【発達障害】適切な自己表現をアサーショントレーニングで習得しよう

『適切な自己表現』の意味が分からず、周囲とうまく関われない…

適切な自己表現ができず、噛み合わない様子

主張し過ぎても控え過ぎても問題になり、バランスのとり方に迷いやすい

発達障害は、主にコミュニケーションにおいて苦労を感じやすい障害と言われています。

「相手の気持ちが分からない」
「どう自分の意思を伝えたらよいか分からない」

このような事態に困難を感じやすいことが多いのではないでしょうか。「引きながらも押す」のようなバランスを保ちながら接することに苦労を感じていませんか?

参照:自分の思いを伝えられない:困りごとのトリセツ(取扱説明書)|発達障害プロジェクト

結果、どちらか一方に偏りやすい

苦労を感じた結果調整することができず『主張のみ』に偏ってしまったり、もしくは過去の失敗体験などから「絶対に自分の意思は言わない!」と心を閉ざしてしまったりするケースがあります。

もともと
白黒思考になりやすく、極端な考え方や偏った判断をしやすいこと
・マルチタスクが苦手で、複数の物事を同時に意識することが苦手
このような理由から、相反するもののバランスをとることに苦労を感じやすいのです。

したがって「自分はどうやって、周囲に意思を表現していけばよいのか」わからなくなってしまうこともあるでしょう。

参考:発達障害|病名から知る|こころの病気を知る|メンタルヘルス|厚生労働省

関連記事:【体験談】発達障害を持つ方が苦手な『マルチタスク』の困難解消法

このような「自分の表現方法」についての悩みを解消してくれる方法の一つに『アサーション』というコミュニケーション方法があります。

適切な自己表現を身につけるヒントに、『アサーション』がある

改善策として、アサーションに気づく女性

アサーションとは

「アサーション」とは、コミュニケーションの大きな2つの軸となる「伝える・話す(発信)」と「聞く(受信)」のバランスを整えていくコミュニケーション方法の一つです。

この2つのバランスを保つことで、自分も相手も尊重した形で意思を伝えること(相手を傷つけず、かつ自分の主張もすること)ができるようになります。

参考:「アサーション」とは? – 『日本の人事部』

関連記事:『アサーション』とは?意思表示が苦手な発達障害にもメリットあり!

発達障害を持ち、どう言えば相手をさせずに伝えることができるのか分からない場合、このアサーションを身につけることで改善できる可能性があるのです。

【発達障害】アサーショントレーニングで改善が期待されること

アサーションを身につけて成長を感じている女性

相手にとってきつい言い方になるケースに気づくことができる

発達障害を持っている場合、何らかの理由で「相手にとって傷つく表現」をしてしまっていることに気づいていないケースがあります。アサーションを身につけ「相手の事情を踏まえた自己表現」を心がけることで、「きつい言い方」になる表現に気づき事前に対処することができる可能性があります。

相手の意図に気づきやすくなる

発達障害を持つ方の中には、言葉だけでは相手の意図が見えてこないことで悩むケースもあるでしょう。これは相手側の心情を想像することが苦手なことから来ているケースが多いです。

アサーションによって、常に相手を踏まえて考える「くせ」がつきます。これにより、相手が実際に何を言おうとしているのか、意図に気づきやすくなることができるかもしれません。

コミュニケーションのズレが少なくなる

したがって、上司の指示を聞くときや業務の報告をするときなどにプラスに働いてきます。

・上司が何を求めているかを考えながら聞けるようになる
・他者が何を考えて話しているのかを踏まえた回答ができるようになる
・周囲の事情を意識して話すため、的外れな発言が少なくなる

