【体験談】ASD、 アスペルガーで家事ができないときに工夫したこと

ASD、アスペルガーの特性上、家事の段取りに悩んだ

結婚して、家事をするようになった

筆者は30歳の時にうつ病を発症し、のちにかかりつけの病院で「ASD(自閉症スペクトラム)」の診断を受けました。病院のカウンセラーからは、「アスペルガーと呼ばれていたものだよ」と聞きました。

障害を自覚し、あらゆる困難に関しての対策を考えてきました。そうして昨年、結婚して新生活が始まりました。妻が働きに出る役割、筆者は家で家事をすることになりました。

家事は過去に社員寮に住んでいたことがあり、掃除と洗濯の経験はありました。しかしながら、家庭のなかでの家事となると全くの別物でした。障害特性もあり、さまざまな苦労がありました。

できる限り、効率的にこなしたい

結婚当初、筆者は就労移行支援に通っていました。その時間の合間に家事を組み込む必要があったため、効率よく行う方法に悩みました。

今回は、ASDを持つ筆者が
○家事で苦労したこと
○家事を効率よく、確実に進めるために工夫したこと
について紹介します。

【ASD、アスペルガー】家事で苦労したこと

掃除、洗濯

掃除と洗濯については、頻度の基準が分かりませんでした。

○掃除や洗濯は毎日やるべきなのかどうか
○一日何回やるべきか。
○布団のシーツはどれくらいの頻度で洗えばよいのか。
○一回の洗濯に適した洗剤の量はどれくらいか。

など、「基準」がないことに本当に苦労しました。分からないために無理にでも毎日行うことで不調になるときもありました。

日用品の購入

日用品の購入も大変でした。ティッシュペーパーや洗剤などの使用頻度が分からなかったために、お金のやりくりに苦労しました。

光熱費など、公共料金の支払い

恥ずかしい話ですが、結婚するまでは実家に暮らしていました。社員寮に住んでいた時も光熱費は公費で賄われていたため、料金の管理については初めての体験でした。

そのため、電気やガスもどれくらい使えばどれくらい料金がかかるのかは、全くわかりませんでした。通知が来て、高い金額になった時はびっくりしました。そのたび、何が原因であったのかを考えることになりました。

ゴミ捨ての管理

ゴミの管理も大変でした。このごみはどう捨てるのか、分別方法が分からずどうやって調べればよいか迷いました。

こだわりの強さゆえ、徹底しすぎて負担になったことも

家事には明確な基準がないため、どこまでも追求できてしまいます。筆者はどこまでやればいいのか分からない「曖昧な物事への判断が苦手」なことと、どこまでも徹底したい「こだわりの強さ」が重なって、無理をして家事をしていたこともありました。

また、自分で決めたルーティーン通りにやらないと不安になるため、強引にでも行うことで、妻を心配させてしまうこともありました。

家事を行うときに工夫したこと

掃除箇所を決めて、毎日行ったところを記録する

掃除する箇所をあらかじめ手帳に書いておき、掃除をした日には対象に「○」をつけるようにしました。これによって、「今日は掃除をする必要がない場所」を見極めるように心がけました。

これは一年以上たった今でも続けています。また、掃除に使用する日用品がなくなった時も併せて書いておきました。これにより買うときに忘れないことはもちろん、それぞれの日用品の消費ペースを把握することができました。

家事の頻度は仕事などの忙しさに併せて調整する

結婚当初は就労移行支援に通いながら、今は働きながら家事をしています。その時の忙しさや時間配分を考えて、作業量を調整しました。

自分の体力やこなせるタスクの限度を「メーター」のようなもので理解していて、「これ以上はできない」限度を把握しました。よって、「仕事、家事、私生活」の配分を常に計画するようになりました。

毎月日用品代を確保。使用状況を記録して、消費ペースを把握する

日用品代は毎月一定ではありません。まとまって消費するタイミングにはまとまったお金が必要です。

はじめは自分の小遣いから欲しい時に買うというスタイルでした。しかし計画的に使用するために、現在では自分の給料から日用品代を確保し、レシートをもらうようにして使用状況を管理しています。

光熱費の支払い状況を管理するアプリを活用する

実際に光熱費はどれくらいに抑えればよいのかという明確な基準がありませんでした。曖昧な物事に対しての処理が苦手なため、スマートフォンの光熱費管理アプリを活用しています。

このアプリは毎月の使用量と料金を入力するだけで、全国や県内でどのくらい節約できているかが分かります。他の世帯との比較があるおかげで、安心できる部分が増えました。

節約に気を付けていることは、「使用しないコンセントはそのたび抜く」「誰もいない部屋の電灯は消す」などを妻とで徹底して、気を付けています。

ごみの分別アプリを活用する

あらゆるごみが「何ごみ」なのか、捨てるたびに迷います。そのため、これもスマートフォンのゴミ分別アプリを活用することにしました。

物品名を入力すればそれが何ごみに該当するのかが分かるので、大変便利です。

体調を崩さないよう、こまめに休養を取る

家事も仕事も、体が資本です。どれくらいの頻度をこなしてどれくらいの疲れがたまるのか。この流れを記録しています。

これによって、「この作業量だと疲れるのか」「このくらいの作業量だと大丈夫だ」などが分かるようになりました。

今調子が悪くなった時は、昨年の手帳を見て傾向を確認しています。

おわりに

いかがでしたでしょうか。

家事にあっては、「合理的配慮」がありません。自分で調整しないといけませんし、ごみも捨てなければたまってしまいます。ですから自分で管理して計画的に行っていく必要があります。

しかし配慮はありませんが、ルールもありません。家が豊かに暮らせて近所にも迷惑をかけなければ、それでよいのです。

そうして自分に言い聞かせながら、仕事との両立を続けています。

【筆者紹介】
Salad編集部員。30代男性。広汎性発達障害、ASD(自閉症スペクトラム)の診断を受ける。就労移行支援に通所中、「在宅勤務」の条件を最優先にしてきた。それは障害上の理由と、通勤で働く妻の代わりに家事を行う時間を確保するため。おかげで通勤に要する時間の分を、家事に回すことができた。料理のみ、双方の希望で妻にお願いしている。

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