【筆者紹介】
Salad編集部員。30代男性。広汎性発達障害、ASD(自閉症スペクトラム)の診断を受けている。過去に2か所の職場でおよそ10年事務職を経験。その中でエクセルやワードを多く使用してきた。エクセルとワードに関しては休職中に教室に通い、マイクロソフト・オフィス・スペシャリストの資格を取得。現在もテレワークにて、同ソフトを活用している。
エクセル・ワードは今でも職場で使われている
事務職をしていた時に、エクセルやワードを使用した
エクセル(Excel)・ワード(Word)とは、マイクロソフト社が開発・発売しているソフトです。
エクセルは主に表計算やグラフに使用するもので、筆者の場合(数式の入った)書類様式としても使用した経験があります。ワードは主に文書作成ソフトで、報告書や通達の様式によく使用しました。
始めの職場でも、次の障害者雇用としての職場でも、エクセルとワードを活用したのです。
様々なシステムが生まれる中、今もエクセル・ワードを使用する職場はある
現在では企業独自のネットワークやシステムを持ち、そのシステムに入力するだけで給与計算や文書様式ができる仕事も経験しました。今後はRPAなども浸透し、さらに事務職のイメージが変わっていくかもしれません。
しかしながら、それでもエクセルやワードは今でも根強く職場で活用されています。
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しっかり学んだのに、時間が経つと忘れて仕事で使えない
筆者は初めの職場(公務員)で、エクセルとワードは多く使用していました。一時的にですが、エクセルを用いて独自に職場で扱うシステムファイルを開発するチームにも入っていました。ワードも問題なく使用しています。
それなのにうつ病で休職後、資格取得のために教室に通いました。その時、覚えていたことをほとんど忘れてしまっていたのです。
さらにそうして教室に通ってまで覚えたことも、次に障害者雇用として就職した職場で使おうとしたとき「これはどうやってやるんだっけ…?」と思い出すことに大変でした。
その後通った就労移行支援事業所でも、エクセル・ワードを学びました。ここでもそれまでに覚えたことは半分くらい忘れてしまっていました。
このようにどうして学んでも使えないのか、悩んだ経験があります。
今回はこのような筆者の経験をもとに
・本や教室でエクセル・ワードを学んでいるのに、どうして仕事で活かせないか
・就職してもエクセルやワードを活かすために、どのような学び方をしたか
こちらについて紹介します。
・今後障害者雇用などで、事務職を希望している
・就労移行支援事業所などで学び方に苦労している
このような方は、ぜひ参考にしていただけると幸いです。
【エクセル・ワード】学んだのに仕事で使えない理由
①断片的に覚えていて、覚えた機能を関連付けられない
筆者は2か所目の職場に勤務の際、あらかじめ職場で使われているエクセルファイルをメインに仕事をすることになりました。
使う機能や流れなどは先輩社員から伺っていました。しかし、
・どこをどう動かしたらよいか
・どこが触ってはいけない箇所なのか
が分からず、混乱してしまいました。実際に本などを読もうとしても、「今現在問題になっている機能が、マニュアルのどこに該当するのかが分からない」のです。
②ゼロからファイル様式を作るとなると、段取りが分からない
本で学ぶこと、教室で学ぶこと。共通しているのは「与えられたものをこなす」ことになります。勉強した時提示された課題をクリアできていれば、仕事でも使えるかなと考えていましたが、無理でした。
①のようにひとつひとつの機能をどういった場面で活かせるかが分からない状態です。そのためゼロからファイル様式を作る必要があった時、何から手を付ければよいか迷ってしまいました。
③想定外の事態に混乱してしまった
その他、「こう動かしたいのに、動かない」「ここはロックがかかっていて操作できなくなっている」など、想定外の事態に混乱してしまいました。
習ったもの以外の事態が起きたときの混乱は、特に大きなものでした。
就労移行支援で、仕事で使うことを前提として学び直した
筆者はさらなるステップアップのために、職場を辞め就労移行支援事業所に一年間通いました。事業所でも「再確認」の意味でエクセルとワードを学び直したのです。
ここではこれまでの経験から、少し学び方を変えました。より就職後活用できるにはどうしたらよいかに絞って学んでいくことにしたのです。
さて、どのような点に注意して学んだのかを紹介していきます。
仕事で活かせるエクセル・ワードの覚え方について取り組んだこと
①インプットで終わりにすると、忘れやすいことに気づいた
まず、職場でどうして学んだことを活かせなかったのかを考えるところから始めてみました。
その原因は、「インプットで終わりにしていたから」でした。どうしても与えられた項目をクリアするだけでは、仕事の中でどの機能が活かせるか「関連付け」が難しくなります。また、学んだ項目の中から必要な知識を選んで作るということもできないことに気づいたのです。
②自分でテーマを考え、独自にファイルを作成してみた
就労移行支援に通所中、エクセルの項目を全て学んだあと『課題テスト』がありました。筆者の場合このテストを行わず、別の方法で学んだ成果を表現したのです。
通所中に学んだ項目をすべて活用して、『通所記録表』を作成しました。筆者に必要なことは「応用力」であると感じており、自分なりに学んだことを『アウトプット』してみようとトライしたのです。
このように独自に0からファイルを作ったことで、様々な機能を関連付ける訓練にもつながったのです。
ちなみに学び方についてはスタッフの方にお伝えしつつ行ったもので、テストを受けることも大切な学び方の一つであることを覚えておいてください。
③ファイル作成時、どこにどの機能を使ったか記録しておく
こうして作成した際に使用した機能を、記録するようにしました。どこにどのような機能を使ったかなど、分かりやすくするためです。これにも、下記の理由があります。
・仕事で作成したファイルを他者に引き継ぐとき、説明が大変だった経験が あるため。
・同様のファイルを別の場面で使うときに、再度学び見直す手間を省くため。
これらの理由から、作ったものに関しては機能を記録していきました。こうして「他者に伝える用の知識」としても学ぶことでより「想定外の場面」を減らし、実践としても使用できると考えたからです。
就労移行支援でエクセル・ワードを学びたいときは、Saladにご相談ください
今回は、就労移行支援などでエクセルやワードを学んでいる方に「職場でも使えるためのヒント」として、筆者の経験を紹介しました。
また、筆者のように就労移行支援事業所でエクセル・ワードを学んでみたい!と感じた方は、ぜひSalad編集部までご相談ください。
Saladでは、障害を持つ方のニーズに合った事業所探しのお手伝いをしております。こちらにSaladで取材しました事業所を紹介しております。事業所の雰囲気などを事前に知りたい場合はぜひ参考としてください。
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まとめ
いかがでしたでしょうか。
筆者は、テレワークを行っている現在もエクセルとワードを使っています。やはり使い続けなければ、どんなに工夫して覚えていても忘れてしまうものだからです。さらにはソフト自体も進化していますから、使い続けなければ差が広がってしまいます。そのため、仕事だけでなく私生活においても活用するようにしています。
勉強しても仕事に活かせないことで悩んでいたら、ぜひこの記事をきっかけに学び方を見直してみましょう。