ADHDは特性上一方的な会話になりやすい
特性上、会話の中でもバランスを保つことが苦手
ADHD(注意欠如・多動性障害)は、発達障害のうちの一つです。特徴として、「注意や衝動をコントロールすることが苦手」ということがあります。
これにより「集中が続かず、衝動に任せてコロコロ言動が変わってしまう」問題が生まれやすいです。
また、関心の高いことに関しては過集中になる傾向があります。これにより、自分がどれだけ話せばよいのかなど「会話の中でのバランスを保つのが苦手」なケースがあります。
関連記事:【発達障害】過集中には要注意!なりやすいケース、仕事中の対策は?
今回は、ADHDが会話の中で陥りがちな
○一方的に話してしまう
○「言葉遣いが悪い」と受け取られ、無意識のうちに相手を傷つけてしまう
特徴についてご紹介したのち、改善法をご紹介します。
会話が一方的になりやすい理由
1)関心のあることや好きなことを話せる衝動に任せてしまう
自分の好きな話題になると、「話さなきゃ損!」「話さずにはいられない!」というくらいに勢いよく話してしまっていませんか?
自分に自信がないと、「これを機に自分のことを知ってもらおう」という必死さが加わります。よって一方的な状態にしてしまいます。
2)過集中により、無意識のうちに話すことのみに集中してしまっている
ADHDを持つ方は、好きなことや関心のあることに関しては過集中なるケースがあります。集中しすぎてしまい、一方的な会話になることがあります。
なお、普段とのギャップが激しいと「好きなことにしか反応してくれない」と不満を持たれる要因になってしまいます。
3)話題展開が早すぎて、相手を聞き手に回してしまう
特性である「注意や関心がコロコロ変わる」ことで、話題もまたコロコロ変わることがあります。相手からすれば「えっ!?どうして今の展開でそうなるの?」と理解できないほどに話題が展開していくため、追いつきにくいのです。
さて、次に気をつけているはずなのになぜ「言葉遣いが悪い」と言われるのか。理由について解説します。
「言葉遣いが悪い」と言われる理由
1)思ったことをそのまま言ってしまうなど、はっきりした表現を使いやすい
ADHDを持つ方は、まだお互いの関係が浅い場合でも、自分の思ったことをそのまま言葉にしてしまうケースがあります。
「嘘をついていないのだから正しい」と考えていませんか?相手が弱っているときでも正論をかざすと、相手には「攻撃」としか感じられません。
また、ADHDを持つ方は「○か×か」などの明確な思考を好む傾向があります。そのため、自分でもはっきりとした表現を使って話していることが多いです。
言葉に曖昧さがなくはっきりしているため、言葉遣いそのものが丁寧でも、相手にはきつく聞こえてしまいます。
これらの要因が重なってしまうと、周囲からは相手を圧倒しているとも誤解されかねません。お互いが心地よく会話を進めていくために、どのような改善法があるのでしょうか。
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相手を傷つけないための話し方の改善法
1)障害特性の対策について、医師に相談する
【ADHDの対策全般】
まず、ADHDの特性が起こる原因は、脳内の神経伝達物質の働きが深くかかわっています。これを医師から処方を受けた薬を服用することで、正しく注意や集中をコントロールする効果があります。薬には、脳内の神経伝達物質の作用に貯億節働きかけます。
もし、現状自分の障害特性で悩んでいたら、医師に相談しましょう。
薬を調節することで、一方的な会話や衝動的な言葉遣いが改善される可能性があります。
関連記事:【医師に要相談】発達障害を持つ方にかかわる、服薬の効果と注意点
2)話し過ぎないよう、基本聞き手でいること。求められた時だけ話すようにする
【相手に求められたときのみ話し手に切り替える。同時進行で意識をしない】
「『一方的に話すな』と言われたけれど、黙っていては相手にも悪いしどんなタイミングで話せばよいか分からない」と考えていませんか?。
分かりやすい基準としては話し過ぎないように、基本的には聞き手でいることです。相手が「あなたはどうする?」「あなたはどう?」と聞いてきたときのみ話すようにすれば、一方的な展開になりにくいです。
3)自分の話で自分を知ってもらおうとしない
【会話は、双方が「相手を知ろう」という気持ちで成り立つもの】
自分を知ってもらう方法は、会話だけではありません。普段のあなたの態度や思いやりからも知ってもらう機会はあります。むしろそのような態度から印象を受けることのほうが多いです。
ですから会話は、「演説」ではありません。お互いがお互いを知ろうとする機会だということを覚えておきましょう。
4)自分が嫌だと思うことは言わない。言ってしまったらすぐに謝る
【あなたを傷つける意思がないことを明らかにすることが大切】
「相手を傷つけたくない。でも、何を基準してよいか分からない・・」という方も多いのではないでしょうか。そんな時は基準として「自分が嫌だと思うことは言わない」ようにしましょう。それだけでも、効果は大きいです。
それでも結果的に相手を傷つけることを言ってしまったら、素直に謝りましょう。相手を着つける意思はなかった旨が分かれば、相手の傷も少なくて済むからです。
関連記事:【発達障害】「ありがとう」「ごめんなさい」が言えない時の対処法
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まとめ
いかがでしたでしょうか。
一方的に話してしまった後、思わず口にしてしまった後、相手の反応に気づいて「しまった・・」と思う方もいるのでないでしょうか。
会話がある以上、完璧に相手を傷つけない方法はありません。しかし、「言葉遣いが悪い」と言われてしまうのは、あなたに「相手を大切にしよう」という意思が見えないからこそ感じることなのです。
自分一人で自分を伝えようとすれば限界があります。しかし、相手を知ろうとしていれば相手の数だけあなたを知ってもらえるということです。
ですから少しずつでも、相手の話に耳を傾けていきましょう。