【精神障害】仕事が辛いのに休めない「プレゼンティーズム」の予防法

仕事に行くのが辛い。でも休めない…

自分の強みが活かせなくて悩んでいる発達障害を持つ方

仕事に行くのが辛い

今、「出勤が辛い」と感じることはありませんか。

「上司が怖い」「職場に嫌な先輩がいる」「できない仕事をしないといけない」このような事情からストレスをためていませんか?

辛いと分かっていながら、仕事に行かないといけない

辛いと分かっているのに、「大切な仕事がある」「休んだら怒られる」などの理由から無理を続けているケースがあるのではないでしょうか。

疲れがたまっていて集中できない、充分な睡眠が取れずにぼうっとしているなどの症状があるかもしれません。

今このような、「充分なコンディションを保てない状態で働き続けていること」が企業で問題視されているのです。

参考:アブセンティズムとプレゼンティズム (absenteeism / presenteeism)|株式会社こどもみらい

不調のまま働く、プレゼンティーズムの問題とは

雰囲気が悪い職場で過ごす男女

プレゼンティーズムとは

プレゼンティーズム(Presenteeism)とは、「出勤しているものの、心身の健康上の問題により、充分な仕事ができない状態」という意味です。対象となる症状は様々で、アレルギーから喘息、うつ症状などあります。

近年、体調不良などで出勤できない状況になる「アブセンティーズム」が問題視されてきました。しかし現在はこの「プレゼンティーズム」に対しての注目が高まっています。

プレゼンティーズムは、企業全体の生産性に支障をきたす

それでは、どうしてプレゼンティーズムが問題とされているのでしょうか。

それは、無理して仕事を行うことで、個々のパフォーマンスが落ちるためです。コンディションが不十分なまま働き続ければ、集中力の低下やミスの増加が出てきます。これが職場単位となれば、大きなパフォーマンス低下につながるわけです。

アメリカの研究では、医療費やアブセンティーズム(不調による休暇・長期離脱など)よりも遥かにコストがかかっていると考えられています。

参照:健康経営 – 厚生労働省

では、うつ病などの精神障害を持つ方にとって、プレゼンティーズムになりやすいケースにはどのようなものがあるでしょうか。

プレゼンティーズムを引き起こしやすいケース

パニック障害を発生してしまった精神障害を持つ男性

過度なストレスを感じている

プレゼンティーズムの原因となり得るもっとも大きな健康問題が、「ストレス」です。精神障害を持っている場合、安定した精神状態を保つこと自体が難しい問題もあります。

また、ストレスをうまく処理することができず、どんどんとストレスが溜まってしまうことで集中力がなくなりやすいのです。

またうつ病や双極性障害などで意欲がなくなってしまっては、全く仕事が手につかなくなってしまいます。

睡眠不足

精神障害を持つ方の場合、不眠などの睡眠障害に悩むケースがあるでしょう。充分な睡眠が取れない場合、仕事をするための集中力や注意力が低下します。

無理を続ければ、長期離脱にもなりかねません。

不安や緊張が強く、常に負担がかかっている

不安や緊張は、ストレスの原因になってしまいます。さらに「緩める」ことができず、緊張状態のままになってしまう場合も考えられます。

常に負担がかかる状態で働くことは、長期的に考えてパフォーマンス低下につながりやすいです。

食生活の乱れがある

「気分によって食べる時と食べないときがある」「暴飲暴食が激しい」「栄養バランスに偏りがある食事をしている」なども、不調の原因になりやすいです。

食生活の乱れはストレスだけでなく、生活習慣病などの疾患も招きやすくなってしまいます。

その他既往症を持っている

その他喘息や呼吸器疾患など、既往症を持っていることで疲労解消しにくいケースがあります。

職場環境と合わない

プレゼンティーズムの原因が、必ずしも従業員個人にあるとは限りません。

指示されている勤務時間では疲れやすい(深夜勤務、早朝勤務など)ことや、残業が多い場合など、企業側に原因があるケースもあるのです。

では、このようなリスクを防ぐためには、どのような工夫が必要でしょうか。

参考:プレゼンティズム、アブセンティズムから考える健康経営 | エムスリーキャリア 産業医紹介サービス

プレゼンティーズムを予防するための工夫

働くことや障害の活かし方についてアドバイスする男性

医師と相談し、体調や服薬の状況を伝える

精神障害を持つ方にとって、通院・服薬は生活の大切な軸です。

自分で気づかない症状や、服薬の副作用でストレスや疲労がたまってしまう事態もあるかもしれません。そのようなことを予防するためにも、医師と相談する習慣をつけましょう。

日頃の体調や服薬の状況を伝えて、常に「今の自分にマッチした」服薬を行うことが大切です。

関連記事:精神障害を持つ方の、仕事が続かない辛い悩みとその解消法とは?

生活習慣を整える

食事や睡眠など、生活習慣の乱れは心身の疲労や不調に影響を及ぼします。食事の頻度や内容、睡眠時間や量のばらつきなど、自分の生活習慣を見直してみましょう。

既往症がある場合は、ケアをする習慣をつける

精神障害以外にも既往症を持っている場合は、定期的に医療機関に通いチェックしてもらいましょう。「肩こりがひどくてイライラする」「花粉症がひどくて集中できない」など、既往症からストレスにつながることもあります。

万全の状態を保つために、早めの対処を心がけましょう。

職場の上司と定期的に相談する機会を設けてもらう

職場で感じるストレスの対処として、定期的に上司と相談する機会を設けてもらうようにしましょう。

精神的に辛くなると、「辛い」と言う力が鈍る場合もあります。「何かあってから」では遅いです。ギリギリまで我慢することなく、定期的にストレス対処をするように心がけましょう。

不調を感じたら、早めに休んですぐに戻す癖をつける

精神障害を持つ場合、気圧変動や周囲の環境などにより「防ぎにくい不調」になるケースもあるでしょう。そのようなときは早めに休むようにしましょう。

無理を続けていることこそ「プレゼンティーズム」になります。辛い状態のまま一週間続けるより、一日休んで万全な状態に戻してから復帰する方が効率的なのです。

関連記事:仕事を上手に休む方法【精神障害を持つ方が仕事を長く続けるヒント】

参考:アブセンティーズムとプレゼンティーズム 従業員の体調が企業に与える影響 | 中小企業の健康経営・働き方改革を支援する情報メディア

職場の条件と合わない場合は、環境を見直してみよう

職場環境を変えて快適に過ごす社員

さて、プレゼンテーションへの対処として注意点をご紹介しました。しかし、先ほど触れたように、「企業側が原因のケース」も存在します。この場合納得行くまで職場と話し合う、という方法もあります。しかしそれだけでも精神的負担は大きいのではないでしょうか。

企業側に原因がある場合、社風や施設、環境を変えるということは簡単ではありません。そのため負担なく対処できる方法の一つとして「自分に適した環境がないか見直してみる」ことがあります。

カスタマイズ就業」と言う言葉を聞いたことがありますか?これは苦手な環境へ適応させることに終始するのではなく、自分に適した環境を選択し働くスタイルです。

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参考:障害者の能力や強みを生かす「カスタマイズ就業」って? – 毎日新聞

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まとめ

プレゼンティーズム を防ぎ希望を持てる社会へ

いかがでしたでしょうか。

少し前は「無理してでも頑張る」ことを良しとされてきたかもしれません。しかし、現在は無理をせず健康を保つことを「スキル」として見ている企業が多いです。

長く働くために、心身の健康を保つよう心掛けてみましょう。

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