発達・精神障害の改善には、セルフケアが必要
精神的な不安やストレスに悩む
「どうせまたダメに違いない」「みんな全員、自分のことを嫌っているのだろう」など自分に言い聞かせていませんか?
発達障害や精神障害を持っていると、このようなネガティブな思考になりやすい問題があります。不安になる必要がない時や悩む原因がないときなどでも不安が解消されなくて、苦しいことはありませんか?
体調を崩さないよう、セルフケアが必要になる
自分を追い込むことや責任を持つことは、生活において大切なことです。しかしながら限度を超えて自分に負荷をかけてしまうことは危険です。
発達障害や精神障害を持つ方は、ストレスを無意識のうちにため込むケースがあります。疲労に気づくことなく無理を続けて、気が付いた時には体調を崩してしまっていた、というケースも多いです。
このような事態から職場から離れてしまうのは、本当にもったいないことです。これらを予防するためには、心の「セルフケア」が必要になります。
セルフケアには『認知行動療法』が効果的
認知行動療法とは
「認知行動療法」とは、自分の中の「思考のくせ」を見つけて考え方や行動を改善することでケアをしていく方法です。
ストレスや不安のもととなるネガティブな思考「非適応的認知」を修正して、ポジティブな思考「適応的認知」に変えていきます。
先ほどの例で言えば、
○非適応認知
『どうせまたダメに違いない』・・・悪い部分しか受け入れていない状態を、
○適応的認知
『ダメな可能性もあれば、良い可能性もある』・・良い部分と悪い部分を受け入れている状態
という考え方に変えていくことです。このように「ポジティブな思考」といっても何でも前向きに考えることとは異なります。
物事のいい面と悪い面を受け入れて、事実のありのままを理解していく作業になります。
やり方は簡単。専門知識は不要
この段階では、「自分には難しくてできそうにないかな…」「専門家のやることかな…」と感じる方も多いのではないでしょうか?
実は、やり方は非常に簡単です。もちろん、自分で行うことができます。
それでは、どのように認知行動療法を行うか、流れを見ていきましょう。
精神的に辛い時のセルフケアの流れ
今回は、『どうせまたダメに違いない』という思考の例で流れを紹介していきます。
1)どうして辛いのかを検証してみる
【『なぜダメだと思うのか』を考えてみる】
まずは今自分がどうしてネガティブな思考になっているのか、どうして辛いのかを改めて検証します。
コツは「そもそもどうして・・」をつけて考えてみると分かりやすくなります。「そもそもどうして自分はダメだと思うのか」と言った感覚です。
2)辛くなる思考の「くせ」を見付ける
【『ダメと思うパターン』を探してみる】
上記のようにネガティブな「どうせまたダメに違いない」という思考になりやすい「くせ」を考えていきます。仕事でミスをしたときやコミュニケーションがうまくいかなかったときなど、さまざまな事情があるでしょう。
そのような「自分が不安になりやすいパターン」を見つけていきます。
3)過剰な思考、偏った思考を正していく
心身に負担がかかるような思考は、偏った思考から来ているものが多いです。
「白か黒か」
「0か100か」
「ダメなら全員ダメ」
「ルールを守らない人間は絶対許さない」などの「自動思考」が関係しています。
自動思考とは、人間が無意識のうちに(自動的に)感じている思考のことです。今回の「どうせまたダメに違いない」もこの自動思考です。
このような偏った自動思考に気づいていき、少しずつ正していきます。
関連記事:発達障害を持つ方が「白黒思考」に苦しむのはなぜ?職場での予防法
4)少しずつ、事実を客観視できるようになる
この方法を続けていくと、少しずつ事実を客観的に見られるようになります。事実とのギャップをなくしていくことで、ストレスや不安も軽くなっていきます。
「今回はダメだったけど、次もダメとは限らない」というゆとりを持った考え方になることで、健康的な生活に近づけます。
これが、認知行動療法の主な流れになります。
認知行動療法は、あらゆる症状の改善に役立つ
認知行動療法は、あらゆる「心の症状」を改善するのに役に立ちます。社交不安障害、パニック障害、うつ病など様々な症状に効果を発揮します。
もちろん、治療のみでなく症状を予防するときにも効果があります。
関連記事:社交不安障害の症状とは?「性格だから」とあきらめないで!
関連記事:【パニック障害への認知行動療法】自分で対処する方法と注意点3つ
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まとめ
いかがでしたでしょうか。
「認知行動療法」という言葉だけを聞くと馴染みがない、自分にはできないことなのかなと遠慮がちになるかもしれません。しかしながら、認知行動療法はこのように特別な知識や用具を用いない手軽にできるセルフケアです。
健康管理にも役立ち、考え方のくせを知る中で自己理解にもつながります。上記に挙げた症状以外にもさまざまな「心のケア」に認知行動療法は活用されています。
興味がありましたら、ぜひ検索してみてください。