ラテラルシンキングとはどんなもの?
ラテラルシンキングとは
ラテラルシンキングとは、英語で「水平思考」と言う意味を持つ思考法です。筋道を立てる・分類や細分化を重視する「ロジカルシンキング」とは異なり、物事を抽象化し本質や大もとを考えることが特徴になります。
ラテラルシンキングは、発達障害の思い込み対策にもつながる
ラテラルシンキングは、「こうであるに違いない」という『前提』を疑うところから始まる思考法です。『前提』とは周囲が持つ常識や自分の中で感じている「ルール」なども含まれます。そのため発達障害を持つ方に見られやすい、偏ったこだわりや極端な思考への対策につながるかもしれません。
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今回はそのようなポイントも踏まえ、ラテラルシンキングについて解説していきましょう。
ラテラルシンキングの特徴・ポイント
1:前提(常識を疑う)
先ほども触れたように、前提は社会常識や「こうであるに違いない」と意識している物事が該当します。
例えばかつては終身雇用が主流でしたが、現在はさらに多様なワークスタイルに変化していますよね。これも当時は『終身雇用がベスト』という『前提』があったわけです。そこを『今は良いけれど、この先もそれで良いのだろうか』と疑うのが、ラテラルシンキングの流れになります。そうしてラテラルシンキングを重ねたことで、時代が変化して来たのかもしれませんね。
2:抽象化する
「抽象化する」と聞いても、ぴんと来ないケースもあるでしょう。抽象化とは、具体的な事物から物事の本質を突き詰めていく作業になります。本質的なテーマになり、より範囲が大きくなることで抽象的なものに変わるのです。
分かりやすく先ほどの「終身雇用→多様な働き方への進化」の例で説明してみましょう。「終身雇用」という具体的なワークスタイルから「人が働くということ→人が生きる(活きる)ということ」というように本質に向かうことで、具体的なイメージから抽象的(漠然としたもの)なイメージに変化していくのが分かりますでしょうか。
このように、「そもそも、どうなっているのが良いのか」という本質を見直す作業なのです。そのため、本質から筋道立てて具体化していく「ロジカルシンキング」とは対極の動きをしていると言えるでしょう。
3:セレンディピティを利用する
「セレンディピティ」とは、
・予測していなかった偶然によって幸運に直面すること
・幸運な偶然を活かす力
この2つのいずれか、もしくは両方の意味を含む場合をいいます。起きた出来事を受けて、「これは何か成長のチャンスなのかも」と意識することなどがこれに該当します。このようにラテラルシンキングでは、起きた偶然からどれだけチャンスを得られるか、どこまで「偶然」をキャッチできるかがポイントです。
ラテラルシンキングの発想法の種類
ラテラルシンキングの発想法の種類には、さまざまな種類があります。
ランダム発想法
無作為に名詞を選び、自分が興味のある分野と結びつけて発想を広げていく方法です。例えば、就職活動中の人が「ゲーム」と言う名詞を選び「ゲームを作る仕事はないか」「プロゲーマーになれるかどうか」と思考を広げていくのです。ここも「ゲームを仕事にできるはずがない」という前提を疑っています。
刺激的発想法
物事や状況に対して、「こうなればよいのに…」という願望を軸にした発想法です。物事への願望をかなえるために、奇想天外なものも含めた様々な発想を考えていきます。その中で、最も刺激の強いと感じる発想を選択する発想法なのです。
挑戦的発想法
物事に対して、「なぜ存在するのか」という根本的な部分を徹底的に考え、そこから斬新なアイディアを考える思考法です。例えば「なぜ、二段ベッドにはハシゴがついているのか」という『ハシゴが存在する理由』から発想を進めていきます。そこから「降りる時にけがをしないよう、滑り台をつけてみよう」などアイディアを進めていくのです。
ラテラルシンキングを行うコツ
「ラテラルシンキング、魅力的だけど自分にできるかどうか不安…」と感じていませんか?次は、ラテラルシンキングができるようになるためのコツを紹介します。ここでは、コンタクトレンズの洗浄液のキャップを洗面所の排水口に落とした時を例にして説明します。
1:不満に気づく
コンタクトの洗浄液のキャップを洗面台の排水口に落としたとします。この時「落としてしまった…」と落ち込むのみや「なんで落ちるんだ!」と怒るのみでは、ラテラルシンキングにはつながりません。
ポイントは、この「落胆や怒り」などの不満に気づき、「落とさないようにするには…」という思考にスイッチすることです。これがラテラルシンキングへの第一歩です。
2:なぜ?と疑問に思う
次に、「なぜキャップが排水口に落ちるのか?」と疑問を持つことを意識してみましょう。場合によっては、疑問を口に出して言ってみるのもよいでしょう。疑問があることを明確にして、
・なぜ、排水口があるのか
・なぜ、キャップがあるのだろうか
この2つの要因に注目するのがポイントです。
3:それならば~と別の方法の有無を考えてみる
上記の2つの要因を踏まえ、最も良い方法を考えてみます。コツは、現実でないイメージでも良いということです。例えば「『それならば』、排水口なんてなければいい」「『それならば』、はじめからキャップが外れなければいい」など、常識的に考えて「それはおかしい」と思うことでも意識してみるのがポイントなのです。
そもそも、常識や前提を疑うのがラテラルシンキングです。普段無条件に受け入れているような物事でも疑うための、必要な作業であると覚えておきましょう。
4:どうやって?と3の解決策について考えてみる
3で理想をイメージしたうえで、「では、どう解決させていこうか」とイメージしてみましょう。様々な発想や案を広げながら、「あらかじめ排水口にふたをしてから作業してみよう」「排水口のないところに移動して作業をしよう」などの対策を考えていきます。
参照:ラテラルシンキングとは?ロジカルとの違いや鍛え方、おすすめ本もご紹介 | BizHint(ビズヒント)- 事業の課題にヒントを届けるビジネスメディア
この4つが、ラテラルシンキングを高めるコツです。この思考は一度解決策が出たら終わりではありません。過去に出た結論をまた「前提」として、思考を繰り返すことが大切です。
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まとめ
いかがでしたでしょうか。
考え方を工夫することで、性仕事などの成果の現れ方や感じるストレスなどのの改善に繋がる可能性もあります。今当前のルールように感じていることも、もしかしたら一個人が抱えている思い込みでしかない可能性もあるのです。その改善のきっかけに、ぜひラテラルシンキングを試してみてください。