何のために仕事をしているのか分からない
それとなく仕事はできている
障害を持つ方の中には、障害者雇用で仕事をしている方もいるのではないでしょうか。中にはクローズで障害を公開せずとも頑張れているケースもあるかもしれません。
苦手なことも周囲の方のサポートを受けながら、もしくは努力を重ねたことでこなせるようになっていることもあるでしょう。
でも、何がしたいのか分からない…
それなのに、どうしてかやりがいを感じていないことに悩んでいませんか?
『努力して、ひととおり問題ないくらいまで上達できた。できないことがなくなった後、何をしたらよいかわからなくなった』という虚しさに遭っているかもしれません。
時には怒られながら、苦労しながらなんとか『苦手を埋めてきた』のに、ちっともやりがいを感じていない。そのような悩みを持っていたら、『エッセンシャル思考』の出番かも知れません。
さて、その「エッセンシャル思考」とは、どのような考え方なのでしょうか。
エッセンシャル思考で、本質の目標を見直してみよう
エッセンシャル思考とは
『エッセンシャル思考』とは沢山の物事や選択肢の中から、少しの本質的なことだけを選び取っていく考え方です。
情報過多に溢れている今、活きる(生きる)本質が分からなくなることはありませんか?テレビやインターネットで「あれもよい」「これもよい」と常に情報が飛び込んでくることでしょう。
これらを全て受け入れようとして、
・自分自身を見失ってしまう
・自分の好きな生き方ではなく、「しなくてはいけない」義務だけで動くようになる
のような状態になってしまうのです。
このような様々な「自分にとって不要なもの」を切り捨て、本当に必要なこと(=本質目標)を見極めていく考え方こそ、『エッセンシャル思考』なのです。
障害を持つ方の働き方にも関わる
このエッセンシャル思考は、障害を持つ方の働き方にも深く関わります。これまで日本は、『凹凸のない平均的な能力』『一つの大きな成功や成長より、失敗しないこと』を良しとしてきました。
そのため、苦手なことに直面しやすい障害を持つ方が陥りやすいのが、
・周囲に怒られないように
・迷惑をかけないようにできないことを頑張る
・苦手なことをどうカバーしようか
・サポートしてもらおうかを考える
作業に追われてしまうことなのです。
しかし、苦手なことを平均レベルまで上げたとしても、その先には「悪くはない人」が待っているのです。さらに苦手なことが見つかればまた苦労する…の繰り返しになってしまいます。
エッセンシャル思考は、このような「不要な努力」を捨て、本来持っていた強みを選んでいこうという考えにも該当するものなのです。
さて、このエッセンシャル思考にはどのようなポイントがあるのでしょうか。
エッセンシャル思考のポイントとは?
エッセンシャル思考の基本は、自分の意識の中にある『3つの嘘』を見つけることから始まります。現在の既成概念を一度疑い、自分の本質目標を見直してみる作業なのです。
①義務感の嘘を見つける
【『しなくてはならない』ではなく、『すると(自分で)決められる』ことだけを選ぶ】
まずは「義務感」の嘘を見てみましょう。「~もやらなくちゃいけない」「あれもするべきだ」などで決めて行っていることは、厳密には自分の意思で決めていることではありません。外部の情報に依存しているケースが多いでしょう。
エッセンシャル思考は、あなたが生きるための本質目標を見つめることです。それは他人の事情をいちど切り離し、「~したいと決めた」と思えることだけを選んでいくのです。
②『全部大切』の嘘を見つける
【大切なものと考えている中で、本当に自分にとって大切なものは数少ない】
特に発達障害や精神障害を持つ方に多いのが、「白黒思考」という極端な思考です。目についたものすべてが必要と感じすぎてしまい、心身の不調を招きやすいことがあります。「一つでも抱えられなければ、全て要らない」となって絶望や虚しさを感じやすいのです。発達障害や精神障害を持たない方でも、辛い時などにこのような思考を経験されたことがあるかもしれません。
このような「必要なもの」の中で、本当にすべてが必要なことなのでしょうか?「誰かが言っているから」「とりあえずあった方がいいから」という自分以外の事情で抱えていることはありませんか?
このようなものの中から、「自分が本質的に求めているもの」だけを選ぶのが、エッセンシャル思考です。
③『全部できる』の嘘を見つける
【全部できるかも知れないが、全部やるつもりはない】
確かに全てをこなすことができればベストかもしれません。しかし、本当の意味でそのような人間はいないのではないでしょうか。全てを抱えるということができないからこそ、本当の意味で自分がやりたいことを選ぶことが必要なのです。
自分が心からできること、やってみたいことは何なのかを選び抜いてみましょう。
④本質の目標を見極め、大切なことだけを選ぶ勇気が大切
このようにエッセンシャル思考でもって、あなたの生き方の「本質目標」を見つめ直す作業が、エッセンシャル思考の魅力です。様々な人から「大事、大事」と言われ続けて混乱してしまう中で、自分にとって本当に大切と思えることだけを見つめていくことは難しいことかもしれません。
時には、断る勇気も必要になるケースもあるでしょう。しかし、改めて自分の生き方を見つめ直すためには、この「選ぶ・見極める勇気」が大切になってきます。
障害を持つ方は、エッセンシャル思考に気付くチャンスがある
苦手なこと・できないことがあるのは、本質を見付けるチャンスがある
障害を持つ方は障害を持たない方(一般的にいう『健常者』)と比較して、このエッセンシャル思考に気づくチャンスが多いです。
それはなぜか。障害を持たない方は、比較的「できない」という事実に直面できないからです。現状に困らなければ、変わろうとは思いません。
反面、障害を持つ方は「どうしてもできないこと」に遭遇しやすいです。できないことに直面しやすいからこそ、本当にできることを探す『エッセンシャル思考』に辿り着ける可能性が高いのではないでしょうか。
できることを選ぶことで、本質目標につながりやすい
ですから無理をしてでも「できないことを埋めていく」ことに集中することはありません。それで心身の体調を崩してしまっては、元も子もありません。
いま、「できないことを克服し終えて虚しさを感じている」「できないことだらけで自分が嫌になる」そんな悩みを抱えていませんか?もしかしたらそれが「本当にやりたいことを見極める」エッセンシャル思考のチャンスかもしれません。
目標を見付けるヒントに、カスタマイズ就業がある
さて、自分の生き方の本質目標の中に「自分らしい働き方をしたい」という答えが浮かんだ方もいるのではないでしょうか。
そのような場合『カスタマイズ就業』を選ぶ方法があります。
これは障害を持つ方の苦手なことを克服していこう、という従来の働き方ではなく、『障害を持つ方が、本来持っている強みを活かして働く』スタイルなのです。
Saladでは、このカスタマイズ就業を応援しています。こちらで長所を活かす働き方として、独自に扱っている求人を紹介しております。
詳しくは、Salad編集部までご相談ください。
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まとめ
いかがでしたでしょうか。
エッセンシャル思考は情報にがんじがらめになっている状態から、本来人間が幸せに感じるための目標だけに絞ることができる考え方です。
あなたもこのエッセンシャル思考でもって、「自分が本当にやりたいこと」を見つけてみませんか?