パニック障害の症状は、予期せず突然に起こる
パニック障害の症状
パニック障害の症状には、
〇動悸、息切れ
〇急激な不安感
〇めまい、貧血症状
〇発汗、体温が奪われていく など
があります。
それまで健康な状態でいても、パニックになる「原因」に直面すると、突然症状が起きる障害ですその他パニック障害の概要に関しては、こちらの記事を参考としてください。
参考:パニック障害・不安障害|疾患の詳細|専門的な情報|メンタルヘルス|厚生労働省
参考:パニック障害・不安障害|病名から知る|こころの病気を知る|メンタルヘルス|厚生労働省
電車は便利な通勤手段。でも、パニックを起こしやすい空間でもある。
パニックを起こす原因はさまざまです。その中で、電車に乗るとパニック症状を起こしてしまう方が多いです。
しかし、「それでも仕事をするために電車に乗るしかない」という方も多いのではないでしょうか。
「職場に向かうのに、どうしても電車に乗らないといけない・・」
「満員電車が辛い・・でも、乗らないと会社に行けない・・」
ということはありませんか?
今回は、パニックになりやすいのに、どうしても電車に乗らないといけない方のために、
〇「なぜ」、電車に乗るとパニックになってしまうのか。
〇「どのように」、パニックを予防して電車に乗るか。
この2点について、解説したいと思います。まず「なぜ?」電車に乗るとパニックになりやすいのか。原因をご紹介します。
電車に乗るとパニック障害が起きるのは、なぜ?
閉鎖された空間である
電車でパニックを起こしやすい場合、エレベーターなどの狭く閉鎖された空間が苦手なことも多いです。閉鎖空間が苦手なことはありませんか?
仮に満員電車でない場合でも、「密室状態でつらい」のように、縛り付けられている感覚を受けるケースがあります。
一定時間拘束され、自由に降りることができない
電車の中のため、移動中、自由に乗り降りができません。「何かあっても降りられない」という不安を感じていませんか?
「自由に身動きが取れない」ことで、障害を持たない方以上に閉塞感を持ってしまいます。
酸素が欠乏しやすい
満員電車などで「充分に呼吸ができない」と感じ、過呼吸状態になってしまいます。
原因として、「実際に人が多く、車内の密度が高いために呼吸しづらいケース」と、「車内にたくさん人がいて、『酸素が足りないのではないか』と不安になるケース」があります。
他者と多く対面すると、ストレスを感じる
実際にトラブルがなくても、ただ「自分と違う感覚の人間がいる」というだけでストレスを感じます。そのため、対人不安や対人緊張などの症状を持っている方に多いです。
相手の行動や心情が読めないために、「何かあったらどうしよう」と不安が高まります。
電車で行く先の物事に不安を感じている
過去に電車通勤で仕事をした職場で、辛い体験をしているケースです。「電車」という手段をきっかけに、職場の嫌なイメージを思い出してしまいます。
このような原因から障害を持つ方にとって、電車の中はパニックになりやすいです。
「それでも、会社に行くには電車しか方法がない・・」「電車以外の通勤を認めてもらえない・・」という方のために、パニックを起こさないように電車に乗る方法をご紹介します。
パニック障害を持ちながら、電車通勤をしたい方の対処法
1)医師に相談。薬を常に『お守り』として持っておく
まずは医師に「電車に乗るとパニックになる」旨を相談しましょう。抗不安薬など薬が処方されたら、常にすぐに飲めるように持っておくことをおすすめします。薬を常備していれば、パニックになったときに服用することで症状が緩和します。
また、『お守り』として持っているだけでも、「パニックになったらこれを飲める」と感じて気持ちが安定します。
2)満員電車の時間帯を避ける
朝早めに準備をして、満員電車の時間帯を避けることも手段の一つです。反対に、ピークを避け業務開始時刻を遅くしたい場合は、職場の方に相談してみましょう。
3)すぐに降りやすい各駅停車の電車に乗る
主要駅しか止まらない「急行」「特急」や「快速電車」などですと、停車駅が少ないです。そのため、すぐに降りられないパニックになる可能性が高くなります。
反対に各駅停車に乗車すれば、降りる機会は多くなります。降りる機会が多ければ、パニックになってもすぐに降りることができます。また、「すぐに降りられる」と感じるだけでも、パニックになるリスクが低くなります。
4)ヘッドフォンをつけるなど、感覚を緩和する対処をする
電車によってパニックになる方は、五感のうちのどれかが過敏に働いているケースがあります。各過敏な感覚ごとに対処の例を挙げてみました。
【過敏な感覚を緩和する例】
〇視覚・・・乗車中のみ、本やスマートフォンを見るようにする。
〇嗅覚・・・マスクを着用する。
〇聴覚・・・ヘッドフォン、イアーマフなどを着用する。
〇触覚・・・満員電車を避ける。
〇その他の感覚・・・自分の心地よいスペースを見つける工夫をする。
などの工夫を行い、過敏な感覚を緩和しましょう。ただしあくまでも「乗車の感覚を緩和するため」ですので、気を取られ過ぎないように調整しましょう。
電車に慣れる
「電車に慣れる」という方法も改善法の一つです。電車に乗っても、「パニックにならなった」と体験を重ねていけば、安心して乗車できるようになるケースもあります。
ただし、はじめのうちはできる限り、他の方に同伴してもらうようにお願いしましょう。
ここではバスや車など、「他の交通手段の利用」という手段は紹介していません。今回はあくまでも電車のみしか手段がない方に焦点を当てています。もし、「他の交通手段だったら大丈夫」という方は、そちらも検討してみてください。
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まとめ
いかがでしたでしょうか。
「電車に乗れない」のは、仕事上も、私生活でもつらいことですよね。「何かはわからない、『何か』があったときにどうしよう」という不安を抱えて毎日通勤するのは心身に負担がかかります。あなたは、それだけで十分に頑張っています。
それなのに、パニック障害であなたの働き方が狭まってしまうのは本当に辛いことです。
しかし不安を回避して、万全に近い状態を継続できれば、あなたでも職場定着は可能です。希望の働き方を目指すこともできます。あきらめず、少しずつ困難を改善していきましょう。