待てないことで周囲に迷惑をかけてしまう
特性の多動性・衝動性が関わっている可能性がある
ADHD(注意欠如・多動性障害)は、発達障害の一種です。
仕事や日常生活の中で「落ち着きがない」「イライラしてしまう」ことで困難を感じることがあります。
これにはADHDの特性である「衝動性」「多動性」が関わっていることが多いです。
特性が「待つ」「我慢する」ことの苦手さにつながることもある
この「衝動性」「多動性」の2つが関わることで、じっとしていないといけないところで「待てない」ことや、我慢ができずについ「言ってはいけないことを言ってしまう」などのケースもあります。
それでは、なぜADHDの特性が「待てない」「我慢できない」につながるのか、詳しくご紹介します。
【大人のADHD】待てない・我慢できないのはなぜ?
作業の最中に、すでに次の行動イメージが浮かぶから
ADHDには「衝動性」「多動性」のほかに「注意欠如」という特性もあります。これはひとつの物事に集中や注意を向けることが苦手な特徴です。
そのため、
1、「注意欠如」で、行動中にも別のものが目につきやすい。
2、「衝動性」で、目についた時に行動に移してしまいやすい。
「多動性」で、1と2の行動を繰り返してしまう。さらにその行動をしている間にも、「注意欠如」で別の物事が思いついてしまう。
このような流れになってしまいます。アクティブな良さも持っていますが、待つことや我慢できないことで周囲を振り回してしまう問題があります。
興味が移りやすく、同じ場所に留まりにくいから
この注意欠如の特性の影響で、同じ場所(作業)に留まって集中することが苦手なのです。
頭の中では「次にやりたいことが溢れるように出てくる」わけです。それをそのまま垂れ流ししてしまってはいけない、と動きたくなってしまいやすいです。
押さえ付けようとすると、さらに欲求が強まる
このような我慢ができない行動を見かねて、周囲から「じっとしてろ!」「少しは我慢しなさい!」と言われた方もいるのではないでしょうか。
しかしADHDの持つ「衝動性」により、自分に都合の悪い言葉に対して衝動的に反発してしまうことがあります。言葉や態度に表さない場合でも、欲求としてたまっていくためストレスとなってしまうのです。
我慢せず行動し続けると、無駄な労力につながることがある
特に仕事では、単独で仕事を進めるというケースは少ないでしょう。ですからチームワークとして、「足並みをそろえる」ことも求められることがあります。
さらにその時は「良し」として行動したことでも、後から考えてみると無駄なことをしてしまっていた、というケースもあります。物事によっては依存症になってしまっている場合もあります。
いずれにしろ、待つ・我慢するためのコントロール法が必要になります。
待てない・我慢できない状態を改善する方法
事前に行動のフロー(流れ)を決める
「その場その場で」、「行き当たりばったり」の行動であれば、どう動こうと自由だと考えやすいです。
ですから『制約』として、行動のフロー(流れ)を決めておきましょう。特に仕事では周囲に迷惑をかけない工夫も必要です。自分で段取りや業務の組み立てができない…という場合は上司に相談してみましょう。
適度にその場に留まる・集中する工夫をする
落ち着きがなく動き回っていると、周囲を疲れさせてしまいます。反対に全く動かないと過集中になってしまいます。ですから適度に現在の場所(作業)に留まる集中力を身につけなければなりません。
こちらの記事「【ADHD】集中力アップにはコツがあった!?薬の服用も効果あり!」を参考にして、自分なりのコントロール法を身につけましょう。
欲求を抑えきれないときは、医師に相談する
ADHDの特性は、服薬により改善できることが多いです。どんな取り組みをしても我慢が抑えられない時は、一度医師に相談してみましょう。
関連記事:【医師に要相談】発達障害を持つ方にかかわる、服薬の効果と注意点
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まとめ
いかがでしたでしょうか。
特に仕事では、自分と職場環境が合わない場合に「我慢すること」が多くなります。当然、抑えることに意識が向き過ぎて本来の良さを活かせません。ストレスが溜まって心身に支障が起きやすくなります。
「カスタマイズ就業」という言葉を聞いたことがありますか?自分の個性を強みとして活かして働く、新しい働き方です。
あなたが今、「どうしてできないんだろう…」と悩んでいること、「こんな邪魔な特性があるから仕事ができない!」と不満を感じていることで、社会に貢献する能力に変わる可能性があるということです。
発想の転換、置かれる環境次第で、自分を活かす方法はたくさんあります。詳しく知りたいときは、Salad編集部までご相談ください。