HSPの特徴で当てはまる部分が多かった。
HSPとは
HSPとは、『Highly Sensitive Person』の略称です。世界で5人に一人の割合でいるとされ、直訳すると「とても繊細な人」という意味です。最近メディアでも「生きづらい人」として取り上げられています。
主な特徴として、「感受性が強い」「繊細、きめ細かい」「共感性が高い」などがあります。ADHD(注意欠如・多動性障害)やASD(自閉症スペクトラム)などの発達障害とは異なり、性格的な気質を指す用語です。
HSPの特徴に当てはまることが多い
筆者はHSPの性質の有無を判断するチェックテストを行うと、9割以上がHSPの対象に該当します。子供のころから周囲の感情の影響を受けやすく、常に心身に負担がかかっていました。
筆者はASDも併せて持っていますが、HSPの特徴も知ることでより自分の特性を理解することができました。
今回は、HSPの特徴に該当する点が多い、筆者の体験した
〇生きづらいと感じる特徴
〇仕事や私生活で向いている、活かせる特徴
をご紹介します。
参考:HPS(Highly Sensitive Person)ハイリー・センシティブ・パーソン | 仙台の心療内科・精神科・美容内科マドレクリニック
【HSP】仕事や私生活で「生きづらい」と感じること
他者の感情をもらって具合が悪くなる
これは職場や私生活で一番体調に影響する特徴です。自分の意志に関係なく、他者の感情が「明暗」のような形で感じ取ってしまいます。具体的な例を挙げますと、
〇子供のころ、母が弟を怒っているのを見て辛くなったため、泣いて止めに行った。
〇職場で怒りや不満、嫉妬などの「負の感情」を感じ取り、貧血気味になる。
などがあります。よく「もらい泣き」と言いますが、その感情のダメージのみ受けてしまうような感覚です。この特徴を話しても、周囲に理解されにくいのが辛いです。
職場での予防法としては、聴覚から入る情報をなるべくシャットアウトできるようにしていました。
五感から受け取る情報が多く、人混みだと具合が悪くなってしまう
五感から受け取る情報が多いです。特に視覚と聴覚から受け取る情報が多いです。なぜ、それで具合が悪くなるのかと言いますと、一人の人を目にすると、たくさんの情報が入ってきます。服装や髪型、話し方や感情の雰囲気まで・・とにかく多くの情報量が一度に頭に入ってくる感覚です。
そのため人混みとなると、一気に頭が情報であふれ、パンクしてしまいます。ひどいときは貧血気味になってしまいます。
事前に綿密なシミュレーションを立てないと動けない
これはASDの特徴、「定型パターンを好む」「臨機応変な対応が苦手」なことにもつながっています。特に他者が関わる行動の際、とにかく失敗しないように細かいところまで想定してシミュレーションします。
他の方は口をそろえて「考えすぎだ」「そんなのその場で適当にやればよい」と言われますが、スタートの時点でゴールまでの道のりが見えていないと不安なのです。
実際には想定通りいかないことの方が多いです。それを分かっていても一通り悩み切らないと安心できないので、周囲を困らせるときがあります。
過激な感情を伴う表現を見られない
テレビで暴力シーンを見たり、そういった報道を聞いたりするだけでも苦しくなります。耐えられないので、チャンネルを変えてしまいます。そのため、ニュースはネットで選んで見るようにしています。
最も苦手なのは、裏切りや嫉妬などのドロドロとした人間関係を見ると具合が悪くなります。人の感情の奥を推測しすぎて、気持ち悪くなってしまうからです。
沢山の特徴を知ることで、より自分自身への理解につながった
筆者ははじめ、ASDのみに該当していると感じていました。しかし、共感性が低ければ、相手の感情で具合が悪くなるだろうか・・と疑問に感じていました。ASDの特徴に該当しない部分もありました。周囲からは「すぐに具合が悪くなる体の弱い人」と誤解されているのが辛い時もありました。
HSPを知った時、それまでASDでは該当しなかった特徴が当てはまる感覚がありました。一つの障害や気質の特徴にとらわれず、沢山の特徴を知ることでより自分を理解できたことを体感しました。
最後に、筆者が自覚しているHSPの特徴でもって、活かせることをご紹介します。
参考:HSP(ハイリー・センシティブ・パーソン)とは?~HSPはうつ病になりやすい!?~|うつ病治療の新宿ストレスクリニック
【HSP】職場や私生活で活かせる特徴
一目見た時の情報量が多い
先ほど紹介しました通り、五感から受け取る情報量が多いです。特に視覚から入る情報量が多く、一目見て写真のように情報をキャッチすることや、人の細かな動きまで覚えられる特性があります。これは知人や妻から聞いて初めて気が付いた特徴でした。
細かい作業や物事に苦痛を感じない
細かい作業や複雑な物事をしていても、苦痛に感じにくいです。毎日、複数のノートにそれぞれ別の情報を記録することや、ごみの分別など些細な物事にも苦痛を感じないことを周囲によく感心されます。
穏やかな印象で声を掛けられやすく、相談されやすい
職場で別のフロアから入ってきた方が、誰に声を掛けたらよいか迷っているときがありました。そのようなときによく声をかけられていました。道端でもよく知らない人に道を聞かれます。声をかけてもよさそうな穏やかな雰囲気を持っていると言われます。
その影響か、よく同僚や後輩から相談されやすいこともありました。筆者自身、他者の面倒を見ることが好きということも大きいです。
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おわりに
いかがでしたでしょうか。
自己理解は、一つの障害や性質だけでは見えてこないことが多いです。発達障害に関しては、ADHDやASDの典型例に完全に一致する方の方が少ないとされています。
ですから、自分の特徴や活かし方を知るために診断を受けている特徴だけでなく、他の特徴にも目を向けることをおすすめします。そうすることで、これまで見えてこなかった解決策が見えてくるかもしれません。
【筆者紹介】
Salad編集部員。30代男性。広汎性発達障害、ASD(自閉症スペクトラム)の診断を受けている。2年前にHSPの存在を知り、小さいころから悩んでいた問題を思い起こすほどの特徴の一致を感じた。