エンパワーメントとは。特徴やメリットなど障害者にとっての必要性は

エンパワーメントとはなに?

エンパワーメントに耳を傾ける男性

エンパワーメントとは

エンパワーメント』とは、社会や組織・チームのひとりひとりが抑圧されることなく力を持つことです。これによりチーム全体に大きな影響を与えることをいいます。本質的な意味は「力を与えること」になりますが、近年では「自律性促進」「権限移譲」「能力開花」など広い意味で使われるようになりました。

自律性、主体性に深く関わる

エンパワーメントでいう『力』とは、自律性、主体性に深く関わります。そのため自分自身のコントロールはもちろん、周囲の環境の中でどう行動するかなどの想像力、判断力にも影響するのです。ですから困難に直面した際に乗り越える力にも結びつきます。

エンパワーメントによって力や権限を与えられることで、結果的に個人の自律や能力開花につながると考えられているのです。

参考:エンパワーメントとは? 意味、重要性、能力発揮への影響、メリット、組織への導入について – カオナビ人事用語集

エンパワーメントは、障害を持つ方の『自律』にもつながる

エンパワーメントが充実している男性

障害を持つ方の『自律』が活躍のカギになる

障害者福祉においても、エンパワーメントの重要性が注目されています。それは障害を持つ方が本来持つ能力や権限を発揮することが大切であることが考えられているためです。障害を持つ方が自らの判断で生活できる自信を身につけることが、仕事においても重要だと考えられるようになってきています。

Saladでも、「カスタマイズ就業」を基にした、障害を強みとして活かす働き方に注目しています。その際にも

・自己理解を深めること
・主体的に行動すること(自ら判断し、行動できること)

これらを大切なこととしてお伝えしています。詳しくは、こちらをチェックしてみてくださいね。

保護すべき対象という見方を改めるために考えられている

これまでの働き方は個々の能力よりも、『苦手な部分をサポートする』『同じ基準に矯正する』意味合いが強いものでした。しかし、その考え方では弱点をカバーすることはできても、良さを活かせない問題が出てきているのです。

障害を持つ方を『保護すべき対象』と見ることは、生活や仕事などに対する自立を妨げる社会的抑圧にもなりかねません。そのため『自律』を意識することで本当の意味での平等な社会が成り立つと考えるようになってきています。

エンパワーメントは障害を持つ方の自律を促し、いち人間として高い能力を受け入れていこうという意思から生まれたものなのです。

さて、今回はそのようなエンパワーメントにはどんな特徴があるのかを見ていきましょう。

参考:国際発達ケア:エンパワメント研究室

エンパワーメントの特徴や方法

エンパワーメントのの特徴を見つめてみる男性

構造的アプローチ

構造的アプローチとは、社会学的にパワーを受けとることです。経営者や上層部から、部下(パワーを持っていない人)や部署にパワーを与えることになります。分かりやすく説明しますと「役職」「担当」など、物理的な力や責任を与えられることです。

自分でできることとしては、『役割』を意識することになります。現在直面している問題にどんなポジションで、どんな役割で改善すれば良いのかを考えることでも効果があるのではないでしょうか。

また、今行っている業務に「役割」を感じているか・いないかでも自律性に違いが出てきます。

心理的アプローチ

心理的アプローチは、主に精神的な部分やモチベーションに関わるアプローチです。自分で改善できるエンパワーメントは、こちらがメインになります。

エンパワーメントを高めるポイントには、以下の項目が挙げられます。

【自己効力感】
目標を達成できる、やればできると意識できる感覚。困難に直面しても乗り越える力になる。セルフエフィカシーなどとも呼ばれる
【影響感】
目標を達成する意図された効果を生み出す度合い。自分の行っていることで周囲や社会にどのような影響があるかを感じられること
【有意味感】
自分の理想や目標、考え方に意味や価値があると感じられる度合い
【自己決定感】
自分の行動がどの程度『自分の判断によって決めたものなのか』を理解している度合い

この4つのポイントを高めることで、自律性アップにつながると考えられているのです。自己効力感についてはこちら『セルフエフィカシーとは。障害者の働く自信を高めることにつながる!』の記事を参考にしてみてください。

参考:自己決定がモチベーションを上げる | 働き方改革研究所

エンパワーメントのメリット、障害者にとっての必要性は?

エンパワーメントによって仕事のやる気に満ちた女性

意思決定が早く、かつ明確になる

エンパワーメントによって自律性を高めることで、自分で考えるスキルが身に付きます。よって意思決定に対する迷いが少なくなり、明確にできることにつながるのです。

また、常に自分の判断について考えてから行う癖がつくことで、衝動的な行動や無計画な行動を予防する効果も考えられます。

責任感を高め、依存体質の解消につながる

「何でも他人の許可を得ないと行動する自信がない…」エンパワーメントは、そのような「他者依存」になりやすい体質の解消にもつながるのです。これには決断に基づいた理由や責任を知ることも含まれ、それによって自分の判断に対しての不安が解消されるためです。

やみくもに決めたことでの行動は、不安が伴います。エンパワーメントによって意思決定に自信がつけば、判断の際に他者に依存する機会も少なくなるでしょう。

本来の強みを活かすことにつながる

自律性を高める上では、自己理解が必要になります。自分を客観的に見られるスキルが、自律性向上につながるのです。エンパワーメントによって、自分がこれまで知らなかったスキル、活かせなかったスキルに気付きやすくなります。

苦手の克服法ではなく『自分の活かし方』を知ることで、障害を持つ方の本来の強みを発揮することにもつながるのです。

参考:エンパワーメントとは?活用するメリットやデメリット、活用方法について – 人事担当者のためのミツカリ公式ブログ

デメリットはあるの?

エンパワーメントの責任が強すぎて、ゆとりがなくなる様子

周囲とのすれ違いが起きやすくなる

自己の考えや主張を強めることになりますから、周囲とのコミュニケーションの中ですれ違いが生ずるリスクが高まります。

このような問題を減らすためには

・自分で判断できる範囲を知る
・自己主張のために、他者の意見を否定しない
・他者と連携するべきポイント、サポートを受けるポイントを理解する

これらを上司などと話し合って確認しておきましょう。エンパワーメントは力になりますが、責任が伴うことも理解しておきましょう。

精神的な負担になるリスクがある

エンパワーメントによって、個人にかかる責任が負担に感じてしまうリスクもあります。

もし、自分の限界以上の力=責任が辛くなったら、上司に相談しましょう。自分にかかる力の量や内容を調整することで改善できるかもしれません。

参考: エンパワーメントとは?メリット・デメリットや事例から進めるポイントを解説 – TUNAG

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まとめ

希望を持てる社会へ
いかがでしたでしょうか。

障害を持っていると、ウィークポイントに悩むかもしれません。これを解消し活躍するためには『障害を持つ方ならではの活かし方』を理解する必要があります。

そのポイントが、自律です。エンパワーメントは自律性を高める効果的な方法のひとつになります。

自分の活かし方、適職や適した環境が分からず迷っていたら、ぜひエンパワーメントに注目してみましょう。

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