えします。
【就労移行支援体験談】通所中、訓練内容に迷うタイミング
利用開始直後
「何から始めればよいだろう?」というパターンです。筆者の場合イラストレーター(illustrator)から訓練を始めました。これに関しては通所開始前から決めていたことですが、学んだものが就職に直接結びつくというイメージはできていませんでした。
学んでいることが就職に直結しているかどうかが見えてこないと、不安が高まるケースが多かったです。
応募したい求人が見つからない時
一年間の間で、求人が多く出回るときとそうでないときには差があります。それは就職シーズンなどの関わりもあるため、仕方のないことです。したがって応募したい求人がなく、「自分が応募できる求人なんてあるのかな…」と不安になった時があったのです。
このようなとき、通所開始当初と同様先が見えなくなります。そのため、ゴール(就職)に結びつく訓練のイメージも見えなくなったのです。
一通り学びたい項目を終え、他に学びたいものがない
やはり興味のある訓練項目ですと、学ぶスピードは速くなります。筆者も同様で、全て学び終え、他に残っている項目にあっては「そこまでやりたい、というわけではない…」ものが残っていました。
本来は、学ぶべきことを達成していて安心するタイミングです。とはいえ、その時に行うべき「短期目標」が見えないと不安になるものです。
どれを優先して訓練すれば良いか分からない
ある程度受けたい求人票を絞っていくと、勤務条件などをもとに「何を学ぶべきか」が見えてきます。しかし複数受けたい候補を絞った中で、どの条件を優先して訓練を決めていこうか迷うときがありました。
「エクセルを見直そうか…HTMLを進めておこうか…」「いや、もう一回履歴書を見ておこうか」など、何に着手すればよいか迷うときがあったのです。
関連記事:【体験談】障害者雇用の履歴書・職務経歴書の書き方で注意したこと
このような問題を解決するために、筆者は以下の対策を行いました。
今優先して学ぶ訓練の決め方のヒント
訓練の状況をスタッフに伝えて、良く相談する
就労移行支援の利用期間は、2年間しかありません。そのように「タイムリミット」がある中で就職するためには、一日も無駄にはできないわけです。
当然のことと感じるかもしれませんが、事業所のスタッフの方によく相談しました。「どうしたらよいですか」の類の相談だけでなく、「今日まで○○の訓練はここまで終わっています。あと1週間あれば終了します」など、スタッフの方にも現状を伝えたうえで相談するようにしていました。
そうしておくと、スタッフの方も筆者の「残り時間」を踏まえたうえでどんな訓練をしたらよいかが分かりやすくなります。
何もないときでも、「これだけはやる」というものを決めておく
「今やることがないから何もしない」「全部終わったから何もしない」では、その日の訓練時間が無駄になってしまいます。ですから一つでもよいので、「毎日これは続けてやる」というものを決めておくと良いでしょう。
筆者の場合、その日に特にやるべきことがなかったときは「タイピング練習」をしました。時間が空いている時だけでなく、訓練の合間にも取り入れるように心がけました。その基礎練習のおかげで、現在も業務に大変活きています。
就職において希望している条件を広げてみる
筆者の場合で例を挙げてみましょう。
当初就職で希望していた目標は、
・在宅勤務
・フルタイム
・デザイン系の仕事
この3つでした。
この3つすべてに該当する求人を探そうとしても、なかなかありませんでした。いざ見つかったと思ったら、家庭環境に合わないということもありました。
スタッフの方とも相談し、上記の条件の中で「デザイン系の仕事」を外して2つが該当している求人を探すように心がけました。
そうして選んだ求人票に記載されている条件を確認したのち、「今からワードプレスを学ぶ必要がありそうだ」など、道筋を決めていきました。
関連記事:【就労移行支援】就職活動で在宅勤務がみつからないときに取組んだこと
体力的に辛い時は、スタッフに伝えて負担の少ない訓練を行う
特に就職活動後期になると、就職活動での緊張や不安も重なって疲れやすくなる時がありました。この様なときは無理をせず、スタッフに伝えて本を読んだり就職に関わるサイトを見るなど負担の軽い訓練に変更していました。
就職活動が本格化してからは、上記のタイピング練習しかしないという日もあったほどです。スポーツ選手で言えば就職活動前が「キャンプ」で、就職活動を「本番」と考えていました。
そのため本番では、何よりも今の状態を維持することを心がけたのです。
事業所のスタッフとよく相談しよう
その他事業所では他のメンバーの方の関わりや体調に関する不安など、生活に関わることを相談していきました。スタッフの方も親身になって考えていただき、そのたび対処を考えてくれました。
大切なのは、「今、どこに進んでいるのか」自覚すること
大切なのは、「今、自分がどこにどうやって進んでいるのか」、自分で説明できる状態でいることです。
目標設定や自分の働きたいスタイルがモヤモヤしたままだと、筆者の場合就職することは難しかったかもしれません。
ですから学びたいことが分からなくなったら、「どんな働き方をしたいのか」をスタッフの方と相談しながら見直してみてください。
仕事・働き方に悩んでいたら。『Salad』が強みを活かす就職のサポートをします
まとめ
いかがでしたでしょうか。
筆者もそうでしたが、利用開始前と就職活動中では目標も変わっています。強い意志で「これをやりたい!」という気持ちで通所を始めても、何がしたいのか見えなくなるケースは出てくるでしょう。
そのようなときにどう対処するかで、就職してからの動き方にも影響してくるかもしれません。目標を見失ったら、一度立ち止まってスタッフの方と見直していきましょう。
【筆者紹介】
Salad編集部員。30代男性。広汎性発達障害、ASD(自閉症スペクトラム)の診断受けている。一年間就労移行支援事業所での訓練を経て、目標であったテレワークに就くことができた。