WhyとHowの違い。発達障害のストレス改善で心掛けていること

思い通りに進まず、ストレスがたまる…

WHy?と疑問が不満に変わり爆発する男性

他人の気持ちが理解できない

仕事など、他者とのコミュニケーションにおいて理解できない、納得できないことに直面するときがあります。

「『何で』あの人は分からないんだ!」
「『どうして』話が噛み合わないの!?」

このように意図が噛み合わないことでストレスがたまることはありませんか?また、自分の目標にうまく辿り着けないときなども同様です。これにより他者や自分自身を責めてしまうことにもなりかねません。

発達障害は、ストレスを感じやすい

特に発達障害を持っていると不安やこだわりが強いため、「正しいはずなのにどうして?」という思考になる傾向があります。

自分と違う価値観を「違い」として捉えず、「良いか悪いか」で判断する『白黒思考』になりやすいため、ストレスに発展してしまうのです。

参考:こだわり、不安がつよい:困りごとのトリセツ(取扱説明書)|発達障害プロジェクト
参考:発達障害とは | 中央大学

関連記事:発達障害を持つ方が「白黒思考」に苦しむのはなぜ?職場での予防法

ストレス改善・対策のため、思考法を工夫している

WhyとHowの違いを理解し、喜怒哀楽のコントロールができている男性

Why、Howの使い方に注意している

筆者も発達障害の一つ、ASD(自閉症スペクトラム)を持っています。かつては自分ルールに縛られて、さまざまなストレスに悩んだこともありました。

このようなストレスによる不調を多く経験した結果、改善を考えたのです。

その一つが今回お伝えする思考のくせ『Why(なぜ、どうして)』と『How(どのように)』の使い方になります。

疑問に対しての言葉だが、違いを感じている

この2つ、さほど違いを感じないと考えた方もいるかもしれません。これは筆者のケースですが同じ物事を受けるとき、WhyかHowの違いで

・かかるストレス
・受ける感情
・思考の偏り方

これらに違いを感じています。では、この違いについて詳しく解説しましょう。

参考:ASD(自閉スペクトラム症、アスペルガー症候群)について| e-ヘルスネット(厚生労働省)

【体験談】Why、Howによるかかるストレスの違い

過去に起きたことの原因に悩む男性

Whyは、過去に意識が向きやすい

Why(なぜ)』は、考える対象が原因になるケースが多いです。原因を知るために、過去に起きたことについてどのように起きたかを考えることになります。

Why?と疑問を投げかけること自体はとても大切です。しかし、過ぎたことに対して何度も「なんで?」と投げかけても結果は変わりませんでした。これは起きたこと自体が変わることがないため、考えるたびに解決や結論が見えないことを意識するようになります。これにより、曖昧さが募りストレスや不安を溜めることが多くありました。

Whyを使いすぎると、建設的な思考になりにくい

今お伝えした通り『Why』は、過去に意識を受けるケースが多いです。そのため、「これからどうしようか」という現在や未来に向けた思考になりにくい印象がありました。

したがって「How」と比較して「Why?」を多用すると気持ちがネガティブになりやすく、建設的な思考になりにくいと感じています。

Whyより、Howのほうが具体的な結論に辿り着きやすい

反対に『How』は、「どのように~」という思考です。この場合起きたことではなく、現状を受け止め、今以降どうしていこうかという思考になりやすい印象を受けています。

起きたことに対して「Why=なんで?」と問いかけても明確になるケースは少ないです。特に思考の対象が「他人の思考」の場合、永遠に答えが出ないこともあるでしょう。筆者の持つASDの特徴も関わり、明確にならないものが増えるほどかかる負担は大きくなっていきました。

これを『How=どのように』という思考に切り替えることで、答えの出ない『曖昧な』悩みから『具体的な対策』に思考をスイッチすることができるのです。

関連記事:アスペルガー(ASD)は暗黙の了解が苦手…曖昧な表現への対策4つ

Whyを多用すると、感情のコントロールが難しい

「Why?」は、対象を考える際に感情を伴いやすいと感じています。

例えば、相性の悪い人とのコミュニケーションで説明しましょう。自分とは相性が悪く、何かと会話や意図が噛み合わない人がいたとします。筆者の場合、自身のうつ病発症の原因となった上司などがそうでした。さて、話が噛み合わない時、

