一人暮らしができず、苦しむ精神障害者がいる。
単身で住んでいる精神障害者は少ない
精神障害を持つ方の多くが自立した生活ができず、苦しんでいます。内閣府の調査では、一人暮らしをしている精神障害を持つ方は全体の2割弱となっているのです。残りの7割以上の方は「家族と同居」しているのが現状になります。
グループホーム、福祉ホームに居住している方も含めると、一人暮らしができず、自立に不安を感じている方が多いのではないでしょうか。
しかし、やはり精神障害を持った方でも、同じように自立した生活を送りたいものです。今回は、一人ぐらいをしたい精神障害を持つ方のための方法を紹介します。
まず、精神障害を持つ方の一人暮らしを阻む「3つの心配」を説明します。
精神障害者の一人暮らしを阻む「3つの心配」
1)経済面
家賃、食費、光熱費などの支出に加えて、医療費や諸雑費なども必要になります。一人暮らしに不安を感じている方の多くは、この経済面を心配している方が多いのではないでしょうか。
さらに精神障害者の平均月収は、平成24年調査時「12万9千円」と統計が出ています。翌平成25年調査時には「15万9千円」まで上がり、今後も上がるとみられていますが、現時点では経済的自立は難しい金額です。
このような事情から、働いていても家族と同居しているケースが多いのではないでしょうか。
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2)精神面
一人の時間が増えるため、悩み事や苦しいことがあるときに話せる相手がいません。孤独を感じてしまうことに不安を感じている方も多いのではないでしょうか。
また、具合が悪くなった時の精神的なケアなどもないため、「辛くなったらどうしよう」と心配している方もいるのではないでしょうか。
さらには、火の元や施錠の管理も一人でしなくてはなりません。気にすることが増えるため、精神的負担が心配されます。
3)体力・生活面
仕事はもちろん、家族と住んでいたときにはしていない場合もある「家事」をすることになります。
〇食事や入浴の準備
〇掃除洗濯
〇区役所などの事務手続き
〇日用品の購入
〇ごみ捨て、部屋の整理など
これらの家事を、家族と住んでいた時にも行っていた方もいるかも知れません。しかし、「自分でしないと誰もする人がいない」プレッシャーが加わります。
このような心配事を解消し、一人暮らしを達成するにはどのような方法があるのでしょうか。
精神障害者の一人暮らしサポート~不安の解消法
障害年金を受給できるかどうか、医療機関に相談してみる
障害年金を受給できない自由は「日常生活に大きな支障がなく生活ができる」ことが条件になります。一人暮らしだと受給できないと誤解されがちですが、需給を受けられる場合もあります。そのため家族の定期的な援助が必要など日常生活に支障があり「条件付きの一人暮らし」と認定されれば、障害年金を受給することができます。
一度医療機関に相談し、あなたの症状や生活状況が障害年金受給に該当するかどうかの確認をしてみましょう。
なお、受給中に一人暮らしを始めても、すぐに受給は中止にはなりません。
あなたが心地よい生活ができればよいと考える
一人暮らしを始めると、どうしてもこれまで住んでいた状況と比較してしまいます。
「マメに掃除ができない・・」「部屋が片付かない・・」など、実家などでクリアしていたこともできなくなることがあります。しかし、大切なのは「あなたが心地よく生活できるか」です。度が過ぎるのは問題ですが、必ずしも毎日行わないといけない、しっかりやらないといけないと感じる必要はありません。
あなたの家です。生活に問題がなければ、たまにはサボってもいいのです。必ずしも、完璧を目指す必要はありません。
服薬を続け、生活リズムを保つ
仕事をしながら生活をしていくために、これまで通り服薬を続けていきましょう。さらに一人暮らしだと制約がなく夜更かしなどをしてしまいがちです。健康を保つために、規則正しい生活リズムを心がけましょう。
さらに、一人暮らしの不安を同時に解消できる方法があります。それが、「テレワーク」です。
テレワークで、一人暮らしの生活費を稼ぐことができるかも!?
「一人暮らしをしたい!」と考えるあなたには、テレワークがおすすめです。テレワークとは、主に自宅などで職場とやり取りしながら行う働き方です。テレワークであれば、以下のようなメリットがあなたを後押ししてくれます。
【テレワークが一人暮らしをしやすくするメリット】
〇通勤時間がない。
→移動時間がないぶん、家事や休養、各種支払いなどに時間を有効利用できる。通勤電車などでのストレスがない。
〇職場で起きるストレスを軽減できる。
→精神的ストレスが少ないぶん、安定した生活を保ちやすい。
〇時間や場所にとらわれない、柔軟な働き方ができる
→体調に合わせて、自分でペースを決めやすい。業務終了後、買い物や区役所の手続きなどもしやすい。
〇場合によっては、副業・複業もできる。
→仮に障害年金が受給されなくなった場合でも、経済的な心配が少なくなる。
など、あなたが一人暮らしをしやすくなるメリットがあります。「一人暮らしのために、テレワークをやってみたい!」と感じた方は、ぜひ下記をご覧ください。
参考:在宅勤務ガイドライン
関連記事:副業/複業にはテレワークがおすすめ!メリットを紹介
関連記事:体調不良をテレワークで予防できる理由【精神障害を持つ方の復職】
障害を持つ方へ。『Salad』が強みを活かす就職のサポートをします
テレワークをしたいけれど、『スキルや知識に自信がない…』『どんな企業でテレワークができるのか分からない…』そんな不安はありませんか?そのような不安がありましたら、ぜひこのサイト「Salad(サラダ)」にご相談ください。
まとめ
いかがでしたでしょうか。元々あらゆることに不安に感じやすい方も多いのではないでしょうか。そのため、一人暮らしにも不安を感じやすいかもしれません。しかしあなたが暮らしやすいための工夫をすれば、一人暮らしも可能です。
その近道の一つとして、テレワークがあります。興味のある方は、ぜひトライしてみてください。
【筆者紹介】
Salad編集部員。1980年生まれの男性。ASD(自閉症スペクトラム)の診断を受けており、過去にうつ病を発症した経験がある。テレワークにより、体調不良の大きな原因である『周囲の人間の負の感情』を解消することができた。