HSP気質の影響で、旅行が苦手と感じるひとがいる
HSPとは
HSPは「Highly Sensitive Person」の頭文字を取った略称で、「とても繊細な人」を意味する心理学用語です。
障害や疾患ではありませんが、生きづらさを感じやすい性質として注目されています。
参考:HSP(ハイリー・センシティブ・パーソン)とは?その特徴や症状|心療内科・精神科|うつ病治療の新宿ストレスクリニック
参考:HSP診断テスト – 選ぶだけの簡単セルフチェック
旅行が苦手なケースがある
HSPを持つ方の中に、旅行が苦手なケースがあります。HSPによる性質の影響で、旅行でのさまざまな『刺激』に不安やストレスを感じてしまうことがあるからです。
今回はそのような『HSPと旅行』についてです。
・旅行を苦手と感じる理由や要因
・旅行を楽しむ、安心して行うために準備すること
この2つのテーマについてお伝えしていきます。
【HSP】旅行が苦手、不安と感じるのはなぜ?
移動中の人混みに疲れてしまう
旅行先に移動中、どのような交通手段でも「人混み」に遭う可能性があります。
・電車やバスで移動→駅やバス停、または車内の混雑に遭う
・私有の自動車で移動→道路の渋滞に遭う
・徒歩での移動→通路での人混みに遭う
・飛行機での移動→空港や機内の人混みに遭う。さらに密室感が強くなり、人混みを強く感じやすい可能性も出てくる
これらの要因から、人混みなど「混雑している状態」に疲れやすいリスクがあります。自動車での移動であれば物理的には車だけの対面です。しかし、クラクションなど車からも他者の感情や情報を読み取り具合が悪くなるケースも考えられるでしょう。
関連記事:【HSP体験談】人混みや集団に疲れたら「一人の時間」でケアしよう
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知らない環境での刺激に疲れてしまう
旅行先ではこれまでに経験したことのない物事に直面する機会が出てきます。特に海外旅行となれば言語や文化の違いからくる刺激も強まります。このような経験の楽しさよりも「強い刺激」として感じ、疲れてしまうことがあるのです。
あらゆる事態に備えたシミュレーションで疲れてしまう
HSPは、綿密さやきめ細やかさを持つことが特徴のひとつです。これが気配りとして活きる時もありますが、細かさゆえに他者や自分に負担がかかってしまうことがあります。
旅行に関しては、「ああなったときの対処は…」「このパターンのときはこうして…」など綿密な予定を立てたり現地での振る舞いを考えようとする傾向があるのです。HSPを持たない方からすると「そこまでする必要はあるの?」と思われるほどシミュレーションをしてしまう傾向があります。
このシミュレーションに他の方を巻き込んでしまうこと、本人があれこれ考えすぎて疲れ果ててしまうリスクがあるのです。
関連記事:【HSP】気疲れと気配りは表裏一体。『センサー』と向き合う体験談
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旅行先の雰囲気や空気感で体調を崩すリスクがある
また旅行先に着いた後、自分には合わない空気感や雰囲気に遭遇することで体調を崩してしまうリスクがあります。明確な根拠はないけれど「なぜか受け付けない」感覚を受け、本人でも原因が分からずに旅行を楽しめないケースが出てきてしまうのです。
参考:敏感すぎて疲れるのはHSPかも?うつ病にもつながるHSPの特徴と対処法 | 医療法人東横会 心療内科 精神科 たわらクリニック
旅行が苦手でも、旅を楽しみたい!
旅行が苦手だからといって、ずっと家にいるだけでは辛い!そう感じていることもあるかもしれません。他の人と同じように旅を楽しみたいということあるでしょう。
そこで、次はHSP性質が強い方が旅行を楽しむために、事前に準備すること・心がけることを紹介していきます。
参考:HSP気質とは? 特徴と付き合い方まとめ – STUDY HACKER|これからの学びを考える、勉強法のハッキングメディア
旅行を楽しむために準備すること・心がけること
①不安要素を明確にし、整理する
何が不安なのか分からないまま闇雲に準備をすることで、旅行前に疲れてしまうおそれもあります。そのようなケースを防ぐには、「旅行の何に不安を感じているのか」を考えてみることが必要です。
『言語に不安を感じている』『宿泊先がどんなところなのかが不安』など、不安要素を明確にしていきましょう。のちにそれに対する対処を決めたら、同じ用件で考えないように整理することが大切です。
②旅行先で不安に感じることに絞って調査してみる
旅行先で最も不安に感じない方法は、事前に行ってみることです。しかしそれでは旅行本来のワクワク感や楽しさを感じられなくなってしまいます。ですから①で出てきた「旅行先で不安なこと」に関して調査を進めておくとよいでしょう。
『日本語が通じるところはどこか、通訳はいるのか』『宿泊先のサービスはどのようなものか』など『Q&A方式』でクリアしていき、曖昧な不安を残さないように心がけましょう。
③負担の少ない場面を選び、人混みに慣れておく
旅行中、人混みに遭遇する機会は高いです。人混みや周囲の(心理的な)騒音にいきなり遭ってしまうと、体調を崩してしまう可能性があります。
あらかじめ事前に「(満員電車ではなく)少し混み気味の電車に乗る」「人がいるカフェなどで過ごす」などをして、人混みに慣れておくとよいかもしれません。
疲れたら必ず自宅などで休養をとることも大切です。
④旅行経験がない場合、はじめは無理をせず過ごせる場所を選ぶ
例えば、道中体調を崩した時にすぐに休めない場所であったりすると不安が高まるでしょう。この様な不安が強いと旅行を楽しめなくなってしまいます。
ですから旅行経験が少ない場合は、旅行先は無理をせず過ごせる場所を選ぶようにしましょう。現地で向かうところがホテルの近くであるところ、有事の際に対応できると予測できるところに旅行するようにしましょう。
旅行に慣れてきたら、海外や一人旅など様々な場所や旅行方法にトライしてみるのも良いかもしれません。
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まとめ
いかがでしたでしょうか。
中には「ずっと家にいるのが好き」という方もいるでしょう。しかし、そのような方でも職場での社員旅行や結婚した際の新婚旅行など、自分の事情だけでは決められないこともあります。筆者もHSP傾向が強く、結婚式のために海外旅行をしたときは不安や緊張が強かったです。しかし、後から考えると良い思い出になっています。
旅行は心を豊かにしてくれる方法の一つです。今後は『ワーケーション』など、旅行先で仕事をするという方法も注目されています。もし旅行について不安を感じていたら、今回の記事を参考にしていただけると幸いです。
【筆者紹介】
Salad編集部員。30代男性。広汎性発達障害、ASD(自閉症スペクトラム)の診断を受けている。HSP傾向も強く、細かいことが気になることや人混みが苦手な特徴を併せ持っている。旅行はあまり得意ではないが、新しい経験をするために当日の思い付きで県外に旅行した経験もある。ちなみに海外に旅行した際日本語は通じなかったため、翻訳ツールを活用し対応した。