精神障害は就職に不利って本当?就職するにはどんな対策が必要なの?

精神障害者雇用の職場定着が低く問題になっている

精神障害を持ちながら仕事に向けて意欲を見せる女性

精神障害を持つ方は、他の障害を持つ方と比べて職場定着率が低い。

法律の改正の影響もあり、精神障害を持つ方の就職件数が増えています。しかしながら就職後3か月でおよそ3割、就職後1年ではおよそ半分の方が離職しています。身体障害・知的障害を持つ方と比較しても、職場定着率は低いです。

参考:精神障害(精神疾患)の特性(代表例)|厚生労働省
参考:障害者職業総合センター研究部門 障害者の就業状況等に関する調査研究(平成29年)

精神障害は目には見えないぶん、企業も配慮に困りやすい

障害者雇用促進法で、障害を持つ方に合理的配慮を行うよう定められました。他の障害であれば、設備の設置や介護者の配置など企業も対策が明確です。

しかし精神障害の場合は、見た目ではあなたの辛さが分かりづらいです。対応に慣れていない企業ですと、「急に具合が悪くなっても・・どうしたらよいかわからない」と配慮手段に困ってしまいます。このような背景から、「精神障害は就職に不利」という声が出ているのではないでしょうか。

しかし、これからお伝えする対策を行えば、精神障害を持つ方でも就職ができます。
かつ、職場に定着できるための大切な方法になりますので、ぜひ参考としてください。

精神障害を持つ方が、就職するために必要なこと【不利を解消しよう!】

状況の解消に努める、精神障害を持つ女性

1)あなたの障害特性に具体的に伝える。

企業も漠然とした症状から、適切な配慮をすることは難しいです。そのため対策として
〇あなたがどんなことで苦労をしているのか。
〇仕事の際にどんな症状が現れるか。
〇どのような配慮をすれば解決できるか。

この3つを明確にして伝えましょう。

【例】
〇急な気候の変化があった時に、突然体調が悪くなることがあります。天気予報などを確認し、該当しそうなときは事前に伝えるように致します。その際は早退させてください。
〇仕事中、突然パニックになるときがあります。原因は人の怒鳴り声などを聞いた時です。そのため、人の少ないフロアや離れた隅の席を希望します。こちらの対処として、ヘッドフォンを着用すれば症状が軽減されます。

可能であれば利用させてください。

2)「ナビゲーションブック」を作成する。

「ナビゲーションブック」とは、障害者職業総合センターによって推奨されているツールです。あなたの障害をわかりやすくまとめて、就職活動や職場定着を円滑に進めることが目的です。

面接の短い時間だけでは、伝えきれない症状もあるかも知れません。そのため、事前に作成して企業に分かりやすく「あなたの辛いこと」を説明しましょう。

作成方法に迷ったら、就労移行支援事業所や各地域の就労支援センターでアドバイスを受けられます。もし相談先に迷うのであれば、こちらを参考に検索してみてください。Saladが実際にお伺いして取材した就労移行支援事業所を紹介しています。

参考:障害者職業総合センター 「第2章 ナビゲーションブックの作成方法」

関連記事:「ナビゲーションブック」とは?就職活動で精神障害の特性を伝えよう

3)企業の課題を把握して、貢献できる役割を提案する

相手に任せすぎないことも大切です。企業が、障害を持つ方に仕事を任せようと考えた場合に、まだまだ「このくらいのレベルであればできるのでは」と、弱点に目線を合わせられた求人が多く、強みを活かせる仕事がまだまだ少ないことが現状です。

その場合に、あなたが企業の課題を把握して、その課題の解決のために自らができることを提案できるようになると、あなたの強みを活かした役割を用意してくれる可能性を高めることができます。振りを解消した就職が可能となります。

関連記事:【どんな質問をされるの?】障害者枠で面接を受ける方が準備すべきこと

このように、あなたの障害を企業に分かりやすく伝えることができれば、企業も安心できます。さて、あなたが就職後職場に定着するためにはどのような準備が必要なのでしょう?

次はあなたが就職後に長く働き続けるために必要な、「心がけること」をご紹介します。

精神障害を持つ方が、職場定着のために心がけること

精神障害について相談している様子

1)医療機関とよく相談する。

精神障害を持つ方にとって、一番の離職理由は「健康面の問題」です。それだけ本人だけで体調を管理することが難しいのではないでしょうか。対策として、かかりつけの医師など、医療機関によく相談しましょう。仕事をしていくうえでどんなことに注意すればよいか。服薬や環境変化によって体調がどう変わっているか。定期的に相談し、確認しておくと安心です。

2)医師の指示に従って服薬し、必要であれば職場にも状況を伝える。

仕事を始めると、忙しさからつい服薬を忘れてしまいがちです。

また、眠気などの副作用がある場合、仕事に集中するために服用しないという経験はありませんか?服薬はあなたの体調安定をはかる、重要なツールです。必ず医師の指示通りの用法・容量を守って服用しましょう。

もし、「薬を飲んでいると眠くなって仕事ができない・・」などの場合は、その旨を職場にも伝えましょう。事前に伝えておけば、職場も配慮をする準備ができます。こちらの記事に、精神障害を持つ方にも必要な服薬の注意点を紹介しています。詳しく知りたい方は参考としてください。

3)支援機関とよく相談して、職場での対策を考える。

仕事においての問題や悩みについて、支援機関に相談しましょう。可能であれば、はじめは定期的に相談する機会を設けてもらうと安心です。

〇自分の症状について上司にどう伝えればよいか。
〇人事異動があり環境が変わった時にどう対応するべきか。

など、困った時にひとりで考えずサポートしてくれる方がいることは大切です。もし相談先に迷うのであれば、下記のご案内「障害を持つ方へ。『Salad』があなたらしく働ける就職のサポートをします」をチェックしてみてください。

4)あなたなりのリフレッシュ方法を考える。

体調管理については医師によく相談するように、とお伝えしました。

しかし、健康管理のために、あなた自身で体調を管理するスキルも必要です。したがって、あなたなりの疲労やストレスを解消する「リフレッシュ方法」を用意しましょう。仕事を意識する「オンオフ」を明確にし生活のリズムを保つことで、あなたが長く職場で働ける土台ができます。

関連記事:仕事を上手に休む方法【精神障害を持つ方が仕事を長く続けるヒント】

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まとめ

豊かな社会へ

いかがでしたでしょうか。

精神障害に対する対策は、身体障害や知的障害と比べて歴史が浅いです。「前例がない」という理由であなたが辛い思いをしないよう、しっかりと自分の特性を理解し伝えていきましょう。

採用後も医療機関・支援機関と相談しながら、自己理解を深めていきましょう。事前に対策を行えば、離職を防ぐことができます。周囲に理解されず辛い思いをされているかもしれません。この記事が、そんなあなたの不安を解消するきっかけになりましたら幸いです。

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