採用面接で、自己管理ができる人材かどうかを見られる
採用面接は、業務を行うにあたり状態が安定しているかをまず見られる。
精神障害を持つ方の社会進出が進んでいます。しかし、すぐに辞めてしまう方も多くいます。退職理由のほとんどが「体調面の問題」です。就職後3か月で多くの方が辞めています。
この問題を踏まえ、企業でも「健康管理」を重視した人材を求めています。そのため、精神障害者雇用の採用面接では、「自己管理ができ、職場定着ができる方かどうか」を主にして行われるケースが多いです。
それでは、精神障害者雇用の採用面接で具体的にどのような質問事項が多く聞かれているのでしょうか。
精神障害者雇用の採用面接でよく聞かれる質問事項【自己管理編】
1)障害や病状について、どんなサポートが必要か
あなたが持つ障害や病状についての質問があります。これは採用した後にどのような配慮やサポートを行うべきかを知るためです。ですから、自分の病状はもちろん、どのような配慮をすれば解消されるかを具体的に説明することが重要です。下記の関連記事も併せてチェックして、あなたの症状を整理しましょう。
関連記事:面接で企業に伝える「自分の障害について」作成ポイント4つ
2)前の職場を辞めた理由
前の職場をどうして辞めたのかを質問されることがあります。いくつも転々としていれば別ですが、前の職場で発症した場合はほぼ聞いてくると言ってよいでしょう。
理由は、企業側が採用後に同じ状態にならないように事前に対処を行うためです。ですから、「上司とうまくいかなかった」「残業が多いため、体調を崩してしまった」など、実際にあったことを素直に伝えるようにしましょう。素直に伝えたことで、印象が悪くなることはありません。むしろ事実と異なる理由を伝えると、採用されたとしても対処が難しくなる場合があります。
3)これまでの仕事で得意な業務・苦手な業務
得意な業務に関しては、担当業務としてお願いできることがあるかを確かめるためです。苦手な業務に関しては、そうとは知らずにお願いしてしまい体調を崩すことがないように事前に把握するためです。
ですから、業務に関しても偽ることなく素直に答えるようにしましょう。
4)ストレスや疲労を解消する方法
精神障害を持つ方が仕事を続けていくうえで、体調管理は重要ということをお伝えしました。しかし、障害の特性や病状で疲れやすいことが多いです。そのため、ストレスや疲労を自覚することができるかどうか。またそれを自分で解消できる方法を持っているか質問してくることが多いです。
5)仕事でミスをしたときに、どう対処するか
仕事をしていると、ミスはついてきます。業務をスムーズに進めるために、さらにはあなたが安心して仕事ができるように、ミスをしたときにどんな対応をするかを質問してきます。
採用面接でよく聞かれる質問はこの5つです。では、質問に的確に答えられるようになるために、どのような準備をすればよいのでしょうか。
採用面接前に準備すること
ストレスや不安を生む傾向を知り、具体的な対策を考える
まずはあなたがストレスや疲労を感じやすいときはどんなときかを振り返ってみましょう。「残業が重なった時」「上司にひどく怒られたとき」などあるのではないでしょうか。そのような、不調になるストレスや不安を生む傾向を知ることで対策が見えてきます。
さらに企業に配慮をお願いするにあたり、「疲れやすいことがあるため、3時間に一度、小休止をさせてください」など、対策は具体的に伝えるようにしましょう。
関連記事:精神障害は就職に不利って本当?就職するにはどんな対策が必要なの?
前の職場と今の職場での取り組み方の違いを説明できるようにする
前の職場でどのような問題があって辞めてしまったのか、同じことを繰り返さないためにはどのような工夫が必要なのかを考えましょう。さらに具体的に説明できることによって、面接官の方にも分かりやすくなります。
不調の時の対処法など、体調管理法を考える
どのように体調管理をしているか、明確にしておくことが必要です。「規則正しい生活を心がけている」など、自分なりに健康を保つ工夫や疲労との向き合い方などを考えてみましょう。
関連記事:就労移行支援で学べる、発達障害を持つ方のための体調管理法3つ
ミスをしたときなど、報連相の形式を考える
職場において、報連相は必須です。さらに精神障害を持っていると、心に気持ちをため込むことで不調につながりやすいです。そのため、あなたが伝えやすい報連相の形式を考えて、伝えられるようにしましょう。
ナビゲーションブックを活用しよう
自身の障害や病状に関してまとめた資料「ナビゲーションブック」
というツールがあります。自身について口頭だけで伝えることは難しいのではないでしょうか。その場合、このナビゲーションブックを用意しておくことで、面接時だけでなく採用後にも伝えられるようになり、安心です。
参考:発達障害者のワークシステム・サポートプログラム ナビゲーションブックの作成と活用|障害者職業総合センター NIVR
就労移行支援事業所で、面接の練習ができる
就労移行支援事業所では、精神障害を持つ方の面接の練習をすることもできます。もちろん、障害の伝え方やナビゲーションブックの作成方法なども学ぶことができます。支援内容のスタイルは事業所によって様々ですので、どこの事業所にしようか迷った場合はSalad編集部までご相談ください。
仕事・働き方に悩んでいたら。『Salad』が強みを活かす就職のサポートをします
まとめ
いかがでしたでしょうか。
面接はどのような方でも緊張しますが、不安や緊張を感じやすい精神障害を持つ方にとっては難関かも知れません。しかし、企業がどのようなことを求めているのかを知り、準備しておけば不安も軽減されます。
面接で採用を受け、長く働き続けるためにいまいちどあなたの障害を見直してみましょう。