【認知行動療法】合理化とは。特徴を知り思考のくせ改善につなげよう

認知心理学に、合理化という概念がある

合理化について検証する男性

合理化とは

合理化』とは、自分の心の中に満たされない欲求や不安がある際、自身に合理的な説明を行う思考です。これにより、自分自身を納得させることや、自信の行為を正当化したいという心の働きを意味します。

合理化には、様々な効果がある

さて、この『合理化』ですが、メリットがある反面デメリットも存在します。様々な効果があることで日常生活に支障を期待している場合もあるかもしれません。そこで今回はこの『合理化』について

・合理化の具体的な例
・合理化するメリットとデメリット

こちらを中心に紹介していきます。

合理化とは、具体的にどのような行動をいうの?

合理化の特徴について知りたい男性

「合理化」といっても、具体的にどのようなことかイメージが沸かないこともあるかもしれません。ですから具体的にどのようなものなのか。例を挙げて説明していきます。

(例1)
欲しい洋服があるが、お金がなくて買えない → あの服は色がいまいちだったから、買わなくて正解だ、と考える(買えない状態を納得させる)

(例2)
仕事で失敗をしてしまった → 今日は体調が悪くて、全力を出せない状態だったから仕方ない、と考える(力不足の自分を正当化する)

合理化はこれらのように、起きた事実に対して自分なりの答えや結論を生み出す一面もあるのです。

参考:心理学講座>精神分析療法>防衛機制 寺子屋心理カウンセリングルーム(東京・新宿/群馬・前橋)

合理化するメリットは?

強みを活かしたい障害を持つ男性

不安や悩みが続くことを抑える

例えば発達障害のひとつであるASD(自閉症スペクトラム) は、答えのない曖昧なものに対してストレスを感じやすいことがあります。かつ、こだわりが強い場合どこまでも結論がはっきりするまで考え続けてしまうことで、心身への大きな負担となるリスクがあるのです。

合理化は、このような『答えのない曖昧なもの』に自分なりの答えを見つけ『これでいいんだ』と自身を納得させられるメリットがあります。これにより、深く悩み続ける事態を防ぐことができるのです。

参考:こだわり、不安がつよい:困りごとのトリセツ(取扱説明書)|発達障害プロジェクト

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関連記事:【体験談】同じ悩みが無限ループのように離れない…止め方の工夫は

自信がつき、他者依存を解消できる場合もある

精神障害、発達障害を持つ方などが抱えやすい悩み悩みとして『自信や自己肯定感を失っている』ことがあります。『うまく仕事ができない』『うまく人と話せない』など、しっかり行いたい欲求があるのに達成できないことで悩んでしまいます。このようなことから自信喪失につながりやすく、どうしても他者の行動や考えに依存してしまいがちです。

この場合、合理化することによって『自分から答えを生み出す』ことになります。これにより、他者に答えや結論を求める「他者依存」を解消できることにつながるかもしれません。

関連記事:【発達障害】自己肯定感が低い原因は?働く自信が持てない時の対処法

衝動を抑える材料にもなる

同じく発達障害の一つにADHD(注意欠如・多動性障害)があります。このADHDを持つ方の中には、衝動を抑えることが苦手なケースがあるのです。そのため、その場の衝動で高価なものを購入してしまったり、ギャンブルや飲酒に依存してしまったりするリスクがあります。

合理化によって、先ほどの洋服の買い物の例のように『買わなくても良い結論を出す』ことにもつながるのです。このように達成しなくても良い条件を考え出すことで、衝動的な行動や依存傾向を抑えることにもつながるでしょう。

参考:注意欠陥・多動性障害(ADHD) | 医療法人東横会 心療内科 精神科 たわらクリニック

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相手に共感できる言葉を見つけられる

相手に関してかける言葉の際にもメリットになる場合があります。今回は、『自分が達成している物事を、相手ができずに悩んでいる時』を思い浮かべてみてください。相手にかける言葉として、『それは努力が足りないからだ』『~すればもっと良くなるはずだ』など、原因や解決法のみを伝えても相手に負担になることがあります。これでは、「相手に共感する」とは言えません。

このようなときにも、合理化の考えが役に立つケースがあります。相手に『今回は偶然上手くいかなかっただけだよ』『代わりにあなただけができることをすれば、それでいいんだよ』と、相手に納得させられる言葉を見つけやすくなるのです。

合理化は、このように相手に共感するためのカギになるケースもあります。

合理化のデメリット

コミュニケーションがうまくいかなくなってしまった男女

言い訳するくせがつき、成長しにくくなる

合理化は、簡単にいえば「まあ、いいか」で終わらせるための思考です。確かに合理化によって精神的負荷が減るメリットはあります。しかし、辛い時や困難に直面した際に常に「できないけれどまあ、いいか」「今回はタイミングが悪いだけだったんだ」などの結論を出し続けていると、『自分に言い訳するくせ』がついてしまうのです。

何か困難などがあった際に原因など考えず、向き合うことをしなくなるかもしれません。これにより、成長しにくくなるデメリットがあるのです。

合理化した言葉をそのまま発して、悪い印象を与えてしまう

あくまでも「合理化」は、自分や他人の心の中を整理するものです。先ほど紹介したように「相手に共感する言葉」として合理化した考えを活用することは良いでしょう。しかし、自分に起きた事態に対して合理化した言葉を他人に発したらどうなるでしょうか。冒頭の『仕事で失敗した時(例2)』の例を活用して考えてみましょう。ここでは、部下がミスをしたときの想定です。

上司『どうしてこんなミスをしたんだ!』
部下『今日は体調が悪かったので、全力を出せなかったのです。ですから自分の努力不足ではありません。

このあと、上司はどうなると思いますか?人により怒る、嘆く、呆れるなど表現は様々ですが、この部下への信頼がなくなることは確かです。このように、合理化した言葉を相手に向けることで『言い訳が多い』『努力をしない』など、悪い印象を与えてしまうことにもなりかねません。

これまでの経験を振り返って、思考のくせを改善しよう

合理化を活用し思考改善を呼びかける男性障害者
合理化はこのように、メリットとデメリットの両面を持ち合わせています。このメリットの部分のみを活かしていくことが、コミュニケーション改善やストレスの緩和にもつながるかもしれません。

…とはいえ、何もきっかけがないのに使い分ける、というのも難しいですよね。ですからまず、これまでの経験を振り返ってみましょう。「『言い訳するな』とよく言われた」「悪意はないのにもかかわらず、『言葉が冷たい』とよく言われる」など様々な問題を思い浮かべたかもしれません。その記憶をヒントにして、合理化を取り入れてみるのが良いのではないでしょうか。

まとめ

安心して過ごすことができている精神障害者
いかがでしたでしょうか。

合理化は『言い訳思考』だと解釈されることも多いです。確かに合理化をすることで、潔さがない場合もあるかもしれません。しかし、長く働いて行く上で自分の心を回復させる方法として、合理化を使用してみるのも良いのではないでしょうか。

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