HSPは、職場環境がストレスの原因になりやすい
繊細な特徴を持ち、気配りができるなどの長所もある
HSPは「Highly Sensitive Person」の頭文字を取った略称で、「とても繊細な人」を意味する心理学用語です。
そのため病気や障害とは異なり人の気質や性格の特徴を指す言葉として使われています。さまざまな情報をキャッチできる特性を持っているケースが多く、気配りなどの「きめ細やかさ」があることが長所の一つです。
参考:HSP(ハイリー・センシティブ・パーソン)とは?その特徴や症状|心療内科・精神科|うつ病治療の新宿ストレスクリニック
参考:HSP診断テスト – 選ぶだけの簡単セルフチェック
職場などで気配りをするために、「気疲れ」が激しいことがある
しかし、この気配りをするために消費するエネルギーがとても大きな場合があるのです。些細なことにも気を配るために、想像以上に気を遣い過ぎてしまう事態もあります。これにより、職場や私生活の中で無意識のうちに気疲れをしてしまうケースが出てきてしまうのです。
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そこで今回は、HSPの方が職場で発生するストレスを緩和する手段になるかもしれない、新しいワークスタイル『ワーケーション』について紹介していきます。
新しい働き方『ワーケーション』とは?
ワーケーションとは?
「ワーケーション」とは、「ワーク(Work、仕事)」と「バケーション(Vacation、休暇)」を組み合わせた用語です。その名の通り、『休暇を取りながら仕事をする』スタイルです。もともとは働き方改革により『有給休暇を取得できない問題』の対策として生まれた考え方ですが、現在では敢えて違う環境で仕事をすることで、クリエイティブな発想を生み出す手段としても注目されているのです。
参照:「働き方改革」の実現に向けて-政省令告示・通達 |厚生労働省
参考:「働き方改革」を実現させるワーケーションという働き方 | 自治体通信Online
日本では主に休暇を取得し、旅行先で仕事を行うスタイルとなる
日本でも様々な企業がワーケーションを導入しようと取り組みが進んでいます。オフィスから離れた場所で仕事のやり取りを行うため、必然的にメールやチャットなど、ICT(情報通信技術)を活かした働き方になります。このICTを活用し、テレワークをもっと浸透させるようノウハウを得ていくというのも、ワーケーションの目的の一つです。
HSPがワーケーションを行うとどんな効果があるの?
それでは、HSPの性質が強い方がワーケーションを行う場合、どのような効果があるのでしょうか。HSPの特徴を踏まえながら効果を紹介していきましょう。
【HSP】ワーケーションにより職場環境が変わることの効果
一人で仕事を進められるため「充電期間」として活用できる
HSP性質が強いと、人と触れ合っているだけで疲れてしまうケースがあります。他人の感情に敏感なことや多くの情報をキャッチしてしまうことでストレスを感じてしまうケースが多いのです。これにより、体調を崩してしまうこともあります。
これらを解消するためには、「一人の時間」が必要になるのです。しかし、疲れるたびに休養していると仕事が進まなくなってしまうことがあるでしょう。また、職場のことが気になって反対に休まらないかもしれません。
ワーケーションは、このような「情報過多」の環境から離れ、一人で仕事を進めていくことが多くなります。よって『充電しながら仕事を進められる』効果が期待されるでしょう。
関連記事:【HSP体験談】人混みや集団に疲れたら「一人の時間」でケアしよう
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他人の感情を伴わずコミュニケーションができる
HSP気質が強いと、相手の表情や語気はもちろん『なんとなく不快な感情』を感じて具合が悪くなることがあります。これは自身が当事者として関わっていなくても同様で、全く関係のない対人関係から不調を招くこともあるほどです。
全く関係のない事情から不調を招くので、
・周囲が不調の原因に気づきにくい
・周囲の理解を得にくい(自分には関係ないことなのだから気にしなければよい、など言われてしまう)
上記のような辛い思いをしたことがあったかもしれません。
ワーケーションでのやり取りは、メールやチャットなどのICTがメインです。そのため周囲の関係ない「負の感情」はもちろん、やり取りのなかでも感じるケースが少なくなるでしょう。
HSPはこのような「自分に必要な情報を選ぶこと」が難しいときがあります。そのため、コミュニケーションの手段やタイミングが限定されることによってストレスが緩和されるかもしれません。
新しい環境から情報をキャッチして、斬新な発想につながりやすくなる
HSPの特性が強いと、様々な情報をキャッチできることから斬新な発想やクリエイティブな提案を生むことが得意な場合があります。
職場を離れ普段と違う職場環境に身を置くことで、このような発想が浮かびやすくなるのかもしれないのです。
ワーケーションで注意するべきことは?
『休暇である』ことも忘れないこと
ワーケーションは異なる環境で仕事ができる方法でもありますが、同時に勤務時間外は『休暇』として生活します。仕事が気になり過ぎて延々と仕事をしてしまうなどをしてしまうと、ワーケーションとして成立しなくなってしまいます。周囲に誰もおらず、リラックスできるために時間を忘れて集中してしまうこともリスクとして挙げられるでしょう。
このような事態から体調が悪化してしまわないように、『仕事』と『休暇』のバランスを保つ意識を持つことが必要になってきます。
生活リズムを保つ
宿泊先で一定期間過ごしますから、生活リズムが崩れてしまうおそれがあります。このようなリスクを防ぐために、ワーケーション中のスケジュールを定め、定期的に職場と共有しておくことが大切になります。
オフ中に対応することがないようにするためにも、しっかりと双方のタイムスケジュールを共有しておきましょう。
旅行先の気候、周囲の雰囲気などを確認しておく
気候の変化や雰囲気によっては、体に合わない事態もあるかもしれません。さらには通信環境などで、充分なやり取りができない事態も考えられます。
あらかじめ旅行先がどのようなところなのかを調べたり、職場に確認したりなどして、事前に不安を解消させておきましょう。
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まとめ
いかがでしたでしょうか。
今後は体調不良の際や心身の疲労で十分なパフォーマンスができない場合の改善策として、『休みながら働く』ワーケーションがどう関わって来るのか。まだワーケーションは生まれて間もない考え方で、現在も試行錯誤が進んでいます。
今後の働き方を豊かにする手段として、ワーケーションという新しいワークスタイルを覚えておきましょう。