パニック障害とは
パニック障害の症状
理由なくとつぜん動悸、めまい、呼吸困難、発汗、息苦しさなどの症状(パニック発作)がおき、そのために生活に支障が出ている状態をパニック障害といいます。
電車やエレベーターの中などの閉ざされた空間にいると「逃げられない」と不安になり、発作を起こしたり外出できなくなったりしやすくなる場合があります。
パニック障害の特徴
パニック障害になると、パニック発作を繰り返し起こします。
パニック発作は5~20分以内の短い間におさまることが多いです。
パニック障害には「また発作が起きるのではないか」といつも不安になってしまう症状もあり、これを予期不安と呼びます。
また、パニック障害の患者は以前に発作を起こした場所や、発作が起きやすい場所、助けを求められない場所などを恐れる症状もあります。
これは広場恐怖と呼ばれます。
パニック発作が繰り返し起きること、予期不安と広場恐怖があることがパニック障害の特徴です。
パニック障害の原因
パニック障害になるはっきりとした原因はわかっていません。
パニック障害になる人は意外に多く、一生の間にパニック障害を経験する人は100人のうち1人程度といわれています。
また、男性よりも女性が発症しやすいといわれています。
パニック障害の治療
パニック障害になったら病院へ行くべき?
動悸などの症状は心臓や甲状腺の異常などの病気の場合もあるので、パニック障害を疑う場合、まずは内科を受診して身体的な異常がないかを調べます。
身体的な異常がないのにパニック発作が続く場合は、精神科や心療内科を受診して医師に相談しましょう。
パニック障害の治し方
パニック障害は薬物療法が効果を発揮しやすいといわれています。
パニック障害の薬物療法では、主に抗うつ薬や抗不安薬が用いられます。
また、薬物療法に加えて認知行動療法を行うと効果が高いとされています。
パニック障害の人によくある困りごと
外出ができなくなる
閉じられていて、途中で外に逃げることのできない電車(交通機関)の中はパニック発作を起こしやすい場所の一つです。
通勤に電車やバスなどを利用している場合、パニック障害になると職場への通勤・退勤の際に発作を起こし、仕事に遅刻したり行けなかったりする可能性があります。
発作をおそれる予期不安がある
予期不安と広場恐怖があることで、以前発作の起きた状況や発作の起きそうな状況を避けるようになります。
発作自体よりもさらに外出などの日常生活に影響の出やすい症状です。
発作の起きそうな状況(外出)を避けるために、仕事を辞めてしまうこともあります。
うつ状態になる可能性もある
パニック障害はうつ症状をともなうこともあります。
逆にうつ病の人がパニック障害になる場合も多いといわれています。
予期不安のためにうつ病を発症する場合もあります。
パニック障害やうつ病を疑う症状が現れた時は、早めに医療機関を受診して治療しましょう。
参考:パニック障害とうつ病は併発しやすい?2つの病気の関係について – 心療内科・メンタルクリニック・精神科|神楽坂こころのクリニック
パニック障害をもち、仕事をつづけるには
通勤の困りごと
乗り物を利用して通勤する人が多いので、パニック障害で今まで通りに通勤や通学ができなくなると、仕事や学校生活に支障が出ます。
不安を軽減するための対策としては、停車駅の多い各駅停車を利用する、途中下車しても大丈夫なように時間に余裕をもって出勤する、出入り口の近くに乗車するなどがあります。
障害者雇用の場合
障害者雇用で働いている場合、障害者とそうでない人の機会や待遇を平等に確保するために、事業主に合理的配慮を求めることができます。
たとえば混雑している電車でパニック発作が起きやすい場合、通勤ラッシュの時間帯を避けた時差通勤ができるよう認めてもらえるかどうか、リモートワークができるかどうかなど、支援者や産業医を通して会社と相談してみるのもよいでしょう。
通勤をなくす
パニック障害が理由で仕事ができないと、パニック障害自体の不安に加えて収入が得られないことで生活できないのではないかという経済的な不安が強くなる場合もあります。
治療のために、通勤をしなくてもできる在宅勤務(テレワーク)の仕事に転職するという選択肢もあります。
通勤の負担と仕事ができない罪悪感を減らすことができるので、思い切って転職を検討するのもよいでしょう。
いったん仕事を休んで治療に専念する
頻繁にパニック発作が起きる場合や症状がひどい場合は、無理をしすぎず、一旦仕事を休んだりやめたりして治療に専念し、よくなってから復職することもできます。
職場・生活や通勤などの環境を変えることで症状が軽減するケースもあるので、休むこと=悪いことと思いつめずに、選択肢に入れておくようにしましょう。
病気で仕事を休職した場合には傷病手当金、退職した場合には雇用保険の失業等給付のうち基本手当(いわゆる失業手当)を受給できる場合があります。
手続きを知りたい場合や、休職や退職に際して不安がある場合は、主治医や勤務先の産業医、支援者などに相談してみましょう。
関連記事:今すぐ必要!どうすればいい?緊急時の相談窓口まとめ
関連記事:関連記事:パニック障害を発症したら仕事できない?仕事を続けられる方法は?
参考:障害を理由とする差別の解消の推進 – 内閣府
参考:病気やケガで会社を休んだとき | こんな時に健保 | 全国健康保険協会
参考:ハローワークインターネットサービス – 雇用保険手続きのご案内
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まとめ
安心して過ごせるようにできること
パニック障害は決して珍しい病気ではありませんが、仕事や生活に大きな支障が出やすい病気です。
にもかかわらず身体的な症状と思い込んで、精神科や心療内科へ受診しない人が多い傾向があるといわれています。
長期化すると慢性化したり、うつ病を併発したりする可能性もあるので、パニック障害を疑う症状がある場合は早めに専門医を受診することをお勧めします。
参考:パニック発作とパニック症 – 10. 心の健康問題 – MSDマニュアル家庭版
参考:パニック障害|こころの耳:働く人のメンタルヘルス・ポータルサイト
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