発達障害の改善策に、カタカナ言葉が使われるときがある
発達障害は、周囲とのコミュニケーションにずれが生じやすい
発達障害は、周囲とのコミュニケーションにずれが生じやすいことが問題視されています。これは障害特性から、受け取り方や表現の仕方が異なるためです。周囲とうまく関わることができず、就職してもすぐに辞めてしまうことにつながってしまうのです。
発達障害の問題解決に、専門用語やカタカナ言葉などが使われるときがある
このようにコミュニケーションなど、発達障害をめぐる様々な問題を改善させるために、あらゆる機関や専門家が研究を続けています。
心理学や医学など、専門家による研究から生まれた対策が多いです。中には海外から生まれた専門用語も多くあります。そのため英語などを基にした「カタカナ言葉」も存在しているのです。
カタカナ言葉は馴染みがなく、「食わず嫌い」を感じやすい
例えば「ニューロダイバーシティ」「ソーシャルインクルージョン」など、障害を持つ方をはじめとする『個性』を大切にしていこうというカタカナ言葉があります。
上記の2つはもちろん、どれも覚えておきたい大切な用語です。しかし、「難しそう」「なじみがない」というだけで「自分には関係がないかな」と判断してしまうことはありませんか?
中でも発達障害を持つ方の場合、比較的極端な思考になる傾向があります。そのためいったん見てみようなどをせず「カタカナ→難しい→関係ない」という『食わず嫌い』に至るケースもあるのではないでしょうか。
参考:ニューロ・ダイバーシティとは? 企業で注目される理由 – 『日本の人事部』
参考:ソーシャルインクルージョン – 障害保健福祉研究情報システム
カタカナ言葉だから無理、という「食わず嫌い」は勿体ない
『知らない言葉だから嫌い』と知ろうとしないのは勿体ないこと
普段の生活の中で馴染みがない言葉を目にすると、どうしても抵抗があることもあるでしょう。しかし、どのようなものなのか確かめず無視してしまうのは勿体ないことです。
発達障害を持つ方が抱えやすい困難や悩みを解決するヒントになり得る言葉も多くあります。
人間関係で起きやすい『悩み』解決のヒントになる言葉もある
今回はその中で『人間関係の悩み解決』のヒントになる『カタカナ言葉』を3つ紹介しましょう。用語の意味を知っていくことで、
・自分の気持ちをどう表現したらよいか分からない
・なぜか「人の話を聞かない」と言われる
・普通に接しているのに、なぜか嫌われる
このような悩みを解消するヒントになるのかもしれないのです。それでは、どのような意味を持つ言葉なのか。順に見ていきましょう。
【発達障害】人間関係の悩み解消のヒントになる『カタカナ言葉』
①アサーション
『アサーション』とは、コミュニケーションをとるうえで大切な要素である
①話す、伝える
②聞く、受け取る
この2つのバランスをとっていく方法の名称です。分かりやすく言うと、『相手のことも考えながら、自分の言いたいことも言える』ための方法なのです。
【こんな人間関係の悩みを持っていたら要チェック】
・自分の主張が強すぎて、「押しが強すぎる」「わがまま」と言われてしまう
・相手のことや周囲のことが気になり過ぎて、自分の意思を伝えられない
・打ち合わせや話し合いで自分の意見を言うことができない
・「空気が読めない」「TPOをわきまえて話す」の意味が分からない
このような悩みがある場合はこちらの記事「『アサーション』とは?意思表示が苦手な発達障害にもメリットあり!」をチェックしてみましょう。
参照:「アサーション」とは? – 『日本の人事部』
参考:あなたのタイプと傾向は?人間関係・伝え方の悩みに特効薬『アサーション』3つの基本
②アクティブリスニング
「アクティブリスニング」は、相手の話の聞き方に関する用語です。「積極的傾聴」とも言われており、相手の話を自分から迎え入れていく姿勢を保つことで言葉の真実や心情をつかんでいきます。
【こんな人間関係の悩みを持っていたら要チェック】
・「人の気持ちが分からない」「共感性がない」と言われる
・無視しているわけではないのに「人の話を聞いていない」と言われる
・相手の言葉の意図がわからず、何を言いたいのか分からないことが多い
・その他、職場で上司や先輩の指示の意味が分からない
このような悩みを持っていたらこちらの記事「アクティブリスニングとは?「人の話を聞かない」と言われる時効果的!」をチェックしてみましょう。
参照:「アクティブリスニング」とは? – 『日本の人事部』
参考:アクティブリスニングとは?傾聴力を高める方法│Ritori
③アンコンシャスバイアス
「アンコンシャスバイアス」は自分自身が気づいていないものの見方や受け取り方、捉え方のゆがみ・偏りのことです。あらかじめ「きっとこうであろう」という仮説を立てて、判断や行動のスピードを速くする「パソコンのショートカット」のような役目を持っています。
しかしこのアンコンシャスバイアスが偏っていることで、周囲とのコミュニケーションのズレなどを起こしやすくなるのです。
【こんな人間関係の悩みを持っていたら要チェック】
・周囲に嫌われる理由が分からない
・「そもそもそういうことを言っていない」「根本的に違う」と言われやすい
・「思い込みが激しい」と言われる
・生活のあらゆる光景を見て「許せない」と感じることが多く、ストレスを感じやすい
このような悩みを持っている場合は「アンコンシャスバイアスとは?職場で嫌われやすいときは要チェック!」の記事をチェックして、自分の思考の特徴を確認してみましょう。
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まとめ
いかがでしたでしょうか。
「職場で人とどう関わったらよいか分からない」など、対人関係での悩み解消の方法が分からず困っていることもあるのではないでしょうか。長く働き続けるためには、良好なコミュニケーションをとっていくことが必須です。そのためにも、今回の「ア」から始まる
・アサーション
・アクティブリスニング
・アンコンシャスバイアス
この3つのカタカナ言葉に一歩踏み出してみませんか?
その他コミュニケーションがうまくいかない、自分の特性や長所を活かして働けないなどの悩みがありましたら、Salad編集部までご相談くださいね。
【筆者紹介】
Salad編集部員。30代男性。広汎性発達障害、ASD(自閉症スペクトラム)の診断を受けている。過去にうつ病を発症した経験を持つ(体験談はこちら)。生活での注意事項や自己理解を深める意味もあり、メンタルヘルスカウンセラーの資格を取得した。