面接後など、就職活動の結果待ち状態が辛い
障害者雇用での就職活動を経験した
筆者は今回の就職も含め、過去2回障害者雇用での就職活動を経験しました。受けた企業は、数十社ほどです。
・単独でハローワークに行き、申し込んだもの
・合同面接会に参加して申し込んだもの
・地域の就労支援センターの紹介で申し込んだもの
・就労移行支援事業所に通所中に申し込んだもの
このようにさまざまな手段を用いて就職活動を行ってきました。もちろん、受けた結果も書類選考で不採用であったものもあれば、面接まで受けて不採用になったことも経験しています。過去には数回面接して社長面接まで受けたのち不採用、ということもありました。
何よりも『待ち状態』が辛かった
筆者は、就職活動において何よりも「結果待ち」の時を辛く感じていました。もともと「待つ」ことが好きではないこともありますが、自分ではどうにもできない事態に直面した時に強い不安を感じたのです。
今回はそのような「就職活動中のあらゆる『待ち状態』のときに心がけたこと」を紹介していきます。同じように就職活動中、強い不安の緩和につながりましたら幸いです。
【体験談】就職活動の結果待ち状態が辛い理由
曖昧な状態が辛い
筆者は、発達障害の一種「ASD(自閉症スペクトラム)」を持っています。ASD(「アスペルガー」とも言われるケースがあります)は、曖昧な表現や状況が苦手な特徴を持っている時があります。筆者もまた、曖昧な「モヤモヤした状況」に苦しみやすいです。
面接など、結果を待っているときはまさに「結果によって動き方が変わる」曖昧な状態です。どちらになっても対応できれば問題がないのですが、両方を同時に意識するということも苦手なため、苦しむことがありました。
参考:アスペルガー症候群(自閉スペクトラム症)|ふせき心療クリニック 心療内科 精神科 児童精神科 埼玉県 さいたま市 さいたま新都心
参考:こだわり、不安がつよい:困りごとのトリセツ(取扱説明書)|発達障害プロジェクト
関連記事:アスペルガー(ASD)は暗黙の了解が苦手…曖昧な表現への対策4つ
待つ=何もしないことが耐えられない
書類送付または面接が終了すれば、結果が出るまで「何もできない」状態になるでしょう。少なくとも、行った求人応募に関しては「待つ」ことがメインになります。
筆者はこれが耐えられませんでした。「待っている間にもできることがあるのではないか」と焦りが強まるのです。このような待機することを求められる時は『自分の力でどうにもできない』ことが多くなります。
受けた企業への思いは強まるのに、それに対する行動は抑えなくてはならない…この矛盾に辛さを感じていました。
面接の場合、人格否定されるかもと不安になる
書類選考にて不採用であった時も、ショックになります。しかし、面接を受けた結果不採用であった場合、書類選考の時に加えてショックが強まりました。
・せっかく書類選考が受かったのに、勿体ない
・自分の言ったことが良くなかったのだろうか
・自分は社会に望まれていない人間なのだろうか
このような思いがさらにショックを強めたのです。頭では「不採用は、人格否定にはつながらない」と知っていても、就職への思いが強ければ「不採用=人格否定」に結びつけてしまっていました。不安が強ければ強いほど、思考が極端になり辛さが増してしまっていたのです。
関連記事:発達障害を持つ方が「白黒思考」に苦しむのはなぜ?職場での予防法
心身ともに良い状態で、次の行動に移りたい
就職活動の際には結果待ちの時のみならず面接前など、不安や緊張が伴うものです。良い結果であれば就職後のための行動、良くない結果であれば別の求人に行動を切り替えることになるでしょう。どちらにしても「次の行動のために、よりよい状態を保ちたい」と感じているかもしれません。筆者もまた、その中の一人でした。
そこで、次は就職活動において書類選考や採用面接の結果待ちのときに筆者が心がけていたことを紹介します。
【障害者雇用の就職活動】書類選考・面接結果待ち状態のときに行ったこと
別に集中できるものを持ち、現状に執着し過ぎない工夫をした
筆者は就職とは別に、障害者アーティストとして活動しています(詳細についてはこちら)。これは芸術が好きということもありますが、「複数打ち込むものを持つことで、一方に依存した考えを持たないようにする」ためでもあります。
これまでも仕事とは別に、アートに関わる活動をしてきました。筆者の場合何か一つに絞ってしまうと、こだわりや執着の度が過ぎてしまうきらいがあることを自覚しています。これにより自分の精神状態に悪影響があることはもちろん、こだわりによって周囲に迷惑をかけてしまうこともありました。
そのため就職活動中もそれだけに焦点を当てると、こだわりや不安で不調になってしまうリスクがあります。これをなくすために、常に複数の目標を持つようにしています。
就職活動をしながら別の活動をする…ということはできない、ということもあるかもしれません。主だった活動でなくても、本を読むことなど何か集中できることであれば構いません。そうした意識の偏りを防ぐために、就職活動以外の「目的」に注目してみましょう。
不安な気持ちを相談した
不安など辛い心情は何も言わなくても伝わるものです。特に、周囲も状況を知っているのであれば心配されることも多くなるでしょう。ですから、不安な状態を何も言わないことで周囲が困るケースもあると覚えておいてください。
筆者の場合、時間が経つと想像でどんどん不安が膨らんでいくため、早いうちに相談して気持ちを落ち着かせたのです。
入社後に向けた準備をした
「落ちた時無駄になるのでは」と感じたかもしれません。確かに準備しておいて不採用になれば、この間の取組みは無駄になります。しかし筆者はこうして「行動する」ことで、ポジティブな方向への意識づけを試みたのです。この場合も、入社後の準備をすることで「だめになった時のこと」への意識を弱めようとしました。
特に同じ業界や業種を受け続けるのであれば、この準備は無駄にならない。そう意識して行うように工夫したのです。さらに採用を受けた場合は、より早いスタートダッシュにもつながります。筆者は今回の就職活動では、企業内のブログをよく読んでいました。「企業の性格」を知っておくことで、文章の言い回しや書き方の参考になるからです。
別の応募に向けて行動をした
もっとも現実的な方法ですが、待っている間に別の求人についての活動を進めることでも不安を解消させました。
筆者は、一度に複数の意識を持つことが苦手です。そのため本来は2つ、3つと同時に受けるスタイルが効率的なのですが、できる限り1つずつ丁寧に受けるスタイルを保ちました。就労移行支援に通っていた時も、そのようなわがままを聞いてもらっていたのです。
ただし例外として「待機時期」のときのみ、別の応募に向けて意識をしました。これは、「仮に落ちてもすべてが終わったわけではない」ことを事実として知っておくためです。
関連記事:【体験談】発達障害を持つ方が苦手な『マルチタスク』の困難解消法
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まとめ
いかがでしたでしょうか。
本来なら、「面接が終わったのだから、少しの間ゆっくり待っていよう」こういう気持ちでいたいものです。しかし、頑張っていればいるほど、就職したい気持ちが強ければ強いほど、不安になりますよね。
ですから、もし就活による不安を感じたら「いま、自分は頑張っているんだ」と少し自分を褒めてあげるタイミングなのかもしれません。就職まで辛い時期が続きますが、「満身創痍の状態で就職」とならないように、自分をケアしていきましょう。
【筆者紹介】
Salad編集部員。男性。1980年生まれ。広汎性発達障害、ASD(自閉症スペクトラム)の診断を受けている。HSP傾向も強い。想像し始めると止められないことがあり、思考のコントロールに苦労した経験がある。