「『なんで』あの人は分からないんだ」
「『どうやって』分かってもらおうか」

この2つのパターンで、どちらの言葉に『怒り』を感じやすいですか?筆者の場合、これが「Why(なんで)」なのです。したがって筆者にとって「How」という言葉は、精神状態を落ち着かせてくれる効果もあります。

参考:感情をコントロールできない:困りごとのトリセツ(取扱説明書)|発達障害プロジェクト|NHK

Why・Howの違いを理解し、バランスを意識している

WhyとHowのバランスについて考える男性
このように「Why」を多用することによってストレスをためやすい、とお伝えしました。しかし反対に「How」ばかり考えて原因に全く触れないことも問題ではないでしょうか。

確かに筆者の場合は、答えがはっきりするまでどこまでも考えてしまうため「Why」をよく使いがちです。しかし楽天的に考えすぎて「How」ばかり意識し「Why」を無視してしまうことも、事実に辿り着かないと考えています。

したがって、「Why」「How」をバランスよく使うことが、ストレス改善に繋がるのではないでしょうか。では、次にそのようなことも踏まえた筆者が意識している「Why・Howを使い分けるコツ」についてお伝えします。

参考:4 ストレスへの対処:ストレス軽減ノウハウ|こころの耳:働く人のメンタルヘルス・ポータルサイト

【発達障害のストレス改善】Why・Howを使い分けるコツ

WhyとHowの使い分けについて考える男性

Whyは、『気付き』を増やすために使っている

繰り返しになりますが、「Why」は、一般的に物事の原因を知りたいときに使うものです。ですから現状の思考では進展がない、解決されないと考えたときに「Why?」を使って疑問を持つようにしています。「Why」でもって、気づきを増やしたいときに使うのです。

注意点として、多用すると感情が高ぶるのため回数や限度を決めて原因を考え直すように心がけています。

既に気付いていることには、WhyではなくHowで考える

既に過ぎたことで、原因がどうしてか気づいているのにいつまでも「Why?」と疑問を持つことがあります。主に、自分が納得できないことに直面した時などはいつまでも原因を探すことで目の前の事実から目を背けたくなるものです。

これを防ぐために、既に原因などに気づいているものに関しては「How」を優先して使うように意識しています。

他者へ感じたWhyを、Howに変換する

他人の態度や言動からストレスや不満を持つケースがあります。「どうして彼はあんなことをするんだ?」「どうしてあの人はひどいことを言ってしまえるんだ?」など、受けたことを何度も反復することでストレスをためてしまうことがあったのです。

これを防ぐために他人に対して「Why?」を感じたら、意識的に「How」に切り替えて、現在以降の対策に意識をスイッチするように心がけています。

Howでうまくいかないときに、Whyで考え直してみる

「How」で意識した行動でうまくいかないとき、自分の判断や行動に原因があるかもしれません。このような「原因」を知りたいときに「Why」を使うのです。

「How」で前ばかり向いてしまうことで周りが見えなくなることで周囲に迷惑をかけてしまうリスクも感じています。よってバランスを保つ意味で「Why」を使うケースもあるのです。

参考:こころと体のセルフケア|ストレスとこころ|こころもメンテしよう ~若者を支えるメンタルヘルスサイト~|厚生労働省

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まとめ

思考のコントロールを心がけ、リラックスする男性
いかがでしたでしょうか。

今回お伝えしたことは、思考の中のほんの小さなことに過ぎないかもしれません。しかし、このような小さなことの積み重ねで健康的に、より自分を活かした生活につながるのではと考えています。

他者へのストレスが溜まる、自分の目標や意図通りにうまくできないなどの悩みがあるときは、ぜひこの記事を参考にトライしていただけますと幸いです。

【筆者紹介】
Salad編集部員。30代男性。広汎性発達障害、ASD(自閉症スペクトラム)の診断を受けている。この考え方は、障害を持たない妻にも勧めている。

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