障害者雇用でデザインの仕事はある?Webデザイナーになる秘訣3選

障害者雇用とは

「障害者雇用」とは、身体障害者手帳・療育手帳・精神障害者保健福祉手帳をお持ちの方を対象に、企業や行政が設けている採用枠を指します。

合理的な範囲内で、一人ひとりの特性に配慮した職場環境や業務内容を整備することで、働くことに障害を抱える方が安定的に働けることを目的としています。

関連記事:障害者枠と一般枠ってどう違うの?実習が大きなカギだった!?

障害者雇用枠だと、比較的簡易な仕事が多い

現状の障害者雇用枠では、一人ひとりの能力が最大限に発揮できる業務が用意されているとは必ずしもいえず、比較的簡易な事務系業務を担当する方が多くいらっしゃいます。限定的な範囲での業務となることにより、給与面などで一般雇用枠と差がついてしまうのがデメリットとして挙げられます。

そのため、例えば精神・発達障害をお持ちの方の中には、やりがいを求めて障害者雇用枠でない一般雇用枠での就業を試み、他の社員と同等の負荷で業務をおこない体調を崩してしまう、という方も多く見受けられます。

会社の考え方によっては、要件定義など上流の仕事は関わらせてもらえないことも

会社によっては、全体を見渡しながら進める必要のある業務や、多くの人と関わりながら進める必要のある業務を障害者雇用枠での業務として設けていない場合もあります。

IT系企業に例えると、システムの設計や要件定義などいわゆる「上流工程」ではなく、仕様書などマニュアルに基づいてプログラミングをおこなったりバグを探したりする「下流工程」と呼ばれる業務を障害者雇用枠での業務として設定する、というケースが多いです。
※「上流工程」「下流工程」と呼ばれていますが、本質的に両者に上下関係はありません。

Webデザイナーの仕事とは

「創造性があると人から言われるし、自分の特性にも合っていそうだから、Webデザイナーになりたいな」とお考えの方もいらっしゃるかもしれません。

Webデザイナーの仕事内容は、簡単にいえば、ウェブサイトを訪問するユーザーの目的が果たせるよう、わかりやすく、かつ使いやすいデザインを設計・制作することです。

そのウェブサイトがどのようなコンセプトを持ち、どのようなユーザー層をターゲットにしているかを把握したうえでサイトを作り込んでいく必要があるため、実際には創造性だけでなくプログラミング言語のコーディング技術やSEO(検索エンジン最適化)の知識が求められる場合もあります。

コーディング

Webサイトは、「HTML」や「CSS」という言語がベースとなって構成されています。そのためWebデザイナーには、これらの言語を使用してプログラムを書いていく「コーディング技術」が求められます。

Webサイトの構成やレイアウトの設定

Webデザイナーに仕事を依頼するクライアントは、見栄えのいいサイトを作って欲しいだけではなく、多くのユーザーが訪れ、自社の商品やサービスを購入してもらえるようなサイト作りを求めています。

そのため、GoogleやYahoo!のような検索エンジンで上位に表示させるためのサイトを構築できるSEO(検索エンジン最適化)の知識も大いに役立ちます。

Webサイトのデザイン

デザイナーと聞いてイメージする ”創造性” も、もちろん大いに強みとなります。その創造性をもとに、「Photoshop」や「Illustrator」などのデザインソフトを活用してサイト制作ができる人材は、非常に重宝されるでしょう。

Webデザイナーになるためにはどうしたらいい?

これまで紹介してきた、Webデザイナーに求められる知識やスキルを身につけて、Webデザイナーになるにはどのようなアプローチができるでしょうか。一緒に考えてみましょう。

HTML,CSSの基礎知識

ウェブサイトを構成しているHTML,CSSについて学んでみましょう。初心者でも基礎から学べる書籍も多く販売されているほか、無料または安価で学べるWebサービスも存在します。

SEOに関するノウハウ

SEOに関するノウハウを身につけるには、「自分でサイトを運営してみる」ことが近道です。HTMLやCSSを使いながらサイトを作ってみて、自分のサイトがどうすれば検索エンジンで上位に表示されるか試行錯誤してみることで、仕事でも活きるノウハウが得られるでしょう。

Illustrator, Photoshopの実践

IllustratorやPhotoshopなどのデザインソフトも、実際に使ってみながら身につけた知識やスキルが、仕事の現場でも活用できることが多いでしょう。

障害のお持ちの方が働く準備をするために利用できる「就労移行支援事業所」でも、Illustrator, Photoshopなどを学べる専門的な事業所を設けている施設が増えてきています。

参考:Webデザインが学べる就労移行支援事業所

Webデザイナーは、自身の障害特性と合っているか

仕事の相性は、試してみないとわからない。興味があれば、まずはやってみるべき!

Webデザイナーに限らず、仕事の相性というものは実際に試してみないと確認できない場合がほとんどです。自分でサイト運営をしてみたり、就労移行支援事業所で勉強してみたりする過程で興味を持つことができれば、本格的に仕事として検討してみるのも良いでしょう。

Webデザインの仕事は、どの会社でも需要はある

多くの会社がウェブサイトを持っているということは、Webデザインの仕事はどの会社にも必要な仕事であると捉えることができます。障害者雇用枠での就職を検討されている方にとって、Webデザイナーは本来、門戸が広い職種なのです。

障害者雇用でWebデザインの仕事が出てこない理由

どの会社にも需要があるWebデザイナーですが、障害者雇用枠でWebデザイナーの求人が出ることは少ないのが現状です。

それは、企業に「障害をお持ちの方に高いスキルを求める」という文化が十分に醸成されていないことも理由として挙げられます。障害をお持ちの方でも、高い意欲とスキルを備えている方は多くいらっしゃるため、このギャップを埋めるという課題が存在します。

カスタマイズ就業で、強みを活かす就職の提案

求人が出ておらずとも、「私はWebデザイナーとして働きたいです」「HTMLやCSSのコーディング経験があります」とこちらから提案すれば、思わぬご縁につながることもあるかもしれません。

求人内容に自分を合わせるのではなく、自分の強みを発揮できる領域を提案しカスタマイズしていく就業形態によって、障害をお持ちの求職者にとっても企業にとっても価値ある就職が実現できるのではないかと考えています。

関連記事:カスタマイズ就業とは(手段と効果)

まとめ

障害をお持ちの方がWebデザイナーとして働くことを考える際に必要なスキル(HTMLやCSSのコーディング技術、SEOの知識、IllustratorやPhotoshop)を解説し、それらを身につけるためのアプローチもご紹介しました。

条件面での課題が残るといわれる障害者雇用であっても、自らスキルを高めて事業に貢献できることを示していけばキャリアアップは十分に可能となり、生き方や働き方の選択肢も増えてくると期待できます。

この記事を読まれた方一人ひとりにとって、この記事がスキルアップやキャリア構築を今一度考えてみる機会になることを願っています。