『個別性を活かす』とはなに?
Saladは、個別性を活かした働き方を大切にしています
Saladを運営していますノウドー株式会社は、『障害を持つ方の個別性を活かし、それぞれの特徴や役割を活かして働く』スタイルを大切にしています。
障害を持つ方が本来持っている『強み』を活かす『カスタマイズ就業』をもとに、個別性を活かすことで双方(働く方と雇用主)のニーズを満たしていくことが目的です。
個別性って、具体的にはどうなの?
さて、記事を読んでいるなか『あなた(筆者)はどうなのか』『個別性を活かせている実感はあるのか』筆者自身の個別性について疑問に感じた方もいるのではないでしょうか。
そこで今回は、筆者が過去に体験した働き方と比較しながら、個別性が具体的にどのように活かされるかを解説していきます。
【個別性を活かす】筆者が活かす『個性』とは?
まず、筆者の活かす『個性』について紹介しましょう。
発想力
筆者が強みとして活かす個性の一つが『発想力』です。もともと周囲から情報を受けやすい特性もあり、自然にアイディアを生みだすことが得意です。大人になり様々な経験を積むなかで建設的な形として表現できるようになりました。
またASD(自閉症スペクトラム) を持っており、一般的にいう「空気が読めない」点があったからこそ、他者が目につかないポイントにも目につくことができると認識しています。
関連記事:ASDを持つ方が「空気読めない」と言われるのはなぜ?改善法は?
思考、行動の細やかさ
もう一つ、『思考や行動の細かさ』です。これにより細かい作業や地味な作業でも持続できること、HSP傾向が強く他の方が気づかないポイントに気づきやすいことがあります。
筆者は主にこの2つを『個性』としているのです。下記の関連記事において、どう個性を提案していったのかプロセスについて紹介しています。併せてチェックしてみてください。
参考:HSP(ハイリー・センシティブ・パーソン)とは?その特徴や症状|心療内科・精神科|うつ病治療の新宿ストレスクリニック
関連記事:障害者雇用の面接対策。企業に提案する仕事内容作りで取り組んだこと
では、どのようにこの『個別性』が活かされているのか。筆者が過去に体験した2つの職場と比較しながら紹介していきます。
【体験談】職場での個別性の活用例
最初の職場での個別性
最初に勤めた職場は、規律が厳しいところでした。そのため、ひとりひとりの個性よりも『統一させること』を重んずる職場だった印象があります。
【発想力について】
アイディアは業務の細かな問題を解決する際に役立てられました。しかしそれはわずかで、ほとんどは『指示通り』『みんなと同じように』行うことを求められたのです。そのため、トータルで考えると、『不完全燃焼』という感覚が残っています。
【思考・行動の細やかさについて】
細やかさに関しては後輩の面倒を見ることや、事務の仕事の中でうまく活かすことができていました。また、反対に事務の仕事をすることで細やかさが強まったことも考えられます。
しかし、細やかさゆえに他人の発する負の感情に関してのストレスを強く受け、うつ病発症につながりました。
関連記事:【体験談】うつ発症から復職まで~30代男性のリハビリ生活4年間
関連記事:【体験談】HSPの「人の気持ちへの敏感さ」とは?『第六感』なの?
【その他の影響】
仕事の性質上隙を見せてはいけない部分が多いため、どんなことも平均的にこなせるスキルを求められたのです。そのため、何か一つ飛び抜けたものがあっても『~ができない人』という視点で見られてしまっていました。
筆者の場合車の運転がどうしても苦手で、練習を重ねたのですが一向に上達しないことに悩んでいました。できないのに求められていたことも、うつ発症の一因であったと認識しています。
2か所目の職場での個別性
うつ病のリハビリを経て、就労支援センターの支援を受け障害者雇用(パート社員)として民間企業に就職しました。業務内容は事務職で、内部書類のチェックや関連データの管理などです。
【発想力について】
最初の職場より発想力は活かせました。
これは
・自身が障害を持っているなど、特性を自覚している
・職場が自身の障害特性を自覚している
この2つの要因が大きく影響しています。改善すべきこと、問題を解決するにはどうすればよいのかを考えるのに「アイディア」を活かしました。
しかし、アイディアにかかる労力と比較して、得られる成果や評価は感じられませんでした。むしろ『出る杭は打たれる』印象が強く、周囲とうまく関われないことにもつながったからです。
【思考・行動の細やかさについて】
細やかさに関しては、
・事務の書類やデータのチェックを素早く正確に行えたこと
・後輩が悩んでいたり、苦しんでいたりするときにいち早く気づける
このような場面で活かせました。特に2つめ「気づける」に関して強く活かせました。障害者雇用の後輩で自分の意思をうまく言えない方の雰囲気を読み取り、こちらから声をかける、上司へのつなぎ役になるなどの役割を行っていました。
しかしこの時も周囲の負の感情の影響で、当事者でないのに精神的に追い詰められてしまうこともあったのです。
【その他の影響】
障害者の良さを活かすというよりも、「苦手なことを頑張って克服してみよう」という考えが強かったです。そのため「苦手を得意でカバー」しようとすると、「~ができないくせに」という批判の目で見る方もいました。
筆者の場合で言うと、「電話も取れないくせに、生意気だ」と言った形です。『良い社員』の基準が画一されており、個別化とは異なる印象を受けたため転職を決意しました。
現在の職場の個別性
現在は、障害を持つ方の「働きたい気持ちをサポートする」企業のライターとして勤務しています。もともとブログやクラウドソーシングで文章を書く機会が多かったこともあり、就職に臨みました。
【発想力について】
これまでアイディアは『あれば良い時もある』くらいのものでした。しかし、今の文章を書く仕事は、『アイディアがないとできない』仕事です。
もちろん全て自分の発想で行うわけではなく、制約はあります。しかし、
・コンセプトや方向性に合う記事テーマを探すこと
・ユーザーにどのような影響があるか、関連性を踏まえること
ここには『アイディア』が必要なのです。したがって『自然に出したいものを求められている』という点で、自分の個性を活かせていると感じています。
【思考・行動の細やかさ】
細やかさは「文章」に反映させています。『こう話したら読み手はどう返してくるだろうか』という心情を予測して、その回答も文章に込めるようにしています。これによって記事全体が平面なものから、読み手も加わった『立体的な内容』に膨らむという認識です。
HSPの『共感性の強さ』をうまく活かせていると感じています。
【その他の影響】
テレワーク(在宅勤務)で業務をしています。そのため最もストレスになっていた『周囲の負の感情』はありません。したがって『特性による悪い影響を最小限にし、良い部分を最大限に活かす』ことができていると認識しています。
仕事・働き方に悩んでいたら。『Salad』が強みを活かす就職のサポートをします
まとめ
いかがでしたでしょうか。
個性を活かしたいからこそ『どこでもいい』わけではなく、自分と相手を理解し双方がマッチする方法を選び出す工夫が必要なのではないでしょうか。適応するのが大変な分、ニーズがぴったりとはまった時に大きな力を出せると信じて日々業務を行っています。
【筆者紹介】
Salad編集部員。1980年生まれ、男性。ASD(自閉症スペクトラム)とHSPを併せ持つ。公務員およそ10年、障害者雇用として民間企業におよそ4年勤務している。現在、テレワークとしてライター業務を行い8カ月が経過している。