うつ病で毎日の通勤がつらいとき、在宅勤務はできる?
うつ病をもっている方の中には、「朝なかなか起きられない」という方や「満員電車に乗るのが苦痛」という方もいます。うつ病の影響によって、仕事そのものよりも、通勤が問題点になってしまうのです。そんなときは「在宅勤務をしたい…」と思うこともあるのではないでしょうか。
在宅勤務が適している職場かどうか確認する必要がある
いま企業に通勤している働き方をしている場合、なかなか在宅勤務をイメージすることは難しいかもしれません。確かに
・本人が在宅勤務に適している(向いている)かどうか
・企業が在宅勤務に向いているかどうか
この2点の問題から、テレワークの導入に苦しんでいる企業や業界もあります。ですから自分の状態と企業の形態を知り、在宅勤務が可能な環境かどうかを確認する必要が出てきます。今回は、うつ病になったときにこれらの判断がしやすくなるよう、「在宅勤務に向いている仕事」「在宅勤務に向いていない仕事」を中心に、対処のヒントを見ていきましょう。
在宅勤務に向いてる仕事とは?
在宅勤務に向いている仕事には、どのようなものがあるのでしょうか。
プログラミングやWebデザインなどの仕事
在宅勤務制度を導入している業界は様々ですが、中でも積極的に導入している企業は、プログラミングやWebデザインなどのIT業界です。これらに関する専門的なスキルを持つ場合、通勤時のストレス軽減のほか、仕事の効率も上がる可能性があります。
事務職も在宅勤務可能なケースは増えている
事務職にあっても在宅勤務が可能な仕事の範囲や種類は少しずつ増えてきています。最近では、ロボットによる業務自動化のRPA(Robotic Process Automation)を使えば「在宅でも、高収入が稼げる」と注目を集めています。
参考:定型作業の多い事務職が、どんな作業も自動化できる「RPA女子」に育つ職場の作り方 – WirelessWire News(ワイヤレスワイヤーニュース)
在宅勤務に向かない仕事って?
逆に、在宅勤務に向いていない仕事とは、どのようなものがあるのでしょうか。データによると、飲食業、宿泊業などのサービス業だと、在宅勤務はむずかしくなります。※1
接客業・店舗型の仕事
飲食業、宿泊業などといった接客業・店舗型の接客だと、店舗に来てくれたお客様への対応が仕事になります。店舗にいること自体が仕事の一部になるため、在宅勤務が難しいというのが現状です。
ただ、テクノロジーの進化により、接客業も在宅でできるようになるかもしれません。近年は、接客業を在宅でできるようにする研究も進んでいます。そのため今後は、在宅勤務ができる仕事も増えてくるのではないでしょうか。
参考:接客業のテレワーク・在宅勤務を実現する【対面Web接客】 | LiveCallライブコール -No.1 オンライン通話システム
社内設備を要する仕事
また、職種で考えてみると、工場などのライン作業や、機械を運転する仕事など、社内にある設備を使わないとできない仕事も、仕事の性質上、出勤する必要があります。
こちらも、現状では出勤の必要性がありますが、遠隔操作で出社せずに動かすことが近い将来可能となるかもしれません。
在宅勤務制度がない会社の場合はどうしたらいい?
ここまで在宅勤務の可能性について説明してきました。しかしそもそも、「私の会社には、在宅勤務制度がない」という方もいるでしょう。
今は、メディアの風潮だけではなく、人手不足の影響もあり、働き方の見直しをしている会社が増えてきています。在宅勤務はその一つとして注目を集めていますが、まだまだ導入していない会社が多いというのが実態です。
まずは提案してみる
「自分の会社は、在宅勤務を取り入れていない」という方は、まず人事部や上司に提案をしてみてはどうでしょうか。もしかしたら、却下されてしまうこともあるかもしれません。それでも、「必要性は感じているけれど、導入に踏み切れていないだけ」という可能性もあります。
「在宅勤務ができない。だからもう働けない」と諦めるのはもったいないです。通勤などのストレスを避ける方法は、在宅勤務だけではありません。通勤時間をずらす方法などもあります。その場合は、一度上司や人事部に相談し、提案をしてみるのがいいでしょう。
必要に応じて休職ではなく、退職という方法もある
うつ病で働くことがつらく感じられる方の中には、職場と相談して休職している場合もあるかもしれません。復職をするときに、ストレスの原因に対して何の対策もしないままだと、症状が再び悪化してしまう可能性があります。会社のカルチャーとして、自分の疾病や症状理解などに関心を示してくれないようであれば、長期的な関係維持は困難です。
「会社に改善案を提案したけれど却下された」などの理由によっては、休職よりも退職を選んだほうがいいこともあるでしょう。自分の体調が第一です。必要に応じて休職や退職を検討するあるかもしれません。こちらの記事「仕事を上手に休む方法【精神障害を持つ方が仕事を長く続けるヒント】」をチェックして、適切なタイミングで心身を休める工夫についても覚えておきましょう。
考え方が合わない会社に居続けてしまうと、症状が悪化する危険性も
会社によっては、多様な働き方がなかなか認められづらいこともあります。「他の人だって我慢しているのだから、あなただけ認めるわけにはいかない」と言われてしまうこともあるかもしれません。それは、会社が何を大切にしているかによる部分が大きいでしょう。
自分と会社の考え方が合わないと、長く居続けてもまた体調が悪化してしまう危険性もあります。その場合は、また新しく考えの合う会社を探してみるのも一つの方法です。
すぐに退職は不安、、生活費の支援制度ってある?
「環境を変えたい。でも退職してしまうと、生活費が不安」という方も多いのではないでしょうか。生活費の支援制度としては、まず失業保険制度があります。失業保険制度は、退職後に生活の心配をせずに転職活動を行うためのものです。
一定の条件があるので、詳しく知りたい方は一度ハローワークに行ってみることをおすすめします。場合によっては傷病手当金に該当するケースもありますので、こちらも合わせて調べてみましょう。詳しくは、下記の参考リンクをチェックしてみてください。
障害を持つ方へ。Saladが「強み」を活かす就職のサポートをします!
まとめ
通勤は毎日のことだからこそ、軽く見ることはできません。特に、うつ病を抱えている方には大きいストレスのうちの一つではないでしょうか。中には「通勤が苦痛だから、働けない」と考えてしまう方もいるかもしれません。
しかし、今は少しずつ多様な働き方が認められつつあります。通勤のストレスを回避しながら働き続けることが可能になりつつあります。方法としては、在宅勤務や、通勤時間帯をずらすことなどが考えられます。特に、在宅勤務は新しいツールの開発などの影響もあり、注目を集めています。
働いていくための方法は一つではありません。通勤のストレスを解消したい方は、一度働き方の見直しを検討してみてはいかがでしょうか。