採用面接で、ユニークな質問を受けたことがある
障害者雇用の面接で、予想していなかった質問を受けた
筆者は障害者雇用の就職活動で、採用面接や合同面接会など、さまざまな「面接」を経験しました。そのほとんどが下記のような質問内容でした。
・企業の方の事業説明
・前職を辞めた理由や経緯
・履歴書や職務経歴書の記載事項についての質問(主に、前職での経験)
・企業のホームページなどに公開されている項目についての説明
このような内容の質問が主でした。ただしこれは今からおよそ5年以上前のことで、今と比較して障害者雇用を理解している企業が少なかったことも考えられます。そのため、今では上記に加えて「障害により苦労していること・企業にサポートしてもらいたいこと」が加わるのではないでしょうか。
しかし、筆者は一度だけ予想外である「ユニークな質問」を受けたことがあります。質問と言うよりは、面接そのものがユニークだったという認識です。
うまく答えられずに、深く落ち込んだ
筆者はこの「ユニークな質問」に対して、全く答えられませんでした。こちらの記事で就職活動への自信を失った経験について紹介していますが、これからお話しすることはその「面接での経験」です。
答えられなかった理由は何より「どこを調べても絶対に準備できない質問内容だったから」です。今回はそのような採用面接でのユニークな質問に対してお伝えします。
・ユニークな質問はどのような質問なのか
・どうして答えられなかったのか
・ユニークな質問・予想外の質問にはどう対応すればよいのか
この3点について紹介していきます。
【体験談】採用面接で受けた「ユニークな質問」
これは全て特例子会社を応募した時、二次面接である社長面接の際に受けたことです。ちなみに一次面接は人事採用担当の方との面接で、一般的な質問のみでした。
『子供のころ、どんな子供だった?』
最初の質問が、これでした。この質問に驚き、後の質問に答える冷静さを失ったこともありました。厳密には、「生まれた時、どんな子どもだった?」から始まり、これに続いて「幼稚園のころ、どんな子供だった?」小学校、中学校、高校…と順に聞かれ、社会人になるまでの経緯を答えたのです。
当時経験したことやその時に感じた困難なども併せて答えたのですが、返答はすべて「そんなことは大した問題ではない」でした。結局、向こうが何を知りたかったのかは今でも分かりません。
『職務経歴書にある業務について教えてください』
質問だけをピックアップすると、どの企業でも聞かれる可能性はあるでしょう。ユニークなのは、『とにかく細かく聞いてきた』ことです。
「~業務」と書かれていたら、それは具体的にどんなことをしてどんな成果があったのか、職場の中でどのようなポジションを担っていたのか、課題や問題に対してどんな取組をして、どんな効果があったのかなどをポイントだけでなく、経緯まで30分以上答えることとなったのです。
自分の経験したことを正直にお伝えしましたが、この返答も「大したことではない」でした。
『自己啓発はしているか』
この言葉の意味が全く分かりませんでした。本来であれば、「『自己啓発』とは何ですか?」と聞き返すべきなのですが、当時の筆者は「分からないのは申し訳ないこと」と思い『海岸に行き、ゴミ拾いのボランティアに参加しています』と答えたのを覚えています。しかしこれも「そういうことではない…」という表情をされ、反応は良くありませんでした。
『読書をしているか』
当時はうつ病が治りかけ、もしくは回復したばかりのころで本を読むのもつらかったのですが、それでもある程度の読書はしていました。自分を高める意味で、このころはスポーツ選手や芸能人のエッセイをよく読んでいたのです。これをそのまま答えたところ、何が正解かも言わず「(本を読んでいないんだね)もっと本を読みなさい」と言われました。これには、面接と言えど、エッセイを本として認めていないことに怒りを覚えたほどです。
このような質問・応答が2時間ほど続きました。その前に応接間で同じく2時間ほど待っていたため、計4時間終わった際には疲労困憊でした。
参考:採用担当10人が答えた!面接で変わった質問をする意図と質問例10選 | 就活情報サイト – キャリch(キャリチャン)
「ユニークな質問」と感じたのは原因がある
今から考えると、この時受けた質問には疑問に感じることがあります。それは
・相手が何を求めているのか、意思表示が明らかでなかった(聞いてくるのみだった)
・読書や自己啓発など、結果的にどんなスタイルを求めているのか「正解」を教えてもらえなかった
・その他「うちはこういう人材が欲しい」など、企業側のニーズが全くなかった
そもそも「ユニーク」と感じたのは、このような疑問を感じていたからかもしれません。面接終了直後はただただ否定された感覚しか残らず、「あの人の下では絶対働きたくない」と感じました。
予想外・ユニークな質問に対してどう対処すればよいの?
これから就職活動に取り組んでいる方には、不安にさせてしまったかもしれません。しかし、このような質問を受けた時に
・どう対処すればよかったか
・どんな準備をすればクリアできたのか
これらについても、長い年月をかけ、今になり気づけるようになりました。以降、その対処法についてお伝えします。
ユニークな質問・面接に対する対処・準備
主体的に考える
ここでいう「主体的に考える」とは、
・企業が抱える課題・問題について自分の意見を持つ
・自分の理想としている働き方に関して見解を持つ
このような考え方になります。どちらも当時の筆者にはありませんでした。だからこそ、調べたもの以外=予想外につながってしまったのかもしれません。もし主体的に考える癖がついていたら、覚えたもの以外でも持っている意見を伝えることでクリアできたかもしれないのです。
企業が抱える課題に対してどう意見やアイディアを持つべきか。こちらの記事を参考に、主体的に考える癖を心がけてみましょう。
関連記事:障害者雇用の面接対策。企業に提案する仕事内容作りで取り組んだこと
逆質問する癖をつける
面接官も人それぞれで、伝えている主旨が分かりづらい方や曖昧な表現をされる方もいるかもしれません。この様なときにこちらからも質問する「逆質問」の癖をつけておけば、質疑応答での「ずれ」や「すれ違い」をなくせたかもしれません。
逆質問について詳しくはこちらの記事を参考にしてみましょう。
カスタマイズ就業で、自分のニーズに合う就職を検討してみよう
今回お伝えしたような「すれ違いや理解できないことが多い」面接を繰り返してしまうと疲れてしまいます。これを防ぐには、初めから双方のニーズが合った就職を意識することです。お互いの意思が合う企業に応募することで、そのヒントとして『カスタマイズ就業』というワードを覚えておきましょう。
これは障害を持つ方が企業に仕事内容を提案するスタイルをもとにした「強みを活かす働き方」です。応募者と企業のニーズが合うことで面接ですれ違うリスクも減り、就職後もより活躍しやすくなるかもしれません。
Saladでは、このカスタマイズ就業に基づいた非公開求人も取り扱っております。興味がありましたらぜひこちらからアクセスしてみてください。
その他ご不明な点、お問合せ・ご相談はSalad編集部までお声かけください。
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まとめ
いかがでしたでしょうか。
お伝えしたいこととして、当時「もっと本を読みなさい」とまで言われた筆者が、今文章を書く仕事をしています。ですから面接で言われたことは「全て」ではなく、その人やその企業のいち見解でしかないと感じているのです。
就職活動の中で、沢山厳しいことを言われるかもしれません。それでも面接で受けたことにできるだけ一喜一憂せず、さらに合う環境があると意識を切り替えることを心がけてくださいね。
【筆者紹介】
Salad編集部員。1980年生まれ、男性。ASD(自閉症スペクトラム)を持ち、HSP傾向も強く持つ。面接の閉鎖された空間自体、あまり得意ではない。