ディスグラフィア(書字障害)とは。障害の特徴や原因、向き合い方を紹介

学習障害ディスグラフィアとはなに?

ディスグラフィア(書字障害)について知りたい男性

ディスグラフィアとは

ディスグラフィア(書字障害)とは発達障害の学習障害(LD)のうち「書く」ことに困難を感じやすい障害です。「書字」の定義として

・綴字(ていじ。文字通りのつながりや規則性などを意味する)を理解することの困難さ
・文法と句読点の正確さ
・書字表出の明確さまたは構成力

これらの項目があり、これを行うことに困難を感じやすいのが特徴になります。

参考:「書くのが苦手」なディスグラフィア(書字障害)とか何か?症状、訓練・対処法について【医師が分かりやすく解説】

知的発達の遅れはなく、ディスレクシアと併存するケースがある

ディスグラフィアに限らず学習障害は、「知的発達には大きな遅れがない」ことが特徴です。話したり行動したりすることには困難を感じません。

また、ディスグラフィアは「読むこと」に困難を感じるディスレクシア(読字障害、読み書き障害)と併存しているケースもあります。ディスレクシアに関してはこちらの記事で紹介していますので、併せてチェックしてみましょう。

ディスグラフィアの障害特徴

書字障害により、電話対応と書く作業の連携に苦労する様子

文字を枠や線に沿って書くことが苦手

ノートに文字を書く際に、枠や罫線の中に書こうとすると大きくはみ出してしまうことがあります。

鏡文字になりやすい

「鏡文字」とは、上下はそのままで左右を反転されている文字をいいます。これは漢字に限らず、文字全般に関して苦労するケースがあるのです。

漢字を書くことが苦手

漢字を書くことが苦手なケースもあります。その詳細として

・年齢相応の漢字を書くことができない
・漢字の「点」や「線」などを余分に書いてしまうなど、漢字の構造を覚えることが苦手

これらについて困難を感じやすい傾向があります。

助詞の使い方など、文法を理解することが苦手

文法に沿った文字(文章)を書くことが苦手です。例えば「~は、~の、~が、~を」のような、「助詞」の使用方法が苦手なこと、句読点が足りない・多すぎることなどが挙げられます。

上の見出しで言えば、「文法『が』理解すること『に』苦手」など、誤った使用方法をしてしまうなどがその一例です。

参考:助詞とは | 日本語文法 | 助詞の使い方・活用の一覧・見分け方 | Pro Writers

ディスレクシアも含まれる場合、字が読めない困難を感じるケースもある

ディスレクシアを併存している場合、字が読めないことで苦労するケースもあります。

これらの他、文字を書く際に何かしらの困難を感じる場合、ディスグラフィアの可能性があります。

ディスグラフィアの原因は?

書字障害で混乱する男性
ディスグラフィアは発達障害の為、先天的な脳機能の障害で細かい原因は明確になっていません。しかし「書くこと」に関する困難に関しては様々な原因が考えられています。これは困難の原因を明確にし、改善するためのきっかけにもなるので参考にしてください。

視覚情報処理の不全(文字の形が分かりにくい)

視覚情報処理によって、文字の部分ごとの位置関係や大きさを認識したり、形をお厚生するなどを行います。日本語は英語などのアルファベットと異なり、文字の形が複雑である場合が多いです。そのため、小学校あたりの時期から困難を感じる傾向があります。

ディスレクシア(読字)には問題がなく、ディスグラフィアのみに困難を感じている場合は、この視覚情報処理に原因がある可能性があると考えられているのです。

また、感覚過敏の一つである「視覚過敏」によって、紙と文字の色のコントラストに抵抗を感じ、ノート(紙面)に集中できないというケースも考えられます。

参考:視覚情報処理

音韻処理の不全(文字の読み方が分かりにくい)

音韻処理とは、特定の文字がどのような音と対応しているかを理解する働きです。ポイントを説明すると、

・「もじ」を、「mo」「ji」という音であると理解できる
・「もじ=文字」を「も」「じ」と単語のまとまりとして捉えられる

このようなことに困難を感じる場合があります。なお、これはディスレクシア(読字障害)を伴うディスグラフィアを持つ場合に多い傾向です。

参考:音韻処理障害のメカニズム – J-Stage

発達性強調運動障害が関係している(不器用で、文字がうまく書けない)

日常生活における「協調運動」において、正確に行うことに困難を感じている場合です。
例えば「目で見たものを書く」行為でいうと、目から受け取る情報と指先の細かな作業のコンビネーション(=協調運動)がうまくできない…といった形になります。

これにより、字がマスからはみ出てしまうなどの困難につながりやすいのです。

ディスグラフィアとはどう向き合って行けばよいの?

書字障害に悩む男性
読み書きに困難を感じる場合、物事を覚えることにも苦労しやすいのではないでしょうか。黒板やホワイトボードに書かれたことをメモしたいのに、間に合わずうまく書けない…という経験をした方も多いかもしれません。

このような困難を受け、どのように向き合っていけばよいのでしょうか。

ディスグラフィアと向き合う対処法

書字障害を持ちながら、トレーニングを行う女性

文字の大きさや構造、書くマスの空間を捉える工夫をする

「文字をマスからはみ出してしまう」問題については、

・文字がどんな大きさなのか
・マス(枠や罫線も含む)がどれくらいの大きさなのか

これを照らし合わせることが大切になります。場合によっては、枠ごとに色分けするなどして空間の大きさを分かりやすくするなど工夫しても良いでしょう。

何度も文字を書いて練習するよりも、このような質に注目して取り組むのがコツです。

道具を工夫する

「感覚過敏で、うまくノートを見ることができない」「ペンなどをうまく動かせない」などの問題に対しては、道具を工夫することで緩和されるケースがあります。

例えば、

・文字とノートの色彩に差が生じないよう、白以外の色のノートを活用する(緑色、茶色など)
・色付きの眼鏡を活用する
・書くときにスムーズに力を入れられるよう、下敷きを活用する
・ペンや鉛筆は、握りやすいものを選ぶ

など、使うものによって困難が緩和されるケースもあるのです。

落ち着いて書ける環境について工夫する・配慮をお願いする

職場において仕事を教えてもらうときや、指示事項が書かれたものを書き写すときなど、仕事において「書く機会」は現在でもあります。この様な場合に落ち着いて書けるよう環境について工夫することや、場合によっては職場に配慮をお願いすることも大切です。例の一部を紹介しましょう。

・パソコンやモバイル機器を使用し、できる限り「入力」する機能を活用する(文字のバランス、鏡文字などを意識する必要がなくなる)。
・やり取りはメールなどの通信手段を活用する。
・指示事項を箇条書きなどにしてもらうなど、シンプルな形で伝えてもらうようにお願いする(文字のつながりや連携を意識することが減少する)。
・簡単な指示は、口頭で伝えてもらう。必要に応じて録音もお願いしてみる。
・メモなどを撮影できるようにお願いする。

これらのような形で自分の特性にマッチした対処を見つけ、周囲にお願いするようにしましょう。

まとめ

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いかがでしたでしょうか。

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