このようなコミュニケーションのズレが少なくなっていくかもしれないのです。課題をアサーションで改善させていくことで、職場定着にもつながる可能性もあります。

それでは、どのようにアサーションを身につけていけばよいのでしょうか。

参考:「アサーション」とは? – 『日本の人事部』

アサーショントレーニングの流れ

アサーショントレーニングを意識しながら会話をする男女

ポイント1:自分の自己主張タイプを知る

まずは、自分がどのような自己主張タイプなのかを知るところからトレーニングが始まります。アサーションで考えられている自己主張タイプは、以下の3つです。

・アグレッシブタイプ(攻撃的なタイプ)
・ノン・アサーティブタイプ(非主張タイプ)
・アサーティブタイプ(主張と受容のバランスが取れた理想的なタイプ)

この3つのうちのどれに該当するのかを簡単なテストで診断していきます。下記の参考リンクにテストの一例がありますので、興味があればぜひトライしてみてください。

参考:あなたのタイプと傾向は?人間関係・伝え方の悩みに特効薬『アサーション』3つの基本

ポイント2:相手になり切って考えてみる

よく「人の立場を考えなさい」「もっと相手のことを考えろ」と言われるかもしれません。この相手の立場に立って考えるコツの一つは「相手になり切る」ことです。

・男性が女性を相手にして話す場合、女性の価値観や感覚になり切って考えてみる。
・自分は自転車が乗れるが、自転車が乗れない子供を相手にするときに「乗れない人」になり切って考える。

このように相手になり切って考えてみることで、より相手の目線に近い形で対話することができるようになります。

「男性の自分だったらなんとも思わないけれど、もし女性だったら辛いだろうな」「もし自転車に乗れなかったら、転ぶのが怖いだろうな」など、相手の感覚を自分にコピーする感覚でとらえていくのがコツです。

ポイント3:周囲や場面全体になり切って考えてみる

双方にとっては良い表現でも、それを言ってはいけない・適切ではない場面や場所というものもあります。「空気が読めない発言」と言うのは、この「話すべきシチュエーション」のどれかが不足しているケースが多いのです。

職場で個人的な事情で落ち込んでいる人がいたとしましょう。相手に「落ち込むときもあるよね。時には思い切り泣くのもいいんだよ」と声をかけてあげることができたら、ポイント2まではクリアしています。

しかしこれを仕事中、他の社員のいるオフィスの場合どうでしょうか。どんなに双方にとって良い表現でも、「職場」になり切って考えた時「何も今ここで言うことないのに」と思われてしまうことでしょう。

ポイント2で「相手」になり切りましたが、ポイント3ではさらに「周囲」や「場面」、「ルール」などになり切って考えてみましょう。

ポイント4:自分の特徴を踏まえながら、適切な表現を探していく

ポイント2と3をクリアしていくと、「的外れな発言をしない」ようになっていきます。しかしこれだけでは、適切な自己表現とは言えません。

会議や話し合い、業務上お願い事をしないといけないときは相手の意思もくみ取りながら自分の意見も言えることが必要です。特に消極的なノン・アサーティブに該当する場合、「自己表現しない」という選択をしてしまうかもしれません。

このようなときに浮かんだ表現の中で、ポイント2、ポイント3で該当しない状況を差し引きます。残った表現の中で「最も相手も自分も傷つけない表現」を選んだ上で表現していきましょう。

参考:アサーション〈自己表現〉トレーニング | 株式会社 日本・精神技術研究所(日精研) | 心理アセスメント・心理トレーニング

これらを繰り返し、より適切な表現方法を探していきます。

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まとめ

アサーションで適切な自己表現を身につけ、会話に参加できるようになった様子
いかがでしたでしょうか。

「『相手のことを考えなさい』と言われても、やり方がわからない」そのような悩みを抱えていることがあるかもしれません。

アサーショントレーニングで自己主張のバランスを整えることで、『勝手』『傲慢』と言われることにも、そのようなことを言われないように心を閉ざしてしまうことにも対応できる方法なのです。

より自分の意思を正確に伝えるために、より相手に誤解されないためにもぜひトライしてみてはいかがでしょうか。

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