「ADHD」は、脳の神経伝達機能のズレ
ADHD(注意欠如多動性障害)とは
ADHD(注意欠如多動性障害)とは、
〇注意力の欠如
〇衝動性
〇多動性
の特徴を持つ先天的な脳機能の障害です。生物学の研究で、前頭前皮質及び頭頂葉・側頭葉のノルアドレナリン神経系や、ドパミン(ドーパミン)神経系に機能障害があると考えられています。
ただ、近年では脳機能の発達のズレとして、障害ではなく、あくまで人体(主に脳)の機能成長に大きな個人差が発生しているとの見解もあります。
「忘れ物が多い」、「同じミスを繰り返す」などに心当たりはありますか?これらはADHDを持つ方に多い悩みとして考えられています。今回は、「ADHDの症状は、どんな原因から発生する障害なのか」についてご紹介します。
そして改善する一番の方法は、「薬物療法」といわれています。現在抗ADHD薬として使用されている薬にはどんな作用があるのかをご紹介します。
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【脳内物質の働き】ADHDの症状が起きる原因は?
大脳の、前頭頭野の働きにかたよりがある
「前頭頭野」とは、人間の前頭部にある、大脳の一部です。ADHDを持つ方の脳は、この部分の働きにかたよりが見られるケースが多く見られています。
神経伝達物質の機能が弱い
脳内の「神経伝達物質」とは、脳内の神経細胞間でやり取りをする物質をいいます。
この物質であるドパミン(ドーパミン)やノルアドレナリンの働きが不足していると考えられています。分かりやすく説明すると、発信側の神経細胞から受信側の神経細胞に伝達する際に異常が起こります。これにより受信側に届く神経伝達物質が不足することで、ADHDの症状が起きると言われています。
親の遺伝や育て方、生活環境が原因とは言い切れない
現在の医学でADHDの発症については「親の遺伝の関係性がある」としています。
しかしあらゆる要因を踏まえたうえで起こる障害のため、現時点で「遺伝=原因」ではありません。また、先天的な脳機能の障害であるため、親の育て方や生活環境が原因でADHDになるということもありません。
ADHDの症状・原因を改善する薬
それでは、これらADHDの症状を起こす原因「脳内物質の働き」を改善する薬にはどんなものがあるのでしょうか。現在、抗ADHD薬には大きく分けて3種類あります。
1)メチルフェニデート塩酸塩
中枢神経を刺激し、精神活動を高める効果があります。抗ADHD薬として、特性として見られやすい『不注意』や『多動性』を緩和します。
脳内のドーパミン、ノルアドレナリンの再取り込みを抑え、神経伝達物質の働きを強めます。「受信先の物質に正しく情報が届くようにする薬」です。薬局では「コンサータ®」という名前で表示されていることもあります。
2)アトモキセチン塩酸塩
最近処方が認められた薬です。抗ADHD薬として使用されています。
脳内のノルアドレナリンの再取り込みを抑え、神経伝達物質の作用を強める作用があります。薬局では「ストラテラ®」という名前で表示されていることもあります。
3)グアンファシン塩酸塩
先に紹介した2つとは作用が異なり、脳内のノルアドレナリンを受け取る部分を刺激して、シグナル伝達を強化する働きがあります。薬局では「インチュニブ®」という名前で表示されていることもあります。
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診断に不安を感じていたらこちらもチェック
『自分は発達障害なのかな…』『自分がADHDだと診断されたらどんなことが変わるのかな…?』など、診断前には様座mな不安がありますよね。そのような不安を解消するために、診断を受けるメリットやデメリットについても知っておくことも大切なポイントです。こちらの記事「ADHDかもしれなくて不安…診断するメリット、デメリットは?」をチェックして、安心して診断を受けられるよう知識として役立ててみて下さい。
職場で悩む原因を改善するために、強みを活かして働くスタイルもある
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まとめ
いかがでしたでしょうか。ADHDの研究は現在も進んでいます。ですから今後、新しい原因が見つかるかもしれません。さらには脳内の原因は医学でしか改善できませんが、職場や生活の困難はあなたの工夫でも改善することができます。苦手部分を知り得意な部分を活かすのも、自身が生きていくための役目の一つです。自分の特性を理解して、「ADHDだったから活躍することができた」と思えるような仕事ができるよう心がけましょう。