【体験談】就労移行支援事業所で職場実習にトライするメリット3つ

就労移行支援事業所で行う職場実習は、安心できる環境でトライできる!

【筆者紹介】
30代男性。大人になってから広汎性発達障害、ASD(自閉症スペクトラム)と診断されている。公務員として10年間勤務、うつ病を経験し民間企業の障害者枠の事務職として4年間勤務。民間企業の採用前に通勤タイプの職場実習を1か月間、今回通所していた就労移行支援事業所に通所中に職場実習を1か月間体験した。今回実習を受けた企業に就職が決定している。

1)就労移行支援事業所とは?

「就労移行支援事業所」とは、障害者総合支援法に基づいて運営されている福祉サービスです。就労を希望している障害をお持ちの方に対し、一人ひとりの障害特性の自己理解を深めながら、働くスキル習得や就職活動のサポートが受けられます。

詳細は、下記のページを参照してください。
→参照:就労移行支援・継続A型・継続B型について

2)職場実習と雇用の制度の違い

ここで、障害を持つあなたが企業に応募した場合、採用前に行う主な制度を振り返りましょう。種類として主に職場実習(障害者委託訓練)とトライアル雇用があります。2つの制度のポイントを整理しました。

【職場実習(障害者委託訓練)】
障害を持つ方のための職業訓練が目的、原則3ヶ月以内・月100時間以内で職業訓練をする制度。実習を受ける障害を持つ方には賃金は支払われない。

【トライアル雇用】
適性を判断した後に本採用につなげる、「採用を前提とした」制度。最長3カ月を限度として雇用契約を結びます。

雇用を受ける障害を持つ方にも賃金(給与)が支給される。主なものとして、このような特徴があります。2つの制度で大きく異なるのは「応募者に給与が支払われるかどうか」という点です。もちろん、トライアル雇用は給与が発生する分、仕事においての責任も大きくなります。

→参照:障害者枠と一般枠ってどう違うの?実習が大きなカギだった!?
→参考:独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構 「第4 職場実習」

今回は就労移行支援事業所に通いながら、「企業に応募したいけど、慣れない環境で実習を受けることは不安・・」という方に、筆者の体験をもとに就労移行支援で職場実習を受けるメリットをご紹介します。

【体験談】就労移行支援事業所で職場実習を受けるメリット

さて、就労移行支援に通所しながら実習を受けるとどんなメリットがあるのか、を紹介します。
筆者が体験した、以前「民間企業に通勤して1か月間実習を受けたとき」と、「就労移行支援に通いながら1か月間実習を受けたとき」を比較しながら、ご紹介します。

メリットその1:環境や生活リズムの変化がなく、安心して受けられる。

【企業に通勤して実習を受けたとき】
〇環境が変わるため、適応させるのに労力がかかった。

ASD(自閉症スペクトラム)を持つ筆者は「先の見えない物事」が苦手です。そのため企業に通勤して実習をした時は「実習をするだけでも不安なのに、人や環境が分からないとさらに不安になる・・」と感じていました。また、実習初日の夜は新しい環境の影響を受けて、興奮状態になり眠れませんでした。

【就労移行支援事業所で実習を受けたとき】
〇これまでの生活リズムで取り組めるので、安心して受けられた。

原則、これまで事業所に通所していた生活リズムで実習を受けることができます。

通う手段、通う場所が同じですから、とても安心できました。これまでと同じ生活リズムで安心して臨めることで、より自分の力を発揮することができました。自分のペースで小休止もできたので心身の状態も安定していました。疲労を翌日に持ち越すこともなく、一度も休まず実習を受けることができました。

電車やバスなどの公共交通機関に乗ることが苦手な方の場合、在宅トレーニングができる事業所であれば、自宅で実習も行えます。このように、知らない環境に不安を感じることなく、あなたが安心できる環境で実習を受けることができます。

メリットその2:気軽に相談できる事業所のスタッフがいる。

【企業に通勤して実習を受けたとき】
〇知らない人の中で緊張して、疲労やストレスの対処に追われてしまった。

当然ですが、職場は皆さん知らない方でした。実習2日目までは就労支援センターの担当スタッフの方が同行してくれましたが、仕事のことは職場の方に聞かなければいけません。職場の方は皆さん親切な方でしたが、「今聞いて大丈夫なタイミングかな・・?」など、周囲の雰囲気や緊張感を感じ取ってしまい、帰宅後にこの「緊張感」を解くのが大変でした。「業務内容と関わりないところで疲れているな」という印象です。

【就労移行支援事業所で実習を受けたとき】
〇普段相談している事業所のスタッフの方がいることで、落ち着いて取り組めた。

筆者の場合、在宅勤務を想定した実習でした。企業の方ともメールなどでやり取りをしながら、不安に感じたことなどを事業所の支援スタッフの方に聞いていました。「今のメールの頻度、大丈夫ですか?」など「これは企業の方に聞いてもいいのかな・・?」と迷った時などに親切に対応してくださいました。何より一定期間、実習が続くのでその間を近くで見てくれる方がいることが心強かったです。

メリットその3:情報通信ツールを利用できるので、企業の方とスムーズにやり取りできる。

【企業に通勤して実習を受けたとき】
〇職場の事情が関わるので、苦手なコミュニケーション方法も求められた。

通勤して実習を受けた企業では、メールなどのツールは企業内のパスワードを用いるため、自由には使えませんでした。質問などのやり取りは、筆者の苦手な電話を使っていました。メールは周囲の方にログインしてもらって使わせてもらう・・という感じでした。ほとんどのコミュニケーションを口頭で行っていたので、うまく伝えられないストレスがありました。

相手の表情が曇るときや、無理に笑顔にしている感じを受けると「今自分が言ったこと、変だったかな?」と不安になりました。

【就労移行支援事業所で実習を受けたとき】
〇ストレスが少なく、やり取りの内容も分かりやすかった。

在宅勤務を想定しているため、企業の方とも支援員のスタッフの方ともやり取りは情報通信ツールを使用しました。企業の方とはメールで、スタッフの方とはチャットツールであるスカイプでやり取りしました。どちらも事前に確認してから相手に発信できるので、「今言ったこと、変だったかな?」と不安になることがありませんでした。

相手の感情や表情を深読みすることなく、仕事に必要な情報のみを吸収できました。ストレスなく、やり取りの内容も理解しやすかったです。

就労移行支援事業所を通して、実習を受けることができてよかった

このように、これまで通っていた環境で安心して実習を受けることができました。
就労移行支援に通所して実習を受けたいという方は、事業所の支援スタッフの方に相談してみてください。また、これから事業所を探している方など、就労移行支援について分からないことがありましたら、Salad編集部までご相談ください。

まとめ

いかがでしたでしょうか。トライアル雇用や実習は就職を決めるうえでの最終関門であり、かつ企業の方とのコミュニケーションの土台を作る「大切な準備段階」でもあります。

実習では不安に感じることなく、安心して自分の力を発揮したい。そう感じている方にとって、今回お伝えしたことが参考になりましたら幸いです。