【筆者紹介】
Salad編集部員。1980年生まれ、男性。公務員およそ10年、うつ病発症で退職後4年のリハビリを経て、民間企業(障害者雇用)でおよそ4年間勤務している。現在はテレワーク(在宅勤務)にて、主にSaladの記事制作を担当している。
仕事との付き合い方で常に行っていることがある
最初の職場で、うまく仕事ができなかった
筆者は1か所目の職場の最後に勤めた部署でうまく仕事ができず、うつ病を発症しました。原因は様々ありますが根本的には、
・自分には何が求められているのか
・自分はどこに向かっていけばよいのか
このような見通しが全く立たないまま「自分で考えて動く」ことを求められ、混乱したことが大きいのではと考えています。うつ発症の詳細については下記の関連記事を参考にしてください。
関連記事:【体験談】うつ発症から復職まで~30代男性のリハビリ生活4年間
関連記事:アスペルガーが悩む上司の『ダブルバインド』とは?体験から得た対策
以降、新しい環境に直面するたびに心がけていることがある
このような経験から以降『主体的に働く』ために取組んでいることがあります。今回は筆者の経験をもとに、主体的に働くために心がけていることについて紹介していきましょう。
【体験談】主体的に働く為に行っていること
新しい環境に直面したら、『ゴール』を確認する
転職や部署異動など、新しい環境に直面した際に考えられるおそれは以下の通りです。
①自分の感覚・解釈のみで行ってしまい、職場(上司)の方針と大きくずれてしまう
②何のために行っているのか、どこに向かっているのか、見通しが見えないために強い不安に襲われる
このようなリスクを考えています。そこで新しい環境に直面した時に行うのが仕事における『ゴール』の確認です。
・企業の『コンセプト』を確認する
・職場の目指す『目標』を確認する
・自分の行うべき『方向性』を確認する
この3つを行うようにしています。これを旅行で例えると
・コンセプト→行き先
・目標→移動手段
・方向性→方角
このように例えられるでしょう。特に自分の方向性が分からず、全く別の方向へ進んでいた…と取り返しが大変になる事態もあります。そのため、方向性に関してはこまめに確認するようにしています。
関連記事:アスペルガー(ASD)は暗黙の了解が苦手…曖昧な表現への対策4つ
業務の「対象」となる方から『ニーズ』を聞く
新しく担当業務を持つ際に特に行っていることです。最近ではなくなりましたが、よく自分が良しとして行っていることが
・自分のこだわりを全うしたいためなのか
・その業務を必要としている人のためのものなのか
この2つのどちらなのかが見えなくなる時がありました。これが前者であった場合、先ほどの『方向性』はずれていると言ってよいでしょう。
これを防ぐために、必ず業務の「対象となる方」もしくは「対象となる方の意見を聞ける立場にある方」の意見・見解を聞くようにしています。具体的には
・今業務に関わることで問題となっていること
・実際に生活の中などで悩んでいること
これらの内容についてです。前者は2か所目の民間企業で担当になった時、後者は現在の業務で行っていることになります。どちらも共通しているのは『ニーズ』を聞くということです。
自分の『ニーズ』は早めに伝える
また、反対に『自分がどうしていきたいのか』についてのニーズを上司などに早めに伝えるようにしています。これは自分の方向性が合っているのかの『確認作業』です。要は行う前に伝えるようにすれば、修正も可能です。
筆者自身「周囲やニーズとずれた行動をしやすい」ことを認識しているので、こまめに行うように心がけています。
取組みで感じているアスペルガーへの効果・メリットは?
上司の指示に依存するケースが減る
あらかじめコンセプトや方向性などが合っていると知っていれば、上司の指示がなくてもこちらで考えて行動できるケースも増えてくるのです。上司の忙しいときなどに何もできないということがなくなるため、結果的に業務がスムーズに進みやすくなっています。
またコンセプトや方向性がずれていなければ、上司の指示やマニュアル以外の行動もできるようになっていきます。これにより、新しいアイディアや改善策なども生まれやすくなると感じているのです。
ストレスが緩和される
アスペルガー(ASD)を持っていると、とにかく『見えない』ことに不安を抱きやすいです。先が見えない、意図が見えない、自分の不安の元が見えない…など、明確にならないことで不安になりやすいことがあります。
これは筆者にあっても同様で、はっきりしないことがあるだけストレスになっていくことが多いのです。ですから上記の取組みでもって
・コンセプトやテーマを確認して、「何のために頑張るのか」をはっきりさせる
・相手のニーズを確認して、「自分は間違いなくできている」とはっきりさせる
・自分の方向性を確認して、「ずれていない」「ずれを調整できている」ことをはっきりさせる
このようにできる限り明確にできるものを増やしていくことで「曖昧さ」からくるストレスが緩和されます。
今後、主体的に働くことはさらに重要になると意識している
今後、主体的に働くことはさらに重要になると意識しています。それは
・労働者の人口が減り、指示するポジションや管理するポジションの負担が大きくなる
→細かく指示をもらう機会が少なくなる
・多様な価値観を持つことが浸透し、個々の考え方を活かしたワークスタイルが求められる
→自分の発想や個性で、企業のニーズをクリアする場面が増えてくる
このように感じているからです。これまで社会や企業から求められていたのは「指示通りに行動する人材」でした。しかし現在は、主体的に行動できる人材を求めるように変化してきています。
参考:あたらしい時代に求められる「9つのワークスキル」 | TABI LABO
参考:「自主性」と「主体性」【社員教育相談室】
主体性について悩んでいたら、Saladまでご相談ください
さて今回は、主体的に働く為に行っていることについて紹介してきました。主体的に行動できるようになることで、様々なメリットもあります。
『それは分かっているけれど、そう言われても主体性の身につけ方が分からない…』
『自分の考えで行動すると、周りから怒られるかもしれない…』
主体的に動ければどうなるかを知っていても、このような不安から実行に戸惑ってしまうこともありますよね。そのようなときはSaladにご相談ください。
障害を持つ方が主体性を身につける方法の一部に、
・就労移行支援事業所で、主体性についてトレーニングする
・自分の得意なこと、好きなことを仕事に活かすなど、進んで行動しやすい環境で働く
これらの方法があります。Saladでは
・就労移行支援事業所に関する情報提供
※こちらで、Saladが取材にお邪魔した就労移行支援事業所の情報を紹介しています。
・強みを活かして働く「カスタマイズ就業」に関する情報提供
※Saladで取り扱っている、カスタマイズ就業に基づいた非公開求人ページはこちら
この2点についてサポートさせていただきます。
ご相談・ご質問、その他お問い合わせはこちらのお問い合わせフォームからご連絡ください。お待ちしております。
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まとめ
いかがでしたでしょうか。
主体的に働くことのもう一つのメリットは、「働く実感が持てる」ということです。何となく生活の為に働いていたときより、充実感を持てるようになりました。もちろん体調も乱れにくくなっています。
今後長く働く為にぜひ、今回紹介したポイントを参考にしていただけると幸いです。