アスペルガー、ASDは話が長い?話し続ける癖の原因と改善法3つ

不安でキリなく話し続ける癖がある

不安でキリなく話し続ける癖がある

コミュニケーションに対する苦手意識が強い

アスペルガー(症候群)は、現在は「ASD(自閉症スペクトラム)」という名称で診断されています。

ASDの特性は、主にコミュニケーションに対する困難を抱えることがあります。発言や行動を誤解されることがあり、かつ相手の言葉の真意を読み取ることが苦手なことから生じていることが多いです。

また、過去のすれ違い・食い違いの体験から、コミュニケーションに対する苦手意識が強いことがあります。

分かってもらいたいがゆえに、つい長く話してしまう

コミュニケーションに問題があると、「自分の話し方に原因がある」と考えることが多いのではないでしょうか。

そのため、元の内容に説明を「肉付け」しようとします。これが重なり、「話が長くなる」ことがあります。

結果的に相手に主旨が伝わりにくくなり、理解されないことでさらに説明を加える…という悪循環に悩むケースもあるでしょう。

話が伝わらず、「だ、か、ら~!!」などと怒っていませんか?

今回は、
○話がどうして長くなるのか、どうして話し続けてしまうのか
○話を短くしても伝わる方法はどのようなものなのか

について紹介します。

参考:ASD(自閉スペクトラム症、アスペルガー症候群)について| e-ヘルスネット(厚生労働省)

【アスペルガー、ASD】ずっと話し続けるのはなぜ?

【アスペルガー、ASD】ずっと話し続けるのはなぜ?

ネガティブで、説明を加えすぎてしまう

ASD(=アスペルガー)を持つ方はネガティブであるため、自分の話がしっかり伝わっているかどうかどこまでも疑ってしまう傾向があります。

すでに相手は理解しているのに、自分が「伝え切った」感覚を持てないとどこまでも話してしまいがちです。

相手の反応を参考にできない

相手の表情や反応を見れば、「自分の話がどれくらい理解してもらえたか」を感じることができます。しかし、ASDを持つ方は相手の空気や表情を読めない特性があり、相手の状況や反応を知ることが苦手です。

そのため、相手の反応を参考にして話し方を変えられません。これにより、分かってもらう方法が「話を増やす」のみになってしまうのです。

几帳面で、完璧に説明しようとする

几帳面で人によっては完璧主義なケースもあります。物事の細部まで「全て」を相手に話そうとしていませんか?

共感を求める方法として、「自分の全てを知っていてほしい」と願う傾向があります。相手が知らないことで損をすることや、責任を感じてしまうことを避けるためです。

しかし実際には一方的に話す形であり、相手は疲れてしまいます。

このような事情から、つい話や説明が長くなっていませんか?お互いの意思がうまく伝わらないことは、双方にとってストレスにもなります。

では、「話が長い」と言われたり感じたりしたときには、どのような心がけが必要なのでしょうか。

参考:人は誰でも失敗する | 東京発達・家族相談センター

「話が長い」と言われたら心掛けること

「話が長い」と言われたら心掛けること

1)一回を短く話し、話し掛ける回数を増やす

ASDを持つ方は、コミュニケーションが苦手です。そのため、つい人との会話を避ける傾向にあります。よって結果的に「一度にまとめて言ってしまいたい」という状態になってしまいがちです。

ですから対処として、一度に伝えることを短く・少なくしましょう。できれば一度の声かけで話すテーマは2つ以上伝えないことで相手への負担が少なくなります。

そしてその分を「話しかける回数を増やす」ことでカバーしましょう。はじめは辛くて抵抗があるかもしれません。しかし、実際には双方にとって負担がかかりにくい話し方なのです。

2)会話は自分一人ではなく、双方で組み立てるものと考える

「会話はキャッチボール」とよく言われます。頭ではわかっていても、それをどう会話に反映させるのかがわかりづらいことはありませんか?

これを分かりやすくいうと、「自分が伝えることでも、相手と一緒に組み立てていく作業と言うこと」です。

したがって自分一人で全部話そうとすると、会話の大事な作業の『半分』の機能を止めてしまうことになります。

ですから、会話の合間に「今の意味、分かりました?」など確認を入れるなどして、不安を解消させる(説明する必要をなくす)などの工夫をしていきましょう。

3)自己完結の意識を抑える

分かりやすい説明は「100パーセントすべてを伝えきる」ことで成立するわけではありません。会話の目的は「全部を言う」ことではなく、「相手の想像も含めて100パーセントになる」ことです。

ほとんどは長々と話した場合、相手には疲労しか残っていません。

ですから自分で完結させようとすることを控えましょう。自己完結の意識を抑えることで、相手が「どんな話なのかな?」と想像しやすくなります。

はじめは物足りない感覚があるかもしれません。しかし、相手の理解している反応を見ることで、解消されていきます。

参考:こだわり、不安がつよい:困りごとのトリセツ(取扱説明書)|発達障害プロジェクト|NHK

職場でのコミュニケーションで迷ったら、上司に相談してみよう

職場でのコミュニケーションで迷ったら、上司に相談してみよう

このような「職場での伝え方」など、ずっと悩んでいては心身の健康状態に支障をきたしてしまいます。ですから定期的に上司と相談する機会を設けてもらいましょう。こまめに意思の疎通を図ることで、悩みや問題を解決させるように心がけましょう。

もし、相談の持ち掛け方が分からない場合は、こちらの記事「【ASD・アスペルガー】悩み事を相談できない…きっかけの作り方4つ」を参考にしてみましょう。

参考:「助けて下さい」と言える力 | 東京発達・家族相談センター

どんなに工夫しても伝わらない時は、環境を見直してみよう

どんなに工夫しても伝わらない時は、環境を見直してみよう

どんなに伝え方を工夫して、話し合いを繰り返しても理解されないことで悩んではいませんか?

その場合、原因はあなたの伝え方・話し方が原因なのではなく、環境が合わないだけなのかもしれません。もしかしたら、あなたがそれほど話し方に悩まなくても伝わる環境が他にある可能性があるということです。

カスタマイズ就業」と言う言葉を聞いたことがありますか?

障害や個性を活かして、強みとして社会貢献する働き方です。「周囲と話す言語が違うんじゃないか…と思うくらい伝わらない」「もっと自分らしく働きたい!」と感じた方はSalad編集部にお声かけください。

参考:障害者の能力や強みを生かす「カスタマイズ就業」って? – 毎日新聞

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まとめ

いかがでしたでしょうか。

相手にしっかり伝わったか、つい自分の不安感を解消させようとしてしまいます。相手に伝えることよりも、自分がどれだけうまく話せるかに焦点を当てていませんか?

会話は話した時点で、自分の話題でも「相手と自分のもの」になります。ですから反対に言えば、あなた一人で責任を背負うことでもありませんから、安心してください。

これまで沢山自分の中で考えてきた分、今度は「分かりやすい説明」として活かせる日がやってきます。

【筆者紹介】
Salad編集部員。30代男性。30歳の時にうつ病を発症。のちの診察で広汎性発達障害、ASD(自閉症スペクトラム)の診断を受けている。繊細さ・敏感さを特徴とするHSPの特徴もあり、より「細かく長く説明するくせ」に悩む時期があった。「相手が自分の話に向かっている」「迎えようとしている」意思が見えたとき、長く話す癖に気づき、改善を心がけた。現在はテレワークにより、より自然体に近い形で働くことができている。

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