就労移行支援の利用中、通所が辛いケースがある
就労移行支援を利用する方が増えている。
現在、全国で就労移行支援事業所が増えています。これに伴い利用する方も増え、就職をされた方も多いです。
しかし、途中で通所を諦めてしまう方もいる
しかし、利用途中で就労移行支援事業所の通所をやめてしまう方もいます。通所を諦めてしまう理由は様々ですが、原則2年間しか通えない中やめてしまうことは残念なことです。
今回は、いま「通所が辛い・・・」と感じ始めた方へ
〇就労移行支援の通所が辛い時はどんなときか
〇通所が辛い時を乗り切るヒント
をご紹介します。
「通所が辛い」と感じる4つの原因
まず、就労移行支援事業所を通うのが「辛い」と感じやすいタイミングについてご紹介します。
参考:障害者の就労支援について
1)体力的に辛い。
「慣れない環境だと緊張する」「季節の変わり目は疲れやすい」など困ってはいませんか?このように障害を持つ方は、障害を持たない方と比較して疲れる機会が多いです。
特に春先から事業所に通い始めた方の場合、初夏の時期は
〇環境変化の疲れが見えてくる。
〇気候の変化を感じる。
などの理由から、体調を崩しやすくなります。
2)他の利用者との関わりが辛い
就労移行支援事業所は、さまざまな障害特性の方がいます。
中には周囲の方が無意識にやっているくせや行動でストレスを感じることもあります。その反対に、あなたが無意識のうちに行っていることで他の方にストレスを感じさせる可能性もあります。
障害を持つ方は、苦手な感覚がさまざまです。上記のケースのように「やっていないと落ち着かない」ことを、相手が「耐えられない」ように、特性同士で相反するケースがあります。
本人にとって不可欠なことであることが多いため、お互い「譲る」というケースも少ないです。このような辛さに耐えられず、通うことをやめてしまうケースがあります。
3)学びたい訓練がなくて辛い。
「実際に通ってみたら、自分の学びたい訓練がなかった」と感じている方はいませんか?事業所に通っていても就職の希望が見えなければ、辛いだけです。
結果的に通うのをやめてしまい、「もうスキルを上げる方法がない」とその後の活動にも自信を失ってしまいます。
4)就職できなくて辛い。
「長くトレーニングを続けているのに、全く成長を感じない。」「期限が2年しかないのに、まだ結果を出せていない」と焦ることはありませんか?
就職=結果にとらわれ過ぎてしまうと、現状の自分にストレスを感じやすいです。求人募集が少ない時期など、短期間での目標が見つけづらいときなども、辛い気持ちになりやすいです。
さて、このような辛い状況を乗り切り、就職するにはどのように対処すればよいのでしょうか?以降、辛い状況を乗り切るヒントをご紹介します。
【就労移行支援】通所が辛いときを乗り切るヒント
1)疲れやすい原因を見つけて、ひどくなる前に対処する。
障害を持つ方にとって、「いかにして疲れないか」という対処法は難しいです。その理由は、意識して解消できるものが少ないからです。
例えば、苦手な音や光などの感覚はある程度防ぐことができます。ただし、苦手だと意識している時点ですでに疲れてしまっています。そのため、「いかに疲れないようにするか」ではなく、「疲れた時にいかに早く回復させるか」という対処が大切です。
確かに事業所は、毎日通うのがベストです。しかし辛い状況のまま綱渡りのように通っていたら、いつか大きく体調を崩します。「具合が悪くなりそうだな」という体のサインをキャッチして、早めに休むことも方法の一つです。
関連記事:就労移行支援で学べる、発達障害を持つ方のための体調管理法3つ
2)事業所の支援スタッフの方に相談し、措置をとってもらう
他の利用者との関り方に悩んでいる場合は、スタッフの方に相談しましょう。あなたが心地よく訓練を受けられるためのアドバイスや措置をしてくれます。
さまざまな特性を持つ方と自分にどう折り合いをつけていくか。対処できない場合はストレがないように接触がないような措置をしてくれるかもしれません。
3)目標設定を見直してみる。
学びたい訓練がない・・と悩んでいる場合は、まず目標設定を見直してみましょう。今行っている訓練が、就職に結びつかないという不安から考えていることがあります。
そのため、
〇スタッフの方などと相談して、希望の働き方を考え直してみる
〇企業の体験実習を受けて、その課題に応じた訓練を見つけてみる
などを行い、現状を整理してみましょう。
職場実習に関しては、【体験談】就労移行支援事業所で職場実習にトライするメリット3つも併せてチェックしてみてください。
参考:第4 職場実習
4)事業所のスタッフの方と相談しながら、解決策を試してみる。
就職できずに悩んでいる場合は、支援スタッフの方に相談しましょう。
「就職ができない」と悩んでいる原因は、
〇仕事を選り好みしてしまっている
〇何度も応募したが、納得した結果が出せない
などが考えられます。
自分で冷静に考えられない時は、客観的な視点からの意見が最適です。
【例】
応募したい求人が見つからない
→検索方法を聞いてみる
書類選考で落ちてしまう
→応募書類の確認をお願いする
面接で不採用になってしまった
→面接練習をお願いしてみる、自己理解を見直してもらう
など、さまざまな「就職できない事情」への解決策が見つかります。さらにこの解決策に対して行動することで、辛さ改善に結びつきます。
途中で就労移行支援事業所を変更することは可能。ただし慎重に検討しよう
あらゆる方法をとっても「今の事業所では学べることがない」と感じた場合は、利用途中で事業所を変えることが可能です。ただし新しく利用する事業所では、これまで通ってきた期間が差し引かれた状態から再開です。そのため他の方より短い期間でトレーニングし、就職に向かわなければいけません。
事業所を変える前には、今通っている事業所のスタッフの方とよく相談して、慎重に考えましょう。もし、相談や今後に困っていたら下記のご案内もチェックしてみてください。
障害を持つ方へ。『Salad』が就労移行支援関連含む『強みを活かす就職』のサポートをします
『自分の得意な部分を活かして仕事をしてみたい』『好きなことを仕事する方法を知りたい』このように悩んでいませんか?このサイト『Salad(サラダ)』では、障害を持つ方のそのような働き方に対する悩みに対し、さまざまなサポートをさせていただきます。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
トレーニングの中で辛い時期があります。筆者も今の努力が結果に出ていない時期がありました。やはりそういうときこそ体調を崩しやすいものです。
辛い状況をスタッフの方とのチームワークで乗り切って、就職にトライしていきましょう。
(筆者紹介)
Salad編集部員。1980年生まれの男性。大人になってから発達障害、ASD(自閉症スペクトラム)と診断されている。就労移行支援に1年間通所。さまざまな問題に直面しながら、希望している働き方を実現することができた。