テレワークには、発達障害の「弱み」を「強み」にできるチャンスがある
発達障害を持つ方は、職場などで生きづらさを感じている
発達障害とは、先天的な脳機能の障害を持つ障害であり、得手不得手にムラが生じることやコミュニケーションで苦労しやすいことなどで苦労しやすいなどの特徴を持っています。メディアでも注目され始めており特徴や対策などの情報も増えてきました。しかしながら、当事者の方が職場で苦労しているケースが少なったかと言うと、そうではないというのが現状ではないでしょうか。
これは発達障害の特徴はあくまでも基準であり、その特徴は個々によって様々であるということなども挙げられます。特に職場では、周囲のペースやコミュニケーションについて苦労しているケースが多いのではないでしょうか。例えば、下記のようなケースで苦労していませんか?
〇決まりやルーティーンを好み、想定外の物事が苦手。
〇興味・関心にムラがあるため、広く注意を払うことが苦手
〇こだわりが強く、融通が利かない。
このような特徴から職場で理解されず、生きづらさを感じたことがあるかもしれません。心当たりがある場合、「テレワーク」によって問題が緩和され、反対に特性を強みとして活かせるチャンスかもしれないのです。
今回は、発達障害を持つあなたの特徴が、テレワークの仕事の中でどう「強み」と変わるのか。テレワークの説明も踏まえながら見ていきましょう。
テレワークとはなに?
テレワークとは
テレワーク(『tele=離れた』+『work=働く』)とは、web会議やチャットツールなどの情報通信技術を使って、オフィスから離れた場所で仕事をする働き方です。そのスタイルは自宅で行う場合やコワーキングスペースを利用するケース、サテライトオフィスなど、様々なスタイルがあります。
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さて、このようなスタイルのテレワークで、なぜ発達障害の良さを活かせるのか。次は一般的なオフィスワークと比較しながらその違いを解説していきます。
【発達障害】オフィスワークで起きやすい問題
コミュニケーションがうまくいかない
まず第一に、『コミュニケーションがうまくいかない」ことが大きな問題として挙がりやすいです。発達障害を持つから能力が低いということはなく、むしろコツコツ地道に行える力を持つ方も多いです。そのため上司からの評価が高いこともあるでしょう。
…しかしながら、コミュニケーションが関わってくると誤解されやすいことが出てきます。周囲の同僚などとの対話の中で『応用や臨機応変な対応ができない』『融通が利かない』など思われやすいのです。このような問題でしっかりと上司に相談はするけれど『その時々の判断で適当にやってほしい』など曖昧な返答があると、さらに混乱してしまう。この様な経験はありませんか。
ここでポイントとなる特徴として
・応用を伴う作業が苦手
・こだわりが強く、周囲と噛み合わないことが起きやすい
・「適当」など、具体的な方法を自分で解釈しなくてはならない表現を受けるのが苦手
このような点が挙げられます。さて、このような問題をテレワークではどのように改善される可能性があるのかを見ていきましょう。
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テレワークで、発達障害が「強み」になる特徴
特徴1:決まりやルーティーンを好む
先ほどオフィスワークで起きやすい問題として「応用を伴う作業が苦手」と説明しました。これは決められた流れ通りであれば力を発揮できるけれど、突然異なる環境や作業を求められると混乱しやすいことなどが特徴です。これはイコール『決まりやルーティーンを好む』ということになりますよね。テレワークでは、この特徴をメリットにできる可能性があるのです。
テレワークは離れたところ同士で仕事を進めますから、お互いの姿が見えません。ですから応用作業を行い作業を複雑にするよりは、決まりやルーティーン通りに行うことで相手にも分かりやすく進めることの方が大切なのです。ですからこの決まりに沿って忠実に行えるということは、相手に安心感を与える、大切なポイントとなります。ですから発達障害の『応用が利かない弱み』を「大切なスキル」として活かせるチャンスにもなるのです。
特徴2:周囲の事情にに関係なく一つの物事に集中する
オフィスワークでは、もちろん様々な人がいる中で仕事を進めていきます。業務内容によっても差はありますが、少なくとも様々な方と関わることはあるでしょう。ですから『自分の仕事だけに集中していれば良い』ということにはなりにくいです。自分の作業に集中し過ぎてしまい、声をかけられても気づかなかったことで怒られたことはありませんか?そうしてさまざまな依頼や作業があるために、上手く集中できないと悩んでいることもあるのではないでしょうか。
テレワークは、原則自宅などで仕事を行います。ですから原則突然ペースが乱れるような作業を求められるケースも少ないです。また、そのようなことがあっても連絡が来る方法が限られていますから、予想しやすいことも安心要素の一つになります。反対に、自宅のようなリラックスできる場面でも集中しなければならない意識を持たなければ、モチベーションを保つことも難しいのです。
だからこそ『どんな事情があっても左右されず自分の作業に集中できること』が、テレワークにとって強みになるかも知れないのです。
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特徴3:こだわりが強い
こだわりが強いことで、周囲と噛み合わない事情が起きやすいことがオフィスワークでは問題になりやすいポイントでした。しかし、テレワークは相手の状況が見えません。ですから勤務態度や仕事ぶりで評価されるポイントは少なくなります。その代わり、目に見える「成果」に対してのウェイトが大きくなるのです。
これは目の前の仕事に対して真剣に取り組んでいれば、評価されるチャンスがあるということです。例えば『一生懸命にやっているのに、周囲に気に入ってもらえないために職場に居づらくなった』ということはありませんか。このように「純粋に仕事だけで評価してほしい」と考えるケースは多いのではないでしょうか。
テレワークは仕事や成果に対してこだわり、自分からより良い仕事について提案していく主体性も求められます。だからこそ、仕事に強いこだわりが持てることが「強み」になるかもしれないのです。
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まとめ
いかがでしたか?
情報通信技術が進んで、離れたところでも仕事ができる社会になりました。発達障害を持つ方は周囲からの影響を受けて、不調になることもあるでしょう。せっかく得意分野で活躍することができても、苦手な物事に直面することですべてが台無しになってしまうリスクも持っています。
しかしテレワークは、周囲の影響もなくあなたのペースで進められます。これまで「応用が利かない」、「融通が利かない」など、「弱み」としか見られなかったあなたの特徴が、テレワークでは「強み」に変わります。あなたの特徴が、周囲から必要とされる要素になります。
今回の記事が、あなたがストレスなく全力で仕事に打ち込める「チャンス」として考えるきっかけになれれば幸いです。